夜が摑む 公演情報 夜が摑む」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★

    大竹野正典作品を詩森さんが演出ということで、小さいハコにもなんだか独自の世界観が広がっていました。詩森さんが入り口で立っておられたのにご挨拶できずにすみません。コットーネと大竹野さん作品に期待しています。

  • 満足度★★★★

    山田百次、異儀田夏葉など好きな役者が揃った芝居。
    役者陣の熱演、技量はもちろん素晴らしかったが、演出も個人的には好みだった。笑いに変えるシーンなどが結構多かったけど、それはそれで背中に悪寒が走るような感覚で心から笑えるものではなく、めちゃくちゃ奇妙。実際にあった事件をこの奇妙な本と演出とこの役者たちで楽しくも恐ろしい芝居に仕立て上げてくれた。見事。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/02/09 (土) 18:00

     1974年のピアノ騒音殺人事件を扱った大竹野の作品というので、もっとシリアスなものを予想していたが、不条理劇だったのに驚いた(*_*)!。面白かった。もっとも28歳の時の作品ということなので、今までに観た大竹野の作品とは作風が違っていても、不思議はない。アフタートークによれば、ト書きが如何様にも解釈できるものらしく、演出家の解釈で多様な舞台になることが予想されるのだが、詩森はある意味、真っ向勝負しているように思った。

  • 満足度★★★★★

    役者も演出も一流。テーブルの使い方の発想は独特で面白かった。

  • 満足度★★★

    大竹野作品は初見。つげ義春の作品も未読。下敷きになる事件は何となく知っているという状態での観劇。
    苦手な不条理と思い身構えて挑んだが、シーン毎の笑いに紛れてさほど気にならず。
    自分を失くしていく自覚が有るのか無いのか、主人公が現実と妄想のあやふやな境界線をたゆたう様子を傍観している感じだった。
    自分なら団地コミュニティの圧力が一番怖いかも。
    雰囲気や音楽はアングラ風なのに、それでもやはり今っぽい垢抜けた印象。
    美術がとても面白かったんだけど、客席が観づらく上手半分と床面の芝居が見切れてしまったのが残念。
    有薗さんが脱いだらすごくてちょっと驚き。

  • 満足度★★★★

    この数年オフィスコットーネで大竹野作品を数作鑑賞させてもらったが、会場、出演者、演出と趣向も毎度異なり、評伝の新作を出したりと色々工夫されている。
    今回の詩森ろば氏の演出への起用は意外、というか何となしに合わない感じがあった。犯罪を好んで(?)題材にし、観客を道徳・通念の埒外へ迷い込ませる大竹野氏作品に、詩森氏の感覚が降りて行けるか、という所に。だがシアター711という、コットーネでも最も小さな会場でうまく舞台を捌いており、何より役者陣の力を引き出し、高い水準の舞台になっていた。
    主人公の神経過敏な男(山田百次)を取り巻く団地住民(異儀田、有薗ほか)や、男の「家族」的存在(町田、塩野谷)による喜劇調のオイシイ場面は、役者の高い力量と、テンポ重視の詩森氏演出に拠る事は確か。

    さて実際あった殺人事件を題材にした作品という事だが、舞台は抽象度が高く、私の印象では大竹野氏の作品にしてはドライである。そこで戯曲に改めて目を通してみたところ、なるほど自分が微かに感じた事が裏付けられた気がした。
    結論的には、「不条理」に近い劇に見えたのは演出詩森氏の処理に拠るところが大きく、しかしそれは元々原作とはやや異なる。特に終盤で回収して行く伏線をあえて「回収しない」事で抽象化しているのが、今回詩森氏のとった選択のようなのだ。その是非は於くとして・・具体的な話はまた後日。

