蛇と天秤 公演情報 蛇と天秤」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    何故人は嘘をつくのか?

    正直って、なに?

    嘘も、まかり通るのか。保身の為なら。

    面白い公演だった。

    そして、人間って怖いなって。

    でも、特別なことではないんだな。

    そう、誰でも、なる可能性は、ゼロではない。

    一日経って、少し反芻。「731」の時も感じたのだが、「死」が存在していても、(言葉的におかしいが)そこに「物語」を持たせてないところが、パラドックス定数の凄いところではないかと、ふわふわ思う。18歳未満の子供が医薬、医学の発展のために「殺される」という「物語」があるのだが、そこにはなんていうんだろうか、「涙」「悲しみ」「苦しみ」といったパーツはあくまでも、パーツでしか無い。気持ちいいほどに「嫌な人間」が描かれている。本当に、この劇団の凄い魅力なんだろうなと感じた。劇中での医薬会社と病院との会話での滑稽さというか、化かしあいというか・・・。でも、そこが嘘っぽくないということがむしろ、怖さを増長させる。医学は人を助けるものであったのはずだが・・・。でも、突き詰めていくとある種、エゴが渦巻く世界であり、それはどの専門分野でも起こりえることだと思った。誰もが「その先」の世界を見たいのだ。そして、皆、自分はそれが出来ると思ってる。勘違いしてはいけない。人間は「神」にはなれないのだから。そう思うと、「ブロウクン・コンソート」の兄弟の物語は少し、異例だったのかもしれないと想いかえす。あの兄弟には、涙してしまったので。そして、やっと、39項~43項ホン、購入。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/10/13 (土) 18:00

    座席1階2列

    病院vs製薬会社。狐と狸の化かし合いのような掛け合いが面白かった。
    医者と倫理観的なお話を最近よく観るので、だんだん怖くなってきた(笑)
    まともな医者の方が圧倒的に多いんだと思いたい。

    ネタバレBOX

    最初に頭に浮かんだのはタミフル
    こちらも人体実験説があったようだ(トンデモ扱いだけど)

    多剤耐性結核、はじめて知りました。
    「結核を根絶したい」その想い自体は間違ってないと思うんですけどね(^^;)
    それで人体実験は本末転倒な気がする
  • 満足度★★★★★

    この作家の作品は、上演が終わった後に台本を買ってあらためて読んでみようと思わせられるものが多い。よくこういう物語が書けるものだと感心するし、これをプロンプター無しで上演できる俳優さんも凄い。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/10/14 (日)

    14日14時開演の回(85分)を拝見。

    ネタバレBOX

    急死した患者8名の死因は投与した製剤の副作用であると、担当医局の准教授が論文で発表。

    交渉窓口の講師では埒が明かないと判断した製薬会社のMRが、当該製剤を開発した研究員、古参研究員を引き連れて、抗議と論文の修正を求めて、准教授の下に押しかける。

    (MRとは大学の同期でもあった)医局の若い研修医による医療過誤の可能性の内部告発(平成の『白い巨塔』かぁ!)

    准教授が、当該製剤では認められていない、結核への薬効を測る、違法な「治験」を実施したと判明(研修医はもちろん、その指導教官たる講師にも「治験」の実施は、何も知らされてなかった)。
    しかも、「治験」によって、結核菌を多剤耐性結核菌化させる最悪の事態を招く結果となった。

    しかし、この「治験」、実は製薬会社の古参研究員からの依頼だったと判明。

    一幕一場の上演時間中、准教授を除いた5人の登場人物たちが、状況(利害関係)の変化に応じて、(観客目線からすると)善玉から悪玉、また善玉へ…といった風に立場を替えていく、一筋縄ではいかない、重くて深いストーリー。観終わった後の充足感が半端ない出来栄えの作品でした。
    脚本の野木萌葱(のぎ・もえぎ)さんの他の作品も是非観てみたいものです。

    役者陣。
    昨夏の『ドグラマグラ』以来となるアフリカン寺越さんを除けば、全員お初の方ばかりの中、とりわけ、横道毅さん、宮崎吐夢さんの古狸ぶり(失礼っ!)に心を奪われっぱなしでした。

