おもいのまま 公演情報 おもいのまま」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★

    佐野史郎さん石田えりさんは凄いに決まってるし、生で見れてうれしかった。
    公演期間の長いお芝居だったので、友人がみ終わってから投下
    池袋第2の劇場あうるすぽっとに初上陸です。

    ソワレ 前から3列目

    高級住宅街で優雅な暮らしを送る夫婦の元に、ある日二人の雑誌記者が訪ねてくる。実は街で起きている連続強盗殺人の犯人がこの夫婦ではないかとにらみ、さらにはスクープのために強盗殺人に見せかけて夫婦を殺そうと企んでいるのだった。極限状況の中で露呈してくるお互いの秘密。果たして夫婦はお互いを信じ、真実にたどり着けるのか。

    全然違う!事前のチラシはこんな感じでしたが、実は全く違います。

    人の思いの力は強くて、思いが強ければ運命が変わってゆく。
    お芝居で許される「不条理」の不自然を暴く。

    お芝居は何にも分類されない感じ、されたくないかんじ
    しかし見る方はサスペンスなのかサイコなのか不条理なのかホラーなのかある程度はっきりしてほしい。
    前半の不条理パートは、あえてありがちな感じで進むので客もこれにのっていいのかわからない感じ、また後半の想いパートでは、前半と雑誌記者のキャラが完全ならともかく微妙に逆になっているのでいわかんが・・・
    最初の方に見に行ったので後半さらに変わっていないだろうか。

    舞台の始まる時、雑誌記者が逃げている声が流れていたがあの時
    雑誌記者はなにから逃げていたのか?「あの目…」といっていることからも警察じゃない
    でもそれは本編にでてきてない。

    舞台装置は、作り込みすぎず、品よく想像力をかき立てる仕上がり、最近とってもよく出来すぎている装置が多かったけど、とてもよかった。しかしその中で火災報知器が目立っているのが、もったいない。ぜったいなにかあるって思っちゃう。

    オトオさんは素晴らしく好演されていたけど、産みの苦しみも味わわれている気がした。

  • 満足度★★★★

    不思議な世界が…
    飴屋法水の演出はやはり、不思議な感じですね。おもしろかったです。

  • 満足度★★★★

    異色のエンターテインメント作品
    上演時間を休憩を挟んで二分して、それぞれ同じシュチュエーションから芝居が開始。登場人物の感情や選択する行動によりストーリーの結末が大きく変わっていくという作品。真夜中の侵入者と家人のやり取りに臨場感がある、良質のエンタメ作品でした。脚本は作り込みが甘いです。

  • 満足度★★★

    疲れるだけの見応えはある。
    2幕構成であることを知らず、
    1幕が終わった時点でがっつり帰りたくなってしまったので、
    2幕前半が楽しめなかった。もーそれくらい重い。1幕め。

    1幕めと同じ内容(でもちょっとずつ違い、ラストは全く異なる)が繰り返される2幕め、
    これは客はパラレルワールドとして捉えるべきなのだろうけど、
    それにしては佐野さんなんかキャラ違いすぎな気がして、1幕とは全く別のお話のよう。
    異なった「選択」による「結果」がそれだったんだろうけども、
    個人的にはなんとなく釈然としないまま終演。
    まあでも解り易い展開・見せ方だったかなあ、と思います。
    舞台セットも音響・照明効果も雰囲気出てて。

    1幕での記者2人の極悪非道な冷血っぷりは、だいぶ薄まったとはいえ2幕でも健在だったので
    カーテンコールが無かったのもあいまって、
    すっきりしないまま帰路につきました。
    自分には合わない舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    選択の物語
    飴屋法水の仕掛ける、選択の物語。
    絶品でした。
    休憩で帰りたくなっても、帰っちゃダメ!

