上空に光る 公演情報 上空に光る」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-11件 / 11件中
  • 満足度★★★★★

    震災のその後に真正面から切り込んだ作品。帰らない命。生まれない命。人間以外の命。そこに優越はない。そして、風化させてはいけない。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/09/16 (日) 18:00

    上手く言えないけど、(ああ、人間がいるなぁ……)と思った。

    正解なんかない。それぞれの抱えたものは抱えたままで、それでも生きていくしかないのだ、と。特定の状況を丁重に描きながら、その中に普遍的なものが息づいて、目の前の人々がみな愛しく感じられた。

  • 満足度★★★★★

    115分。

    ネタバレBOX

    汐里(坂倉奈津子)…民宿マスオカのおかみ。夫を津波で亡くし継いだが、恋人の小池との結婚を考えている。
    洋一(尾崎宇内)…汐里の弟。ニートだけど汐里の危機には積極的に行動してた。
    千洋(村井まどか)…汐里の妹。津波とかの語り部で収入を得る。義兄の暴走に喰ってかかる。
    臼澤(緑川史絵)…マスオカの従業員。認知症の母と仮説に住むが、ついつい手をだしてしまう。仮設からの移転を受け入れ皆に助けを求めた。
    津島(海老根理)…宿泊客。住宅建設作業員。家城を助けるため怪我したらしい。母?が行方不明。
    家城(串尾一輝)…宿泊客。津島の後輩。酒に酔って風の電話を盗んできた。
    吉田(木崎友紀子)…宿泊している画家。津波で夫を亡くす。再婚しようとする汐里にいつまでも待てばよいと言い放った。
    祝田(新田佑梨)…宿泊客。津波のせいで東京に越すも誰とも会話せず過ごす。今は店長と不倫中。
    松下(小瀧万梨子)…宿泊客。風の電話で6歳で死んだフェレットと会話する。
    義兄(代田正彦)…汐里の夫の兄。汐里に弟に結婚を報告するよう電話を突きつける。
    小池(岡野康弘)…役所勤務。汐里との結婚を義兄に告げボコされ、汐里にヒエピタで看護される。
    綿引(中藤奨)…宿泊客。東京で劇作している。

    津波被害にあった宿を舞台に喪失した人々の想いを描く。
    皆で飲んでいるとこにボコした小池を連れて義兄がやってきて、汐里にどういうことかと詰め寄るシーンが熱い。裏で祝田や松下がギャアギャア言い合ってるカオスな感じとかもね。失った部分をどう埋めるのかって人それぞれだけど、本作品は水面下でその考えがぶつかりあっているようで面白かった。
    結果、汐里と小池は結婚に進むだろうし、臼澤さんは皆の協力も得つつ認知症の母と新興住宅で生活するだろうし、祝田と松下は結局関係が戻る気がしないでもないし、吉田は絵を描いて夫を待つだろうし、義兄も弟の死を抱えたまま生きていくんだろうなと。

    2011から7年過ぎたけど震災系の話で骨太な作品だなと思う。震災でなくても通用する話でもあるからかもしれない。風の電話BOXっていうアクセントもあり、多人数芝居ながらまとまりがあった。ところどころのユーモラスなシーンも味わいぶかいし、佳作と思う。終盤はもう少しすんなりと終幕してよい気もするけど。

    演技はみな安定してた。祝田のきゃぴきゃぴ具合と女に飢えてる津島と家城のリアクションがなんかナチュラルでほっこりした。小瀧万梨子の色っぽさと津島の二枚目半な感じもまた好き。坂倉奈津子の内になんか秘めてる系の表情に惹かれた。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/09/21 (金) 19:30

     秀逸な作品だった!青年団若手伊藤企画が、青年団リンク「やしゃご」となっての旗揚げ公演。津波被害に遭った大槌町の民宿を舞台に、死者と語り合う「風の電話」のエピソードも交えて、経営する姉弟妹、宿泊者、その他の周辺の人々の「今」を描く群像劇は、前半は、ドタバタも含めて、ある意味で淡々と進むが、半分進んだところで物語が急に動く。全体として、忘れてしまうこと、忘れてしまいたいこと、忘れられてしまったこと、そして、忘れてはいけないことなどを考えさせられる芝居になってる1時間50分だった。
     役者はそれぞれ見事だが、軸となる坂倉奈津子がいい表情の演技を見せる。彼女の初舞台の初日を観たものとして感慨深い。

  • 満足度★★★★

    https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37167013.html

  • 満足度★★★★

    青年団若手自主企画から青年団リンクへの昇格しての第一作。伊藤毅企画時代に2本観て文句も書いたが、格段に違ってみえた。「リンク」に格上げすると予算も使える俳優も(オイシイ青年団俳優を動員)違って来るのか・・と想像を逞しくした程。過去二作とつい比較してしまうが、被災地での「取材」を下敷きに作劇された今作は、飽きさせない展開を準備しながらも一本通ったリアルがある。冒頭から既に「場」が存在し、人が紡ぐドラマは現在進行形の今を経過して、終演以降も続いていくと信じられた。
    戯曲中「無理」を通した所がなかった訳ではないが、深い爪痕を残す被災地の日常の断面のリアルのほうが突出していた。過去二作と今作との印象の違いが、自分と当事者との距離の違いに過ぎない可能性を思いながら、それでも非被災者である我々の想像を超えて納得させるものがあった。楽しく切なく甘味な場面が盛り込まれた、秀作。青年団俳優の層の厚さを実証、俳優の貢献が大きい。