    最後に配役を記しておきます。
    准教授・大城逸平…横道毅さん
    講師・才原英之…アフリカン寺越さん
    研修医・飛鳥井薫…菊川耕太郎さん
    MR・月泉真介…阿岐之将一(あきの・まさかず)さん
    開発研究員・諸川陽一…江刺家伸雄さん
    古参研究員・高遠航志…宮崎吐夢さん
  • 満足度★★★★★

    面白かったです。

    ネタバレBOX

    多剤耐性結核菌用の試作薬の投与を依頼した製薬会社の研究員と、秘密裏に部下に使用させた大学病院の助教授の行為によって多くの入院患者が死亡した事案に関し、告発しようとした若手医師や

    多くの入院患者が死亡した事案に関し、告発しようとした若手医師や事情を知っている中堅医師、自分が開発した薬を悪者にされたくない製薬会社の研究員などが話し合っているうちに、実は多剤耐性結核菌用の試作薬の投与を依頼したベテラン研究員と、秘密裏に部下に使用させた大学病院の助教授の違法行為によって起きたということが明らかになったものの、教授・助教授といった出世街道を地道に歩くため、製薬会社は会社存続のため、両社矛を収めるという話。

    臨床試験の前に勝手にやることがあるのかなと思いつつも、ありそうな話でした。

    三人対三人のバトル。それぞれの立場、それぞれの心境の変化が面白く描かれていました。
  • 満足度★★★★

    絶対的なモラルの世界に生きる人間たちが現実的(相対的)な対応を迫られて右往左往する中に、身近な社会の本質が覗いてくる,、、、。野木萌葱の作品はまとめればこれ一筋で、じりじり世評を伸ばして20年、今年は年間を通して風姿花伝で開けるという企画に応じられるところまで来たが、目先は変わっても、作りはまたか、と思う作品も多い。だが、絶対と相対のずれのつかみ方がいいので素材が代われば、つい楽しんで見てしまう。ナンセンス・コントのようなところもあって面白いのだ。
    今回は、患者に直接接する医者(助教授・講師・若手医師)と、間接的な薬学に携わる製薬会社の新薬開発・販売員(開発研究者・営業担当)を巡るドラマである。医者の方には大学病院のヒエラルヒーがあり、製薬会社には直接患者に接しないと成果が見えないもどかしさがある。ともに医学は生命を守る、失敗は許されないという絶対的命題があるのに、現実は必ず失敗はある。、、、その狭間で個人のモラルはゆらぎ・・・・という話だ。
    この作者は社会ダネを素材にこういう行き違いのドラマを面白くかけるが、社会のドラマの本質的な核心には踏み込んでいかない。日本の劇作家で言えば、久保栄からはじまり、木下順二、宮本研、福田善之、斉藤憐、と野木と同じような素材を扱った人たちはたくさんいるし、森本薫、とか北条秀司のような作家でも結構現実社会を素材にして、成否は置くとしても、いい芝居を作っている。彼らと野木が違うのは、上記の作家たちは素材の本質に迫ってそれを登場人物に反映しようと力を尽くしているが、野木は現実処理のモラルを問うというあたりで両論併記で納めてしまう。今回のドラマで言えば、医薬分業というのはどうなのか?というような問題の核心には触れない。誤診の内部告発と言ったような面白そうなところだけ拾うところがイマ風である。 (一方では現実世界を扱っているのに素材の扱いが乱暴なところも散見する)
    もう一つ、今回大きく変わったのは、小劇場が劇団の枠を外し、実質的にプロデュース公演になったことである。事情があるだろうから外からはあまり論評できないが、舞台面だけ見れば、これは成果を上げた。その組み方も花組芝居、大人計画、新国立の研修生出身、芸人風、といろいろな出身者で、その組み方もどこのプロデュースにもない顔ぶれを集めていることだ。柄だけを見たのではないかと言う危惧もなくはないが、全員期待に応えて健闘である。

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