    ネタバレBOX

    久々に行ってきました、あうるすぽっと。
    なんか息苦しい額縁舞台だった記憶しかないので、客席入ってびっくり。
    粋な装置。
    家なんだけど、壁とかは作らず、柱だけでうまく作ってる。
    あうるすぽっとの広い舞台空間を無理して埋めてる感もなく、音響スピーカーが山積みされてたり、脚立が立て掛けてあったりと、
    「ここは劇場なんだぜ」
    って感があって好き。
    かっけー。

    芝居は休憩挟んでの二部構成。
    前半がとにかくしんどい。
    高級住宅地のある一軒に、スクープ記事ばかり書き続けている二人の記者が侵入してくる、
    ってのが大雑把なストーリーなんだけど、
    この二人が、本当にゲス野郎で、観てて胸くそ悪くなる。
    それだけ芝居うまいって事なんだけど、ほんとに、しんどいくらいゲス。
    脚本もまたドギツイのでゲス度MAX。
    大切にしてた道徳とか倫理観とかを目の前で粉砕されるような、言い様のない怒りが込み上げてくる。
    芝居のクオリティとか役者の演技にいらいらする、とかではなしに、芝居の登場人物に対して怒りを覚えるってのは久々の体験かも。
    それだけ引き込まれてたって事か。

    前半が終わり、休憩に。
    前半で、一つの芝居として完結している。
    続けるとしたら、あの方法。
    と思ってたら、やはり。

    ラン・ローラ・ラン形式と呼びましょうか、
    あるいはキラー・クイーン・バイ・ツァ・ダスト(敗けて死ね)形式と呼びましょうか。

    この芝居の一つのテーマとしてチラシにも書いてあるのが、

    「選択」

    あの時ああしていれば、なぜあんな風に…

    生きてる中でしている選択の数々は、未来を大きく変えてゆく。

    その「選択」についての物語なだけに、後半も前半と同じ入り方をする。

    この戯曲の仕掛けがまた、粋。
    前半の展開から、少しづつ少しづつ変わっていく後半に、
    完全に心をつかまれる。
    なんともまぁ、ずるい展開。

    前半のドギツさも、後半の為に過剰に盛られたスパイスに違いない。
    前半でキツいからって休憩で帰ったら間違いなく損する芝居。

    演出の、空気のコントロールが、巧み過ぎる。

    後半は、佐野史郎らしい佐野史郎で少しほっとする場面も。

    選択によって変化していく物語は、自分の選択を受け入れる物語でもある。
    自分が選んだ道から目を背けながら歩んだり、後悔し続けながら歩む事は、なんとももったいない事なのだ。

    あの時こうしていれば、な思考ではなく、
    自分で選んだ道だから、と道を受け入れて歩む事。

    「誰が選んだのでもない、自分で選んだ道ですもの」
    森本薫『女の一生』の名台詞を久々に思い出した。

    私も、「なんであの時…」って考えがちな人間なのだが、
    この芝居を一つのきっかけに、久々に前向きな気持ちになれそうだ。

    演出・飴屋法水のやり方にはびっくりさせられる。
    演出・美術・音楽デザインとクレジットされているだけあって、美術・音楽の演出効果が半端ない。
    特に音楽。
    ノイズ的なサムシングが、生理的に嫌な部分を非常にうまく突いてくる。
    芝居の空気感が、聴覚化されているとでも言おうか。
    ヤバすぎる。
    音で、会場全体がびくっとする光景なんてそうそう出会えない。

    演出家・飴屋法水、凄すぎる。

    この人が演出した『4.48 サイコシス』がべらぼうに評判良かったそうだ。
    観てみたい。
  • 満足度★★★★★

    もし、あの時別の「選択」が出来たなら
    昔、「世にも奇妙な物語」の後継番組で「IF~もしも」という番組が
    ありましたが、それとよく似た構成ですね。

    一つの出来事を、それぞれ「別の選択をした場合」から追っていく。
    個人的には、そういう類の物語は大好きなので凄く楽しめました。
    選択の違いによって、細かい部分の設定が変ってきているのも
    とっても好感触。

