クロッシング・クリスマス・クリアランス(完全版) 公演情報 クロッシング・クリスマス・クリアランス(完全版)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    抜群の面白さでした。
    ハードボイルド、洋画の映画を1本観た様な感覚。

    細川さん特有の臭い立つ様な空気感。
    酒(バーボン)と燻らせたタバコと、そして銃口から漂う硝煙と・・・
    とにかく手加減無しに作品を追及していて、豪華な役者陣がそれを支えていて、
    1から100まで楽しめる作品でした。

    少年アル(楠世蓮さん)に汚い世界を見せない為に、自ら組織へと入っていくレニー(福地教光さん)の行動は、
    ハッとさせられるほど愛に満ちていたし、その少年アルと共にいる
    3体の人形達の動きや話なども忘れていた何かを思い出させてくれている様で、
    クリスマスの時期に相応しい、夢と現実とが同時に存在するかの様な世界観はただただお見事でした。

    ONE DAY以来の拝見のHiroka Denzyさんのああいう佇まいも好きだなぁ~と思いました。
    最終的に玩具屋の倉庫が、何故組織の取引に使われていたのか?
    そこに繋がる過程も衝撃的であり、しかしとても納得出来るものでした。

    ここまで大人な舞台もなかなか観られない中で非常に貴重な作品でした。
    また、客席でもビクッとなるレベルでの銃声も『やってくれるぜ』って感じで、
    作品に必要な要素として十分でした。

    年末に本当に良い作品を観られました。大満足!

  • 満足度★★★★★

    面白かった!張り詰めるハードボイルドの世界と甘酸っぱく寂しく暖かい世界が表裏一体、クロスする。かっこよさに痺れるし、胸も目も熱い。世界観もテンポもしっかりで、あっという間に惹きこまれた。客席まで冬の街の空気。この物語が好きだという人が多いのも納得。

  • 満足度★★★★★

    2018年はこの公演を楽しみにしていた。5年前の初演を観ている。
    出演者も申し分なく、スタッフも豪華。事前に公開された衣装つきビジュアルも良く、期待値が上がった状態での初日はその期待を下回る感覚。愕然とした。自分がこの作品に求めているクオリティはこうではないと、はっきり認識させられた。満足できなかった最大の理由はおそらく、上演時間を2時間10分におさめるための速すぎるセリフ運びと、速いがゆえのセリフ噛み、そしてほんのわずかずつの”間”の短縮ではないかと推察。映像作品のような感覚に陥る、目の前を過ぎてゆくシーンたちの連続に、なんだか「あっという間」感を感じて初日は終わってしまった。再演とは難しいもので、物語は分かっているのでお話に対する感動を改めて感じることはあまりなく、しかも無意味に初演と比べてしまう。この初日の印象がやっと塗りかえられたのが3日めくらい。楽日は大変熱量のある演技、客席のテンションも良く満足いくクオリティだった。
    上演時間はどうやら2時間20分くらいが最適だった様子。アドリブらしいアドリブなど挟まず適切なスピードのセリフ運びと適切な”間”を設定すればそうなる長さの作品なのだ。そこは無理せずやってほしかったが、休憩無し2時間20分と言われたら「きついなあ、どうしようかなあ」と思うのもまた自然なこと。とにかく、無理に短縮するとこうなるのである。

    この作品はとにかく話が良い。どの登場人物のことを思っても、どこかで共感できたり、どんな思いだったんだろうと想像を膨らませることができる。照明はいつもの細川作品らしく青や紫を多用した見えないところを作り出す「ずるい」照明ながらファンタジーパートでは優しいオレンジと緑と赤の照明が穏やかにクリスマス感を演出していた。そしてなんといっても「バンタム銃」である。いつもの銃口の光るモデルガンではなく演者・音響・照明が三位一体となって表現された発砲…はっきり言って、こだわりすぎである笑。体の芯に来る音、そして一瞬視界に広がる光。新宿村LIVEでの新しい表現。良かったです。

