喫茶ティファニー 公演情報 喫茶ティファニー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★★

    懐かしい雰囲気の喫茶店の店内で繰り広げられるささやかな物語は、いくつもの重い課題を我々に突きつける。
    マイノリティであること。
    知ってるようで全然知らなかった。こんな身近にこんな歴然とした人種問題があるということを。
    重い題材と劇中の人々が抱える困難については、観ている最中から自分でも調べてみたいと思わされた。
    そして、それじゃあ普通って何?日本人って何?そんなことを当たり前に考えさせる作劇が見事だった。
    しかも、劇中の人々の佇まいや感情の動きの自然さ会話の切実さを丁重に描くことで、中心に据えた題材に留まらず、多くの人が共感しうる普遍性を持つ作品となった。

  • 満足度★★★★★

    105分。

    ネタバレBOX

    メイコ(森谷ふみ)…日本人。祖母はアイヌ。常連客で貞子に編み物を教える。奥の裏カジノで大金稼ぐ。貞子の兄の子を身ごもるが苦悩の末流産、その影響で政美の妊娠に気をもむ。
    貞子(山村祟子)…在日朝鮮人。政美の母。在日差別に諦観し、帰化しても同じだという。
    政美(中村真沙海)…在日朝鮮人。日本人の彼を子を身ごもるが、カミングアウトが遅れ、婚約破棄され子を引き取らせろと通告される。内定破棄される等の差別もあり金のためネットワークビジネスに手を出す。
    近藤(斎藤祐一)…ネットワークビジネスの人。政美に気があるけど在日と知り動揺する。
    シンちゃん…在日朝鮮人。韓国旅行でも差別され日本で生きていくが、底辺な毎日から抜け出そうと政美のネットワークビジネスに賛同するが、親友のロイを売ってしまう。政美の元彼。
    ロイ(吉田庸)…フィリピンとのダブル。母はフィリピンパブで父は客だった。日本でイジメられフィリピンでもイジメられ底辺な毎日をおくるが明るく楽天的に生きている。シンちゃんに母をビジネスに入れろと言われキレる。
    兄(山田百次)…政美の元婚約者の兄。政美に子のひきとりを告げに来た。
    男(河村竜也)…日本人。常連。裏カジノの用心棒。
    女(赤バネ千久子)…日本人。客。近藤のネットワークビジネスを詐欺だと喚き、逆に追い立てられる。

    渋谷から電車で40分位の町にある雑居ビル二階の喫茶ティファニー。
    店主や常連客がいる中、ネットワークビジネスのコメディ的な話が中心で進んだところで、在日等の人種によるマイノリティ話に急展開していく。

    過去も現在も未来も続くであろう人種というか血による差別をテーマに描いた秀作。やや一方通行な感じも受けるが面白い。血で人生低空飛行させられている人々の頑張りとか苦悩とかを、程よいキャラ付けされた面々が描かくことで引き込まれた。圧迫された環境で踏ん張り続け這い上がろうとするサマは、弱弱しくもパワフルさが根底にあって、それが舞台の吸引力になっているのかなと。
    (裏カジノが)バレなきゃいい、というセリフがあったが、自分の出自がバレるとマズイという感覚は、日本で日本人として生きてきた自分としては、想像を超えた感覚のように思う。昨今のマイノリティ事情もあってタイムリーでもあり、通念的な作品でもあった。
  • 満足度★★★★

    アゴラ劇場の壁際一杯に作られた古びた喫茶店内。下手手前にゲーム付のテーブルが置いてある。冒頭森谷ふみがお客に対してセットの事、程なく登場する幾人かを紹介するという「親切な」導入以後は、ホエイには珍しく「逸脱」「ぶっ飛び」のない地に足のついた現代設定のストレートプレイであった。
    アウトロー世界の入口として機能する喫茶店には、そうした者たちが滞留し、通過する。場の設定が見えると作者の狙いも頷け、際どい問題に突っ込んだ芝居の輪郭が浮かび上って見えてきた。
    青年団系が多いとはいえ多様な存在があって「あうん」で成立していないのが良い。

