満足度★★★★
秘密はだれでも
不覚にも(笑)ラスト間際泣いていた自分。思えば百年って短いのかもしれない。あの楡の木にとって百年は…。ケラさんの描く女性のセリフの素晴らしさに酔い、笑い、ドキドキして、ハッとして、そんな3時間20分でした。連休にもう1度観ることに決めました。
満足度★★★★
そして人生は続く
100年間を3時間15分で。観終わって、頭がく~らく~らしていた。時間が経った今もまだ続いているので、パンフが読めないなあ。
満足度★★★★
費用対効果の高いお芝居
ケラさんの創るお芝居には、いつも見料以上の満足感を得ている。観られた方には賛否両論あると思うが、私にはとても「見応えがあり、映像を巧みに取り入れた格好良さ」は毎回センスの良さに感動する。
今回の行きつ戻りつする芝居構成は、何度リピートしても楽しめると思う。可能であれば神奈川公演も足を運びたいが、キャパが大きくなり過ぎると伝わりにくくなるのでは?という懸念もあるかな?
満足度★★★★
いいおはなしでした。
翻訳劇を観ている感覚でした。
作品は、女性二人の人生が長いスパンで描かれ
現在、過去、未来と時間が行き来し
それぞれの確信にせまって行きます。
オープニングとか、毎回、映像のアイデアには感心です。
満足度★★★★
世界樹の木の下で
木と話をする家族の物語である。
伝説、寓話の時代から、ドラマの中心に「無生物」が配置される物語は決して少なくない。たいていの場合、それは物語のテーマを象徴している。『白雪姫』の「鏡」は人間の欲望そのものの象徴ではなかったか。そして「木」とは、「生命」の象徴であり、全てを内包した「世界」そのものでもある。北欧神話では世界の中心には宇宙樹があり、聖書においてエデンにあったのは知恵と生命の二つの樹木であった。
ベイカー家の人々は、等しく、庭園の中心にある楡の木に執着する。その理由は、劇中、明確には語られない。語られないからこそ、それが不動の存在であり、「世界の中心」であることが明示されているとも言える。ベイカー家の興亡を「百年」見続けていたのもこの木だし、その「秘密」を抱き続けてきたのもこの木だった。しかし木は決してベイカー家の守護者であったわけではない。人間たちの生の営みも見てきたのと同時に、木はその死も、看過し続けてきた。過去も、現在も、未来も知り尽くしていながら、木は、人間たちに関与しようともせず、神のごとく沈黙し続けている。
我々観客はまさしく「木」と同じ視点で、ベイカー家の人々の動向を見せられて行く。早い段階で、彼らの「結末」は観客に提示され、時間が過去と現在を行ったり来たりするうちに、我々はそもそもの「秘密」の始まる「発端」へと誘導されていく。そして我々は気付かされるのである。
我々こそが「神」であることに。人類はなぜ「神」という概念を創造したのか。それは我々がまさしく「神」と同一の存在であったからなのだ。我々は、あの震災に対しても、今なお続く国家間の戦争や、人間の経験してきた全ての悲劇に対して、ひたすら「神」であり続けてきたのだ。
即ち「神」とは、世界の運命に対して、あの木のごとく「傍観者」であることしか出来ない我々の「無力」を象徴している存在なのである。ベイカー家の「悲劇」に責任を負っているのは、実は「我々」なのである。
満足度★★★★
二人の女性の友情を彼女たちと家族の半生を通して描く。
犬山さんと峯村さんが演じる二人の女性の『友情』、二人だけの秘密。
時代を行き来して描かれる二人の半生。
エピソードは時間順ではなく、
観客に「見せる順番」「知る順番」を考えて、時にさかのぼったりする。
そして、予期せぬ結末。
満足度★★★★
いつもながら映像は素晴らしい。
前回の作品があまりにもガッカリだったが、今回は良かった。
特に映像が今回良かった。
長いスパンで時代を行き来するのも見ごたえがあった。
満足度★★★
大きな楡の木の下で
ナイロン流の文芸作品を見てるみたいだった。
生きている上で生き方の釦の掛け違えなんて、その時は気づかないけどある程度の体験を経た年代にとっては身につまされる箇所が往々にしてあるのでは。3時間近く年代を行ったり来たりし、話は全体的に暗い。
自分のこれからの老年期を示唆するような物語でした。
ナイロン女優陣が良かった。
新人さん達の役柄が何となく統一した役柄設定に感じてきたのは、ケラさんの作品に嵌って見ているせいかな?
満足度★★★
ストレートでした
奇を衒うこともなく、芯のある芝居でした。3時間の及ぶ大作で、説明にあるとおり、観るほうも真剣さを要求されたような気がした。
後半少し集中力が切れてしまった。
満足度★★★
丁寧なシーンが
時間を前後して映し出され、複数の人間に波及していうような秘密が解かれていく。役者さんの演技もよかったのですが、物語としては平板に感じてしまいました。人間の心情が木を悪魔にもしてしまう、でも映像まで凝って作るまではしなくてもいい気がします。
満足度★★
ケラ式「わが街」、はたまたチェーホフ劇
って感じのお芝居でした。
確かに、ケラさんの作劇は上手いと思います。
3時間半、長いけど、カットすべき箇所は思い当たりません。
あれだけの、登場人物、一人二役、三役もあったりして、その上、時間が過去や未来に行ったり来たり。それなのに、全くこんがらがらないのは凄い。
でも、この作品、所詮、作り話の域を出る芝居ではなく、よって、登場人物誰一人として、感情移入できるような存在もみつけられないまま、ずっと、客席から、傍観してしまいました。
何役も演じたり、同一人物でも、若い時や老齢まで演じ、役者サイドのテキストとして見たら、秀作脚本かもしれませんが、一般観客である自分には、今回の作品は、凡作に思えました。
実力ある俳優陣が勢揃いしている劇団だから、途中で帰りたい気持ちにもならず、観られるのですが、これをもし、素人紛いの劇団が上演したら、たぶん、途中で、帰りたくなるかもしれません。
萩原聖人さんと、ベイカー家の女中、メアリー役の長田さんがとにかく秀逸な演技と存在感でした。
100年の歴史を現す、映像の使い方、見せ方の巧みさにも、感嘆しました。
ただ、室内と庭の境がないので、舞台の中盤まで、登場人物がどこにいるのか不明な箇所が多く、そういう余計な神経を使わされて、やや疲れました。
せっかく、台本構成は巧みに書かれているのに、セット面で、難解にしてしまったようで、残念でした。
満足度★
良いところよりも悪いところの方が多い
脚本が悪いと思った。演技の質が高いのに勿体無い。
とにかく長い。その長い舞台で何が示されたのか。主要な登場人物がそれぞれ幾ばくかの秘密を抱え、それぞれと絡み合いながら死んでいく。しかし、そのどの場面も淡白で、観終わった後の徒労感はかなりのものだった。色々な話が出てくるが、とっ散らかっていてどれもよくわからない。
“百年”という時間の無機質感が強調されていて、誰がどうであろうと無関係に時は過ぎゆくという寂寥感でも提示したかったのか。それが全体の印象。登場人物たちも、基本線が暗いというか悲しい話が多い。悲しい状況にあって悲しい人たちばかりで、観ていて鬱鬱としてくる。
秘密も凡庸で、秘密よりも年を重ねることによる苦痛の方が大きそうな話ばかり。人は、誰しも少しずつ錆ついていく。そんな話、魅力的ですか?