    ネタバレBOX

    復興事業の人足として短期間(といっても半年一年といったスパン)滞在する男ら(登場するのは二名)が舞台上手側の部屋を陣取って洗濯物などがかかり、狭い廊下を挟んだ左は東京から取材に来た劇作家の短期滞在の部屋らしい。開演前から人足部屋に女性画家が小型イーゼルを立て、足を負傷して仕事を休む男をモデルに「動くな!」と命令しながら筆と、口も動かしている。民宿を経営するまだ若い女将とニートの弟(冒頭は上手の部屋に寝そべって漫画を読んでいる)、気ままな次女、父母は津波で死んだかその前からいないか・・。そこへ東京から訪ねてきた若い女性二人、俄然色めく人足二人。民宿の三姉弟の関係はサバサバと描いていて、ここにドメスティク臭を持ち込むのが姉・汐里の元夫の兄。姉の新たな交際相手は実直な役人だが7年前の震災を経験しており、町民に対しどこか負い目がある。汐里の夫は震災時の津波の後遺体も見つかっていない。
    この日はあれこれあって、夜は上手側で酒宴となり、次第に高揚して本音も吐き合うというありがちな展開。だが、一辺倒にならない会話がうまい。自然な会話と動線の中に意外な展開を織り込んで飽きさせず、その中に被災の状況や、当地の人々の心の形を一滴、一滴と観客の許容量を超えない程度に染み入らせて来る。

    「無理」に感じられた部分とは、過去作に目立った「議論を白熱させるため二者択一を迫る状況」の設定、これが恣意的で、議論が長いというパターン。
    今作では終盤の勢いで乗り切った面があるが、意味的には間延びが生じる。
    町の役所勤めの男との結婚を考えている姉・汐里に対し、亡夫の兄はそれを飲み込めず、相手の考えを否定するという、この部分。兄の本音が「義妹への思慕」なのか「弟への負い目の投射」なのか、いずれかでなければ殆ど「変な人」のそれでしかない兄の行動を説明しきれないと思えるが、どちらともつかない(どちらとも取れる、というよりは、どちらも信憑性が薄い)。
    汐里が夫から継いだ民宿を、他人と結婚するとなれば手放すべきだ、という兄の論理は、全く権利関係の話だ。心情表現として「だったら民宿も手放してしまえ」とつい言ってしまっただけなのか、実際は権利が兄の手にあって、「民宿をやってほしいと思っているのに自分の元から離れていく」姉への未練を言っているのか・・特定できない事で宙に浮き、リアルが手から滑り落ちる。そこは曖昧にしてあるのだな、となる。
    この議論(亡き夫とも添い遂げるべきか否か、という普段なら当事者以外の人間が立ち入れないどうでも良い話)の際、なぜか女性画家が、恐らく自分の境遇と重ねての事だろう、「添い遂げることが大事」と意見する。これが間延びを決定づける。
    その他「フェレット」のくだり、涙もろい東京女を全員一致で「邪魔者」と断ずる一辺倒さが気になったりも。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/09/14 (金) 19:30

    価格2,500円

    岩手県大槌町の民宿を舞台にした「被災地のイマ」の物語。
    東日本大震災から7年が経ち変わった部分とその変わり方や癒えない傷、消えない哀しみなどをユーモアや「ちょっと不思議」も交えて描いて、もちろん芝居であるがドキュメンタリー的な味わいも入り混じり疑似体験をしているような感覚にとらわれる。
    で、結果的に「楽しんだ」のではなく「学んだ」という感じ。

  • 満足度★★★★

    春風舎でこんなに作り込まれたセットを観たのは初めてです。
    近所から苦情がこないか心配なレベルでしたw

  • 満足度★★★★

    よく練られた作品だとは思いますが、敢えて。

    ネタバレBOX

    津波で大勢の人が亡くなった岩手県大槌町のとある民宿の今の話。

    関西の台風被害、北海道地震のことも取り上げていたので今の話ということでした。

    最終決断は人それぞれでいいのですが、夫を津波で亡くし再婚しようとしている未亡人に、それを止めさせる権利は何人にもありません。それなのに、賛成する人が出てきて考え込む人がいたりして何ともバカバカしく、そんな自明のことに尺を使うのが全く理解できませんでした。

    それよりも、民宿に関わっていなかった義兄が土地建物の権利を主張したことに非常に驚きました。人付き合いや営業センス等の関係で、親は民宿の不動産を兄に相続させたにも拘わらず営業だけを弟にやらせたのでしょうか。雇われ女将、そんなことは決して無いと思うのですが。いずれにせよ、そもそも営業をやる以上権利関係は把握しておかなければなりませんし、妻は旧姓に戻っているのですから、夫の財産の相続手続きは既になされていて妻名義になっているのではないかとも思われます。色々考えると、義兄の主張には無理があるのではないかという気がしてきました。

    なんで福島じゃなく大槌町なのかという、谷賢一さんを挑発するような台詞は良かったです。
  • 満足度★★★★

    ■115分強■
    東日本大震災の被災地を“たまたま”舞台にした人間ドラマ、という印象。たまたまなわけはないのだが、そう思わせる普遍性がある。自然にドラマが生起しそうな登場人物の配剤、小道具の望遠鏡の効果的な使用などに冴えを感じた。ただ、“普遍”は“月並み”と背中合わせ。若干の月並みさを感じたことは正直に記しておく。

    ネタバレBOX

    舞台は岩手県の大槌町。舞台がもしも福島だったら、このような普遍的な人間ドラマ、直接的な震災被害を受けなかった観客までもが自己投影できるドラマにはなりえなかっただろう。
    原発が撒いた放射能による災禍が今後何万年も残り続ける地域。そこを舞台とするドラマは、どう頑張っても被災者以外の人間は共感を寄せきれない、特殊なものとならざるをえない。原発事故というあの人災の罪深さは比類がない。
    まあ、関東は被曝とは無縁、と考えるのは、隠蔽がお家芸の現政権に騙されているだけなのかもしれないが。

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