    ネタバレBOX

    この芝居は制度的に生み出されているアウトロー(従って合法世界の住人にも無縁ではない)の話である。
    ただリアルを追求すれば、中心人物である在日の青年のあり方などいささか違和感はある。

    経済的事情で(植民地由来でなく)渡日する外国人がある種の孤立の状況を嘗めている事は想定でき、外国人コミュニティのある部分がアウトロー化すれば、そこでの階層形成もあるに違いない。映画が好んで描きたがる世界だが、様々な矛盾を孕んでいるが故だろう。ただアウトローが世間的常識や法に頼らず自立心を発揮する気概の方が絵になるが、この芝居ではその主張を体現する存在をささやかに残しながらも矛盾の提示に重心がある。

    余談ではあるが・・朝鮮籍の朝鮮人は今は在日の中でも少数派というが、同じ法の埒外でも日本社会でそれなりの地位を確保するための長い運動があり、民族的紐帯も形成されているので、法的処遇の厳しさを見ずそこだけ見れば、羨ましいと感じる温かい関係がある。コミュニティを構成する国籍状況も多様と聞く。ここ10年、朝鮮学校が高校無償化措置ばかりか補助金からも見放され、教師はほぼボランティア状態で後続のために身を削っているのだとか。だがそれを支えようとするコミュニティは温かい。
    このコミュニティがまず土台としてあり、そこからはみ出した存在なら「なぜそうなったのか」が、青年の固有のあり方となってくる。
    在日の女性の方も、名前を隠すか否かなど十代に悩み尽くしているはずで、結婚相手になろうかという男性に出自を隠す事にはリスクの方に自覚的なのが普通だろうと考える。元々本名を名乗っていた彼女が仮に在日コミュニティから抜け出したくなったのは何故だろうと思うが、そうだとして国籍問題を解消して日本人のいいとこの男と付き合う順序は難しいから、結婚によって無理なく帰化するために相手を選ぶだろう、その場合の相手は彼女の出自にむしろ同情的な人間であるはずだ。

    ただ、男女二人の「らしからぬ」人物設定にも、出自を忘れる日常にあって「ある局面でその事が桎梏になる」という制度差別の本質はみえる。ほぼ日本人の感覚を持ち、就職難の現実も日本人同様に味わう彼らが、見えない差異を突き付けられる。

    ちなみに「朝鮮籍」とは日本国憲法成立の前日、それまで日本国籍者であった朝鮮半島出身者を「外国人」に括る法律が出来、憲法の「法の下の平等」の対象から排除する事ができた訳だが、その時彼らに当てがわれた国籍が「朝鮮籍」であって、実在する国に帰属する国籍とは異なる。
    つまり朝鮮籍は北朝鮮に帰属している訳ではなく「韓国籍をとる」という選択をしなかった朝鮮人たちが持っている籍、という事になる。日本の朝鮮半島植民地化がなければ彼らは元々存在しない。国や制度に翻弄された彼らが少なくとも、喜々としてある国籍を選ぶ、などという事はなかったに違いない。
    時は流れ、情勢も変わり、便利だから韓国籍をとる、結婚したら日本国籍になる、というケースが増え、韓国籍・朝鮮籍ともに年々減っている。
    一方アイヌ人には国籍そのものがない。ただ民族的自覚を持つ人間によって、受け継がれていく。そういう存在を包摂する日本でありたいが、なぜ「差異」に人は足を掬われてしまうのだろう。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/04/17 (水) 19:30

     なかなかの問題作だと思う。東京から45分の町にある、かなりオールド・ファッションなゲーム喫茶で常連しか来ないような喫茶店に、新たな客が来る。実は、過去にバイトをしていた女性が元カレを連れて来て、マルチの勧誘を始めるが…、という物語。マルチだと思っても、それにハマらなければならない環境の人々の事情が次々に明らかにされる流れは、結構厳しい。演出も巧みで、役者もしっかり演じて、緊張感のある105分だった。

  • 満足度★★★

    日常からある意味「非」日常を観ることが多いのが演劇だと思うが、今作は
    なんというか、意識してない自分にありえる日常の物語。
    私は何かしら、誰かしらに、「差別」という行為を無意識にしているのだと思った。「差別」ということを区別」という言葉に置き換えて。