    ラストは本当に良かった。 なんか上手くいえないけど
    浄化されるような気持ちだった。

    ネタバレBOX

    中島氏の脚本、特に一幕目は異様に生々しくて(特にアフロ記者の
    自己中心的な言い分や独白)、自身の劇団が解散することで
    何か思うことがあったのか?と感じる位でした。 
    でも、Fineberry『守り火』よりは悲劇的ではなくて良かった。

    私には、一幕終盤の記者の
    「俺、努力しているのにむくわれねえな、と思ってるやつには
    そのままむくわれねえ人生が必ず来る」
    「思っていることはいつか必ず現実になるんだよ」
    「だから好き勝手心の中で何でも思っていいってわけじゃないんだよ!!」

    っていう台詞はホントに響いた。 いや~、まさに至言だと思う。
    ま、記者二人はフォロー不能なほどの鬼畜なんだけど(汗
    でも、こういう人って人殺さないだけで、結構いたりするんだろな…。

    二幕目は、一幕目の緊迫した、サスペンスっぽい悲劇展開とは
    打って変って、結構なコメディ調。一幕目で明かされた事実や
    設定が絶妙に使われ、素直に上手いな、と(五反田での
    「アリバイ」の話とか笑 本人にはたまったものじゃないけど)。

    最後は、光の中、静かに余韻を残して終わる。 今後、二人の
    行き先にどんな「選択」が待ち受けていても、上手く前へ進んで
    いける、そんな未来を感じさせるラストでした。

    上演前からの光や音響の使い方が言い表せないほど良いんだ。
    飴屋氏のこだわりのなせる技だと思いますが、客席、まるで夏の
    どこかの爽やかな別荘みたいな雰囲気でした。 

    上演中も、特に一幕目では、独特のダークな雰囲気作りに
    大いに貢献していて、流石!!! と思いましたね。
  • 満足度★★★★

    繰り返しと選択
    実験的な作品で新鮮な感動を与えてくれる飴屋法水さんの演出で、ベテランの佐野史郎さんや石田えりさんが演じるという興味深い組み合わせは、ちょっと実験的な要素を含みつつも、普通にストーリーのある分かりやすい作品に仕上がっていました。

    ある裕福な中年夫婦の家に、夜遅く記者を名乗る横暴な若い2人組が押し入って来るところから始まる物語で、サスペンスとバイオレンス色の強い、痛々しくシリアスな雰囲気でした。
    2幕は1幕冒頭が繰り返されて始まるのですが、1幕のときとは違う選択をすることによって、シリアスな状況なのに一変して笑える所がたくさんあって、雰囲気の変わりっぷりが見事でした。そして最後は仄かな希望を感じさせつつしんみりと終わりました。

    1幕で物語が終結してしまったように見せ、休憩後の2幕はどう話が続いていくのか期待させる構成が良かったです。1幕が2幕への大きな前フリになっていて、演劇の虚構性を強調する構成になっていて面白かったです。

    佐野史郎さんは肉体的にハードな演技をしながら、まるで一人芝居のように多くの台詞を言って、気弱な中年男性の色々な感情を表していて良かったです。石田えりさんはあまり台詞はありませんでしたが、たたずまいがチャーミングで、2幕での要所要所でのツッコミ的台詞が決まっていました。咳が止まらなくなったり、縛られた状態で転んで立ち上がれなくなったりとおそらく演出ではないハプニングがありましたが、佐野さんのフォローもあって流れを止めなかったのは流石でした。

    飴屋さん直々の音響オペが普通の演劇と異なる文法で効果音を入れていて、異物感を持たせつつも他のシーンを暗示させていて、とても良かったです。使われた音楽(クレジットされていませんがテニスコーツが演奏したもの)もいたずらに盛り上げる曲調でなく、独特な雰囲気を醸し出していました。