  • 満足度★★★★

    いろいろな面白い見方が出来る異色の公演だ。十年前に亡くなった関西の小劇場作家・大竹野正典の1988年の作品は、当時の風俗を背景にした不条理劇のような趣だ。
    まず、脚本。内容は大規模団地に住む孤独な中年男の家族や隣人たちとの距離感・違和感から、現代生活の中の生きづらさを、描いている。タッチは、別役実のような不条理劇のスタイルなのだが、描かれた世界が団地生活のピアノ騒音とか、ごみだしをはじめとする団地の生活とか、児童の生物飼育とか、当時の団地サラリーマンの定型的家庭生活などで世話物風なところがユニークである。主人公の孤独は最後には大きなカタストロフを迎えるが、子供が弾くピアノ曲をうまく使って、情感に抑え、(そこは演出の工夫かもしれないが)何か、現代劇古典のような風格すらある懐かしい味わいである。
    演出はここの所話題作の多い詩森ろば。ロシアアヴァンギャルドどのような斜めに交錯した団地のドアの前に、室内の食堂の机とアップライトのピアノ。団地の窓を模様風にあしらった三個の箱をうまく使って抽象的な展開の物語を流れのいい芝居にまとめた。トーンを統一しにくい戯曲なのだが、そこをテンポよく処理して飽きさせない。ラストにつながる、箱を親子で受け渡しながら舞台を一周し、屋上のミニチュアの給水塔からクラゲを取り出すシーン、ここで個人の中に秘めた「夜」が見えてくる。演出の冴えで、うまい。
    俳優。役者がハマって生き生きと演じてくれると小劇場は楽しい。この劇場は百人足らずの小劇場だが、その二つ上の四百人クラスの劇場でもよく見かけるベテランの俳優に、新進の俳優が噛ませてあって、制作のキャスティングのうまさもあるが俳優の地力もよく発揮された。皆いいのだが、特に、と言えは、町田マリーの団地妻、塩野谷正幸の子供(秀逸)、有薗芳樹の男女二役、若い方では、主演の山田百次は少し力み過ぎたが、最近目立つ異議田夏葉、ご苦労さんはピアノ演奏の西沢香夏、みな役にはまって個性的だが、息をそろえなければならない台詞や動きも見事に揃う。そういう細かさが行き届いているところが見ていて気持ちがいい。
    今となっては昭和回顧のような内容の芝居なのだが、それを現代の生きづらさにも通じるところまで引き出して、いま楽しめる舞台にしたのはこのプロダクションの総合力だろう。すっきり見られ、切なくもあるいい舞台であった。1時間40分。

  • 満足度★★★★★

    冒頭「ここは私の部屋ではないですか?」と現れるセールスマンに、酔って帰って別の棟の同じ番号の部屋を開けようとしてしまったという知人の話を思い出してしまいました。知人はその後玄関脇の窓辺に特徴的な飾りをつけたそうです。
    団地って似たような(ともするとそっくりな)建物が並んで、均質的な感じがするのに、様々な人が住んでいるわけでいろんな軋轢も生まれるのでしょう。
    劇場に入るとその舞台セットに驚かされます。さらにその使い方にも!

    ネタバレBOX

    ピアノ騒音殺人事件にモチーフを得ているとのことでしたが、帰宅後検索してみると事実そのままでは無いようです。確かに真夜中に小学生が帰ってきたり、階下でピアノの練習を始めたりというのはさすがにないでしょうから。しかしコスギがその(おそらく)感じやすい性質により、周りの環境から妄想に陥り追い詰められ殺人に至る過程が怖かったです。そこに特徴的な舞台セットが効果的に使われていました。
    コスギが妻に話す過去の話に、妄想の片鱗があった気がしますが、コスギが幸せでいるためにはどうしたら良かったのでしょうか。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/02/04 (月) 19:00