    出自にまつわることや、性別や、生活レベルの事や、様々な事柄で人は、自分は「差別」をしている。劇中に「あなたになにか迷惑をかけたのか?」という台詞があったが、そう、そこなのだ。「差別」する人に「差別」される人は何かしたか?そうではなく、「○○だから」という事だけで「人柄」「能力」関係なく始まるのが「差別」。105分、そこは想像の世界では無く、ごくありふれた世界。世の中には、差別が溢れていて、それが「良くないこと」と教えないと分からない世界になった。
    わかったつもりで語るのも変だし、でも、確かに観たことでなにか、自分の中に思うことは増えたとおもう。

  • 満足度★★★★

    かなり昔の記憶だけれど確かにあった!ありました。
    入店しなくても外観から既に違法の臭いがプンプンするゲーム喫茶。
    なるほど、こんな感じでしたか。
    重要な回想シーンが数か所挿まれるものの2時間弱ほぼリアルタイムにてその内部を大公開。
    もう心憎いくらいディテールが細かいところまで。

    賭博とは関係ないのだけれど、中央のテーブルでは何やら怪しいやり取りが繰り広げられており、思わず耳がダンボ。
    というのも、この香ばしい切り込み口調、私にも過去経験アリ。
    私のケースではこの手にハマっていたのが男の学友なので、本作のシチュエーションとは多少異なるものの舞台上で創り出されるベクトルはあの時の彼とソックリ!
    いや、ずっと用意周到(?)なので、グイグイ笑っちゃったり、あ~ぁそうなるかと笑えなかったり。
    今でもはびこっているのでしょうかうか、この商法。

    ある1日のある時間を切り取っただけで自然と浮き彫りになってくる幾つもの人生。
    報道等でちょっとは情報を持っていたとしても個人的にはほとんど縁の無い生い立ちの人々。
    非常にデリケートな問題も含有しているのでコメントしづらいですが、思うところは多かったです。

  • 約1時間45分。日本で人種差別が温存される仕組みを見た心地。自分の大学時代から変わっていない…20年以上経ってるのに…。

    ネタバレBOX

    指紋を押させるとか16才から身分証必携とか…
    映画「スワロウテイル」に流暢な日本語を話す白人男性が出ていたのを思い出した。彼は英語が話せなかった。
  • 満足度★★★★

    常連客がたむろする喫茶店は昭和の風物詩でもあり、当然、店内にはネタになる出来事は山ほどあった。しかし、今回の作品は、「え、そうくるのか?」という感じで、かなり重い内容だ。いい意味で意外性があった。

  • 満足度★★★★★

    イライラは嫌だけど好物です。

    ネタバレBOX

    ゲーム喫茶のなれの果て、奥の部屋にある違法賭博ゲーム機で生計を成している在日韓国人一族の、こんな生活から抜け出そうにもやはり違法なことでしかやる方法がない、やるせない日々を描いた話。

    デート商法ではイライラさせられました。

    母国語の話せない在留者の子孫たちは日本で生きていくしかないとしたら、我々もそれを理解しておくことが必要だと思います。

    最後のアイヌは蛇足と感じました。
  • 満足度★★

    ■約100分■
    あたりさわりのないタイトルと可愛いチラシは目くらまし。アフタートークの初回ゲストのプロフィールから、じつはそういう話なのだろうと察しはついたが…

    ネタバレBOX

    在日コリアン三世が経営する喫茶店を舞台に、日本で暮らすコリアンの生きづらさが描かれる。こう言ってはなんだが、そうした苦労話は昔からたびたび耳にしてきた類のもので、よっぽど表現をひねらなければ客は食いつかない。また、事情が変わった部分もあるだろうに、それらは反映されず、昔聞かされた通りの話が舞台上で繰り返されて、前のめりになれなかった。
    さらに、かなり尺を取っているネットワーキングビジネスのくだり。ダラダラと長いばかりで劇の本筋ともあまりクロスせず、なぜああも時間を割くのか理解に苦しんだ。

このページのQRコードです。

拡大