満足度★★★
すてきれなかった名前
すてるたびを観ていると、なんだか、世界が、白紙に戻って行くような感じがする。
なぞなぞに、「じぶんのものなのに、たにんのほうがよくつかうもの、なーんだ」というのがあって、答えは、「なまえ」なんだけど、これが、幼稚園のころ、すごく不思議で、怖かった。すてるたびの向かう世界は、「なまえ」が不思議で怖いものだった、ちいさなころの自分がみていた世界に、どんどん帰っていくみたい。
満足度★★★★★
笑いながら(悪)夢を巡るたび
夢というのは、いろんな記憶が予期せずにやってくる。例えば、トイレに座っていると思っていたら教室の自分席だったとか、ずっと話をしていたのは、カトウくんかと思っていたら、サトウさんだったとか、一見脈絡なく空間や時間をネジ曲げながら続いていく。
熱っぽいときの夢だったりすると、それは速く目の回るような回転のようなときもある。
そんなことを観ながらフト思ったりした。自分にとっての悪夢は、他人から見れば、結構笑えたりするのではないかとも。
弟の(悪)夢のような体験は、観客からの視線だと笑ってしまう。本人は、全身に汗をかき必死なのに。
もがいてももがいてもどうにもならないような夢、暗い穴に落ちてくような夢なのに、笑ってしまう。
弟の(悪)夢の原因は、一体なんだったのだろうか。
他人が巡る(悪)夢を、爆笑しながら一緒に進むたびだった。たまに弟に同化して、やけに息苦しいときもあったりするのだが。
でも、汗をたくさんかいて目覚めれば、熱はひいているかもしれない。
五反田団は、これからもずっと観ていこうと雨の中思った。
満足度★★★
わからなさ程度が
妙に心地よくできあがってますよね。ファンタジーでもありホラーでもあり、人間ドラマにも見える。退屈する部分もあるけど、それはその時の気分やとらえ方による。今日はつまらなく感じても明日観たらわくわくしそうな気もしちゃうのが魅力。いや、今日つまらなかったわけじゃないんだけど。
満足度★★★★★
五反田団健在!
とっても不思議なたびのお話。
たびと言ってもどこかに旅行とか明確な目的地へ向かうというのではなく、話全体がどこかわからないどこかへふわふわと向かっていくような。
「さようなら僕の小さな名声」のように不思議なたび。
「タロウ」という、何だかよく分からない存在や父親の存在を語りつつ、長女、長男、次男、次男の嫁の4人が、とにかく不条理で不思議な世界をたびする。
主人公次男を演じた黒田さんひとりに相当な負担がかかる、体力消耗度の激しそうなお芝居でした。
黒田さんのお芝居はとにかくテンション高くて楽しい!
あれは黒田さんだからこそ成り立ってる舞台ですね。
舞台はほぼ素舞台で、椅子が4つ並ぶだけ。
ライティングもとても地味なんだけど、この照明だけでいくつもの世界を作り出してしまう技術と演出力に改めて感心しました。
五反田団はやはり五反田団以外の何ものでもないという存在感を示してくれた傑作でした!
夢ならもっと…。
受付で料金が1500円といわれ、思わず聞きかえす。安いなあ。
そして、弟(黒田大輔)がひたすら愛らしく、
兄役の前田司郎の役者としての佇まいも相変わらず好ましい。
面白かったし、終演後の印象もやっぱり安いなあ、なんだけど、
ただ、
タイトルの「捨てる旅」あるいは「捨てる度」という軸がきっちりしすぎちゃってるように思えて、
ちょっと展開に自由度が不足していたように感じてしまった…。
満足度★★★★
ヘリコプター
ってほんといいアトリエ。超いまふうな、大崎超高層マンション街を抜けると、いきなり、昔ながらの大崎の工場街、「東洋現像所」が「イマジカ」に替わるようにどんどんおしゃれーな町に…。その中で、ほんとに「町工場」って感じの、ヘリコプターはすてきすぎます。1階ロビーには図面入れの木製キャビネットや計測機器なんかが、セットのようにおかれ、うーむ「明和電機」(?)という雰囲気も。
でもそのアトリエに100名からはいるんです。
すごいです、さすが前田司郎です。今回1500超の動員予定とか、、、
アトリエ公演の規模を越えてますね。
とにかく「紐付き」の助成金で芝居をやるのは止めたほうがいいってことですね。
あんな、妄想形ゆるゆるは「新国立」ではできません(笑)。
シャンプーハット黒田が激しくて、いいパッションを高いテンションで表現。次はサンプルだって、楽しみ。
いいアトリエもってるんだから、好きなことをやってくれたまえ。
満足度★★★★
白昼夢か、それとも人生か。
前田司郎の思うような展開にほくそ笑む。なるほど、紛うことなく変な夢だ。
彼がしつこくテーマとしてきた「生と死」が、今回も根強く見えている。
人生を旅に例えるだけなら安易だ。
しかしながら、ニッチなところを攻めるのは流石の五反田団クオリティ。
4つの椅子で、情景を浮かび上がらせるのはチープだけど、凄い。
「チープだけど」という枕詞がつくのは、五反田団として正しいんだと思う。
今までとは少し違った見せ方が新鮮であった。
それにしても、黒田大輔に五反田団は似合いすぎる。
満足度★★★★
各駅停車のたび
いろいろな考え方のできる、うつらうつら夢見ながら観ることのできる演劇。なんか素敵で詩的。なっとくなセリフがちりばめられていて、ガタンガタンゴトンゴトンピタピタ…ときこえてくるような、温泉旅行へ行きたくなるような、、、観て良かったです。初めての五反田団でした。
満足度★★★
おもしろかったのですが‥
自分なりに深層心理を読解をしながら観てましたが、
前半楽しめたけど、付き合い続けるのはちょっとつらく‥
黒田さんは、ハイバイ「ポンポンお前の自意識に‥2007年」と
同じテイスト。本当にこの手のキャラクターの作り方うまいなー