    異様な出だしだ。
    団地の部屋を訪ねてくるセールスマン、彼は幾つものドアをノックしては、居住人に「ここは私の部屋ではないですか?」と尋ねる。もちろん、居住人はここのは自分の部屋で、あなたの部屋ではないと突っぱねる。
    しかし、セールスマンは「あなたの部屋かもしれないが、私の部屋でもありえますよね。」とひつこく食い下がる。
    そして、また別の部屋へ行き、、、、夜を迎える彼は、自分はどうやってこの夜をやり過ごそうかと途方に暮れる。

    ここから、4階に住むコスギと、すぐ下に住む3階のヤマモト一家や団地の住人との二重の芝居が繰り広げられる。不眠症に悩むコスギは、ヤマモト家から漏れ聞こえるピアノの音に悩まされているのだが、彼は妻の心遣いと小学生の息子との会話に、時間を費やしながら、でもというお話。

    深夜1時過ぎに帰ってくる息子、また何か得体のしれない存在が室内を往来するしい。コスギの奇妙な言動と、団地住民の異常にハイテンションかつ無神経な行動は、ひたすら加速し、暴走しはじめる。しばしば挟まれる騒音とも、皮肉とも、あるいは無意味ともとれるユーモアは、話の進行にグロテスクさを増幅させ、観ていこちらの神経をとにかく氷つかせずにはいられない。

    他の方も書かれているが、声を上げた笑う観客がいるのは不思議だけれど、クスクス笑いがやたらと漏れ聞こえるのはなぜなのか?ここはその無軌道さに恐怖する場面ではないのか。

    ネタバレBOX

    子供が育てたクラゲは、ただひたすら大きくなって、ついには水槽に飼えなくなると、屋上の貯水層で飼うことになり、そのクラゲは巨大な夜に変貌していく。その夜に追いかけられるようにコスギは団地の住人たちに向かって、夜(クラゲ)の恐怖を伝えようと試みるが、誰にも相手にされない。そしてついに、夜がコスギを掴まえた時、ある行動に出るのだが、そこから後は観客の想像に委ねられて終幕。

    いやあ、凄いものを観たなあ。とにかく登場人物1人1人が、全て尋常ならざる存在で、一瞬たりとも予断を許さない。潜在意識に深く働きかけるような、創意工夫に満ちた傑作ホラー。
  • 満足度★★★

    団地住民たちの奇妙に歪んだエゴばおりなすグロテスクな芝居です。現代の密室とも言える団地の不条理劇とも言えます。
    ピアノを弾く女の子を持つ主要家族ヤマモトの部屋が舞台。そこにドアを大小7,8個もつけて、その部屋の中央のテーブルの上に、4階住人のコスギがずっといる。つまり、そこが彼の部屋、という演出・美術は巧みでした。巨大団地の閉塞感、プライバシーのなさがビジュアル化されていました。
    ピアノのメロディーの美しいのに、なにか苛立たせるようなリズム。眠れぬ夜の妄想を、小学生用科学セットのクラゲ飼育に例えるイメージ、才気を感じます。当時、シーモンキーがはやったこと、一緒に見た妻と後で盛り上がりました。
    役者は皆テンション高く、芸達者。「山の声」の山田百次、「逢いにいくの、雨だけど」の異儀田夏葉、「誰も知らない国」の有薗芳記さん。それぞれ別人のようでした。

    ネタバレBOX

    ただ開演に少し遅れてしまったせいか、このグロテスクな歪んだ世界に結局ついていけませんでした。客席は結構笑っていたのですが。
    グロテスクな歪みばかりが描かれて、等身大の人間として観客と舞台の間をつなぐ共感共有できるものが乏しかった気がします。
  • 満足度★★★★

    俳優さん良し、舞台セットを含めた演出良しでオープニングも良し。
    笑いが止んだ後半の緊迫感は最高に良し。

    ただし、クラゲの話で主人公が知らせて回るところに違和感あり。彼が皆のためを思っての行動なんてしないと思う。クラゲなんて出したのが失敗。普通に主人公が抗議に行って変人扱いされることを描けば良いのにと書くと「君は演劇的表現というものがわかってない」と言われそうだがそれはその通りで反論無し。