    その他いくつかNOを突きつけておきたい。まず舞台の高さ。あの低さでは高さのない座席(XB列・XC列)では見えない部分ができてしまう。チケット発売日にチケットを買ってくれた客が一番観にくい席をあてがわれる。今回一番良くなかった、納得のいかなかった点。それから空間のつかいかた。シーンひとつひとつがこぢんまりし真ん中・右・左と場所を移ることで、前方で観ていると密度が薄まった感じがした(後方から観ていると気にならないのだが)。かつ、前方席は段差が無いので前の観客で隠れてどうしても見えない部分が生まれるのである。もったいなかった。

    不満をつらつら書いたが。良くなかったと感じた初日でも素晴らしかったご出演者多数、そして速すぎるセリフ運びを調整しただろう公演後半はとても良く、クリスマスイブおよびクリスマス当日の公演は素晴らしかった。初日のクオリティはけして高くなかったが、それでも写真撮影イベントのあとにダブルコールというなかなか無いことが起こったのは、観客の感情をそれだけ揺さぶったということ。千穐楽はトリプルカーテンコール、スタンディングオベーション。そこでおもちゃ3人のコールにあわせ「メリー!クリスマース!」と気持ちよく叫べたのは何よりの思い出である。

    以下、ネタバレBOX。

    ネタバレBOX

    初演時よりももっと深く物語に入り込めたと思う。
    ひとえにご出演陣のレベルの高さからであろう。

    弟アルに汚い世界を見せないために裏社会で奮闘したレニー。父親への軽蔑のまなざし、弟への愛のこもった期待のまなざし。アルに「僕の店を穢すな!」と言われて初めて自分がまさに「薄汚い手」の持ち主に堕ちたことに気付いた絶望、ヒューズの死に際に浮かべる自嘲、真実を知ってからの深い悔恨。からの無理矢理アルに会いに来たときの爽やかな笑顔。福地教光さん、いきいきとレニーを体現されていた。まわりが低調だった初日はボルテージを上げすぎず突出することを避けたと感じるマイルドさだったがやがて熱を帯び座組のテンションを文字通り引き上げていったように感じる。長く細川作品に出演しもう手慣れたものの洋画吹き替え的台詞回しが心地良い。バンタムクラスステージに福地教光あり。このひとの演技を観るために自分はここにいると、そうあらためて思わせてくれる熱演。5年間で4度目のレニー、これが最後と思いながらのものだったそうで、冒頭から終幕まで素晴らしいレニーだった。

    父と兄から守られ、おもちゃ達にも守られ、父と兄が銃を持ち歩くようなギャングだなんて想像だにしていなかったアル。レニーとは歳の離れた兄弟ゆえに「僕だけが知らない」という思いのある少年を楠世蓮さんがまっすぐに好演。孤児院に入るときの無表情な姿にさえも魅力を感じる。終盤、2年間何をしていたのかと兄に問うときの表情にもらい泣き。

    初演でアルを演じ再演ではレニーと惹かれ合うボスの娘セシルを演じた栞菜さん。お芝居の巧さは初演でも充分感じたがセシルお嬢さんの栞菜さんも素敵でした。にこりともしないのに美人、つんけんしているのにどこかマイルドで品がある、令嬢として育てられた感じが出ていた。ボストン市警でレニーに寄り添う姿が優しかった。彼女とレニーが息子をしっかり育て上げたこと、それが観客の希望のひとつである。

    セシルとレニーの息子、バーナード・クーリッジJr.は土田卓さん。語り部であるがゆえに動きは少ないわけだがなんのその、いつぞやぶりの白スーツで出てこられ流石の魅力で物語を牽引。レニーと絡むシーンの軽快さも流石。ただ、その土田さんが初日に崩れかけたので「あの土田さんが…」となったのも事実。膨大な台詞量、お疲れさまでした。

    (追記予定)
  • 満足度★★★★

    初日観劇。
    物語が、言葉が、気持ちが、芝居が、音響が、照明が、美術が、場転が、美しい。誰かを想う心はいろんな形をしてて、顕著に出るのがクリスマスなんだろう。