  • 満足度★★★★

    不思議な夢を見たような
    感想をひとことで言うと、レビューの題のようになります。

    同じような状況で、一幕と二幕がまったく異なる結末の芝居で、違うテイストなんだけど、終わった後、爽やかな気持ちになりました。

    佐野さんの演技にぐいぐい惹きつけられていって、それだけでも観る値打ちがあったと思います。

    石田さんは初舞台のときから落ち着いた女優さんで、舞台向きだと思うし、
    穏やかな笑顔が印象的でした。


    舞台美術が、90年代に見た飴屋さんの前衛的攻撃的アート作品とは違い、普通の落ち着いた感じなのが意外でした。

    素敵なインテリアなんだけど、この劇場も間口が広いので、下から見上げる前方の席からは、中央部分がごちゃごちゃした印象にみえたのが残念。

    でも、自分は視力が弱いので、後方だと俳優さんの表情が見えないのでしかたありません。

    ネタバレBOX

    同じ設定の芝居が2編。前篇が悲劇、後篇は多少笑いが混じる。

    侵入するTV局の取材記者のコンビの音尾・山中さんが前半で1,2の役どころを替えて演じるのも楽しめる。

    ただ、私の印象では、選択によって結果が大きく変わってしまうというよりは途中で起こった状況が少しずつ違うので、違う芝居にみえ、「AorBというような選択のもたらす妙」は感じませんでした。

    前半の最後に水の音が高まって大きな潮騒に変わるあたり、冒頭に洗面所の蛇口がはずれて水浸しになる場面を想起し、不気味な効果があった。

    後編は夫妻が助かり、ホッとして終わる。

    控えめな音楽も心地よく、たまにはこういうお芝居もいいなと思った。
  • 満足度★★★

    どう言ったら上手く伝わるのか…
    一幕と二幕反復芝居。もちろん結末は違うけど。

    様々な選択肢の中から現実を受け止め、無意識の中、気をしっかりして見ないとアフロ記者達の行動に巻き込まれそう。
    レイトショー映画見た様な怖じ気もあったが、それまでの緊張した空気とは対比する様な笑わせる行動で幾分空気が変わって、ちょっと楽になった。
    硬派だけど根底はシンプルな舞台。
    見終わった後、曇り空の中から木漏れ日が見えた様な気分だった。

    ネタバレBOX

    あの時の選択をこうしていれば、もっと人生変わった生き方をしていたのかもと、ふつふつ思う事が出てきたのは自分も齢を取った証拠なのだろう。まあ、賢かったか、愚かだったかの選択の葛藤は今後も出てくるだろうけど、そんな事はもっと先に考えればいいか。

    チラシ紹介文の通り物語は進み、記者2人の登場で夫婦2人の築き上げてきた状況が一変する。実子の死亡原因は事故か事件か。事件なら誰が殺したのか。これに目を付けたのがスクープ連発していた記者2人。違法スレスレで執拗に調べまくった結果、虐待を疑いその証拠を探るべく、かなり手荒い方法で夫婦の家に土足で入り込みエグるように証拠を探して行くが次第にエスカレートしていき…。

    もー、暴力を受けているときの佐野さんの表情と悶絶具合がほんと痛そうで、思わず顔を背けたくなる。で、ほぼ縛られっぱなしのえりさんと佐野さん。前半と後半の夫の趣味が発見された時の、2人の感情が何とも…特に後半、夫の性癖に対する妻の吐露の状況はちょっと気まずいけど笑えた。
    縄抜けの術は今後、幅広い意味で生きる過程にいかしたい。・・いかせるかな・・?

    記者の2人は前半と後半、どちらもアフロで!イニシアチブを取るけど、快楽と本音と欲望が大部分を占めてるように見え、スレスレで生きてるような感じだけど、それで満足なんだろうな。非道だけど。
    後半の選択に、爽やかではないけどそれまでの不快感は消えた。

    これからの夫婦2人の日常生活が平穏でいけばいいなと思ったが、大変なんだろうな。えりさんの優しく前向きな表情が印象的。
    物語全体を幼子の声が響き渡り、知らぬ間に何かに操られていた様な気分だった。

このページのQRコードです。

拡大