満足度★★★★★
何がどう面白いのかは言えない。言葉にしようとしてもできない。見るしかない。見てほしい。初演を見た日依頼、毎日この演劇のことを考えてる。
観た理由は、私も紛れもない第三世代だから。たしかに他のストーリー性が強い演劇よりわかりづらい、意味不明。お笑いなの?社会派なの?平和を訴えてるの?違うの?いったいなにを言いたいの?
さっぱりわからないし、答えは出ようがない。
でもはっきり言いたい。これを観ずしてなにを観るのか。
観てもわからない、でも観るべき、演劇。
ドイツ、ユダヤ、アラブ、遠い知らない民族の話じゃない。誰かを憎んだことのあるすべての人のための演劇。
観るべき舞台とは、俳優のうまいへたカミや、セリフを細かくなぞるとか演出や照明や音楽なんてどーでもよくなるものなんだな、そんなことどんなだったか覚えてすらいない。
この衝撃を受けた夜を、きっと忘れない。
全国で再演、再再演してほしい。
満足度★★★★
彩の国さいたま芸術劇場を初訪問。雰囲気、形状とも想像したのと違ってアート(かつローカル、マイナー)、公共というイメージの反対で、もっと四角い箱を想像していた。それはどうやら私の中の蜷川幸雄のイメージでもあったようで、今回ここを訪れた事で「蜷川」の印象が実は随分変わってしまった。
ネクストシアターについてもそのシステムをよく知らないが、今回は俳優11名(内1名は青年座から客演)、若者らしいノリで今回の題材が求める要素(各自が帰属する民族とその国際的立場の矜持、また互いに対して抱く感情)を表現するには力不足の感は否めなかったが、オーソドックスに素直に、年齢(この場合は精神年齢と言うべきか)なりの直球勝負がネクストシアターの持ち味と思われた。
この戯曲、と言ってもドイツで実施されたプロジェクトの参加者(ドイツ人、イスラエル人、パレスチナ人)当人の証言を元に、当人が演じるものとして編まれたのだそうだが、2012年上野ストアハウスで上演されたリーディング公演と同じ作品だとは直前に知り、手練れの役者らによる台本を離してのリーディング上演(もはやリーディングでない)を思い出した。2日間程度の稽古で台詞を入れてしまうのも驚きだが、演出の中津留氏(今回と同じ)が、「台本は邪魔だ」と判断し、役者もその要望に応えたという、その熱気が沸き立つ舞台だった。殆どアドリブのように(実際セリフは厳密でなかったかも)リアルに敏捷に立ち回る印象が強かったそれに対して、今回は元の戯曲に忠実に作られ、設定も原版通り、ドイツ、イスラエル、パレスチナの俳優がドイツ人の前で上演する構図がそのまま残されている。
観客=ドイツ人との設定で、「我々ドイツ人が○○で良いのですか?」と観客に働きかけたり。目まくるしく局面が変る舞台は、翻訳劇が陥りがちな「遠さ」を感じさせず、臨場感漲る時間が作られた。
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さいたまネクスト・シアター 世界最前線の演劇2『第三世代』[ドイツ/イスラエル] 日本にも置き換えられる話かなと思って観始めたけど、知らないことが多すぎてそんなことを考える余裕はなかった(^_^;)複雑な問題をわかりやすく提示して… https://t.co/FwVjk6xnFj
約6年前
さいたまネクスト・シアター世界最前線の演劇2『第三世代』[ドイツ/イスラエル]『ジハード ―Djihad―』に次ぐ第2弾。11月8日(木)~18日(日) 全公演、終演後アフタートークあり。(20分間予定)… https://t.co/IcuikxuUmd
約6年前