    『crossing Christmas clearance.』を見る前の私。
    crossing→十字架とか、思いが交差するとかでしょ?分かる。
    Christmas→クリスマス時期の話よね。分かる。
    clearance→片付けとか排除とか…?わ か ら ん

    見た後の私。
    ほ っ そ ん す げ ぇ 。(心の声につき敬称略)

    レニー/福地教光
    バンタムの看板役者。緩急の付け方、芝居の緻密さと深さが今回も光ってた。
    ヒューズ/結束友哉
    いかついギャング役がハマリすぎ。骨太で懐の深い役は、本人が滲み出てるんだろな。
    カルロ/平野勳人
    イケオジの頂点!渋さと強かさと柔和さの引き出しを即座に開け閉め出来るからこそ、上に君臨できるんだろな。
    レンツオ/佐藤修幸
    とにかくレンツオの最後のシーンを見て!!悪い人やってるノブさん、結構好き。
    カレンダー/高田淳
    血が流れてないか青い血が流れてるかの二択みたいな、文武両道の殺し屋。台詞が無くても板の上に居るだけで冷酷さ(と零れるエロス)を感じる。
    そして、はっちゃけていいよって言われた瞬間に最大級のギャップを見せつける中の人。そーゆーとこ、好き。
    機関車コーエン/沖田幸平
    人魚姫ジェシカ/宮島小百合
    飛行機リリエンタール/星璃
    おもちゃ達可愛い‼️衣装最高‼️
    3人の中での関係性も、主人公アルとの関係性もコミカルで楽しい。アル以外の人には動いてるのが見えないから、時折ピタッと止まるのも見所
    子供チーム♀♂♂
    主人公アルフレッド(アル)/楠世蓮
    大人になるって?正義って?大事なものは?主題を提示しつつ成長していくのが130分で分かる!
    マット/斉藤有希、コットン/有澤睦生
    友情は大事、恋心も大切にしたい、そんな子供あるあるが沢山。
    ルポライターのクーリッジ/土田卓
    飄々としてるのに核心は外さない、クーリッジの文体はそんななんだろう。白くてズルい人←
    そのままパルクールしてくんないかなぁ(※白スーツっていうと石動さんが出てきちゃうw)
    メガネ👓のパパ、フランツハイネ/Hiroka Denzy
    厳格な父は愛する家族の為にどんな生き方をしてきたか。だんだん紐解かれるにつれて、バンタムだから出てくる独特の人間味が立ち上がる。
    兼ね役の老アルフレッドとの演じ分けが、境が有るような無いような絶妙さ。
    ブルーノ/五十嵐啓輔
    実はフォトセッションの視線の指示を出して仕切っていたのは彼。しかもオネエ気味で(笑)
    劇中でも、賢そうなギャングから壮大なギャップ(萌え)を繰り出してくるから油断ならない存在。
    これまでに見てる彼の役、全部系統違うな。オールラウンド。


    二度目目線の #バンタムccc
    知ってるから分かること、一度目と違った意味で捉えることがたくさん。
    そして、ずんさんの目力とオーラに殺られて温泉へダイブ。 #バンタム銃 を撃つ(演技)人も撃たれる人も撃つ(音照)人もかっこいいな。
    リピート特典は、ラストの結束さんに。今日もかっこいい背中でした。
    細川作品は、場面転換が好き、と言い続けているんだけど今回も秀逸な場転だったなぁ。おもちゃチームがやる転換はゼンマイがカチカチなるような軽い音が聞こえてきそうだし、山下・太立両氏の動きはスマート。太立くんがレニーとの掛け合いの台詞言いながら転換してたの、シビれる。

  • 満足度★★★★★

    アメリカ映画を見ているような、大人が見る夢の世界でした。もちろん、見るのは大人じゃなくてもいいのだけれど。
    おもちゃたちは可愛いいし、男たちは愚かなほどかっこよく優しく、そして女は強い。
    そして、タイトルに違わず、クリスマスに見たい作品。

  • 満足度★★★★★

    兎に角見られてよかった。それだけで星5、個人的に減点のしようがない。細かいとこは後でかけたら書こうと思う。

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