音楽劇 「ヴォイツェク」 公演情報 音楽劇 「ヴォイツェク」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.5
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  • 満足度★★★

    善人、罪、罰
    原作部分はそのままに、新たなエピソードを加えたり、シーンを組み替えたりして見通しの良くなった脚本をこけおどしのない演出で描き、ヴォイツェクが狂って行く様子を通じて社会と道徳について考えさせられる内容でした。

    本来は途中に置かれる見せ物小屋の場面から始まり、ヴォイツェクの破滅的な物語が描かれた後にエピローグで再び見せ物小屋の場面が再現される構成で、キーとなる単語やエピソードを繰り返して強調したり、ある意味ヴォイツェクと対の存在である知恵遅れのカールに暗示的な台詞を多く言わせたりと、原作を読んだことがなくても分かり易い作りになっていました。
    新たに加えられた台詞には今現在との繋がりを示唆する要素がありましたが、説明的過ぎる様に感じられる所もありました。

    山本耕史さんが演じるヴォイツェクはとても純粋な男として描かれ、次第に挙動がおかしくなっていく様子が痛々しかったです。
    他の役者はわざと芝居じみた大袈裟な演技をしているのかどうか曖昧さを感じることが所々ありました。

    「7つの大罪」を想起させる7つのドアがある3m程の壁の前で、家具の位置移動だけで様々な場面を描き、クライマックスの妻殺害のシーンで初めてセットの大きな転換があるのが効果的でした。

    クルト・ワイル作曲の『三文オペラ』に東欧的なテイストを加えた様な音楽で始まり、ヴォイツェクの精神状態が悪化するに連れて逆に明快な響きになって行くのが印象的でした。
    管楽器奏者2人+ギタリスト+ベーシストの4人編成で、ピアノやドラムを用いてないのが作品の雰囲気に合っていました。

    井手茂太さんの振付はダンスらしくない動きも多く、社会に飲み込まれる人間の不気味さが表現されていました。もっと身体表現を見せるシーンがあっても良いと思いました。

  • 満足度★★

    難解なのか、自分好みでないだけか?
    それが、一見では、はっきりわからないというのが、正直な感覚。

    役者さんは好演されているとは思うのですが、芝居の空気と劇場の相性が悪いのかもしれない。

    もし、これがトラムとかで上演されていたら、もっと気持ちを持って行かれたのかもしれませんが、少なくても、ACTシアターで、一万円近くのチケット代で、観るような芝居ではないと思いました。

    一番感じたことは、マイコさん、大変そう!ということと、真行寺さん、雰囲気のある女優さんになられたなということ。

    ネタバレBOX

    後半の展開は、ある意味戦慄が走るくらい、怖いという感覚がありました。
    特に、ウ゛ォイツェクが、歌いながら妻をメッタ刺しにするところが。

    この頃、日本でも、サスペンス映画も顔負けのおぞましい事件が日常茶飯事だし、人間が生きている限り、これは永遠の命題なのかもしれないと感じました。

    山本さんが、マイコさんを抱く場面は、構図的に、「レ・ミゼラブル」のマリウスが、エポニーヌを抱きかかえるシーンと酷似しているけれど、描かれてる状況は、全く似て非なるもの。それが、演出の暗喩めいて感じられました。

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