    前半の昭和の笑いの小ネタ連発はリトマス試験紙だと解釈した。私はクソ面白くもないネタに大笑いする2割くらいの観客にかなりイラっとした。それは私が主人公側にいるということなのだろう。そして舞台にシンクロして観客同士のトラブルが発生する…なんて作品もどこかにありそう。

  • 満足度★★★★

    パラノイアの辛く苦しい日々を滑稽に描く一方で、同じ団地に住む住民の理解のなさも冷酷かつユニークに描いていて、笑いながらも寒々しい気持ちになる。
    演技の大半を広めの机の上で行う山田百次さん、肉体的に相当きついだろうに大車輪の活躍。また、暗くなりそうなシーンも異儀田さんの演技と存在感で面白いテイストに変化したりと、役者陣の奮闘にも目を見張った。有薗さんのバキバキに割れたシックスパックもすごかった!
    私も昔、荻窪のアパートに住んでいた時、薄い壁の向こうから聞こえる隣人の連夜の騒音に悩まされた挙句ノイローゼ気味になり、壁をグーパンチしていたことがあったので、他人事じゃないような気持ちになった。

  • 満足度★★★★★

    近所の出す音により段々と壊れていく男の妄想なのか真実なのか分からない世界が続いていく。
    この人達は本当にいるのか、幻覚なのか・・・不思議な世界へと引き込まれてしまった。
    次の舞台も楽しみ。

  • 満足度★★★★★

    異彩を放つセットに、普通じゃない時間がこれからやって来るであろうと予見させるものの、役者さんが舞台に現れると予想など軽く飛び越えた普通じゃない時間がやって来た!
    演劇だからこそ伝達可能な唯一無二の表現テクニック、そしてナルホドこの原作を体現するにあたって選び抜かれた役者さん達だと大納得。
    酸いも甘いも噛み分けた人達が創り上げる世界なので、さぞかし順調な過程の中完成された作品なのかと思いきや、この世界観実現のために、相当難儀して出来上がった賜物であることが、後に当日パンフを読んで分かりました。
    そんな作品を・・・つくづく有難いです。

    安普請なマンモス団地の中の一室。
    彼にとっては耐え難い、他人のふてぶてしさに飲み込まれそうな夜。
    心の城が壊れないよう必死に自身を守ろうとする男の心は、哀しいことにもう充分に壊れていて、うっかりこちらもリンクしてしまと・・・ヤバい、想像しただけでも空恐ろしいです。
    甘美を含有した狂気。作者の方は実際このレベルまで追い込まれた経験があるとしか思えないほど突き詰められた表現世界だと思いました。
    公演中の艶∞ポリスさんといい、またもやこの地で発見の芳醇な演劇パラダイス。
    下北沢の底力を思い知りました。

  • 満足度★★★★

    恥ずかしながら大竹野正典さんを存じ上げないで観劇させていただきました。観客の方々の平均年齢が普段よく足を運ぶ舞台よりもずっと上だったのは、きっと骨太の戯曲のコアなファンの方が多くいらっしゃったからでしょうか。
    第一の印象は少人数ながらキャストの皆さんが重厚なこと・・・。テレビなどでよく拝見する俳優さんもいらしたりと、ちょっと得した気分。加えて問題となる2家族+団地の住人の生活空間を狭い舞台上で意外な方法で表現されていたのは驚きでした。
    個人的には、「希望」だったり「優しさ」だったり「想い出」だったりが溢れる舞台が大好きなので、実際の事件をモチーフにした「不条理」なストーリーは正直精神的に重くつらいのですが、俳優さん方の強い個性で観客席に途中笑いが何度も起き、単に観客に考えさせるだけではなく、いろんな要素をじっくりと感じさせてくれる、心に響く良い舞台でした。

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