上空に光る 公演情報 やしゃご「上空に光る」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    115分。

    ネタバレBOX

    汐里(坂倉奈津子)…民宿マスオカのおかみ。夫を津波で亡くし継いだが、恋人の小池との結婚を考えている。
    洋一(尾崎宇内)…汐里の弟。ニートだけど汐里の危機には積極的に行動してた。
    千洋(村井まどか)…汐里の妹。津波とかの語り部で収入を得る。義兄の暴走に喰ってかかる。
    臼澤(緑川史絵)…マスオカの従業員。認知症の母と仮説に住むが、ついつい手をだしてしまう。仮設からの移転を受け入れ皆に助けを求めた。
    津島(海老根理)…宿泊客。住宅建設作業員。家城を助けるため怪我したらしい。母?が行方不明。
    家城(串尾一輝)…宿泊客。津島の後輩。酒に酔って風の電話を盗んできた。
    吉田(木崎友紀子)…宿泊している画家。津波で夫を亡くす。再婚しようとする汐里にいつまでも待てばよいと言い放った。
    祝田(新田佑梨)…宿泊客。津波のせいで東京に越すも誰とも会話せず過ごす。今は店長と不倫中。
    松下(小瀧万梨子)…宿泊客。風の電話で6歳で死んだフェレットと会話する。
    義兄(代田正彦)…汐里の夫の兄。汐里に弟に結婚を報告するよう電話を突きつける。
    小池(岡野康弘)…役所勤務。汐里との結婚を義兄に告げボコされ、汐里にヒエピタで看護される。
    綿引(中藤奨)…宿泊客。東京で劇作している。

    津波被害にあった宿を舞台に喪失した人々の想いを描く。
    皆で飲んでいるとこにボコした小池を連れて義兄がやってきて、汐里にどういうことかと詰め寄るシーンが熱い。裏で祝田や松下がギャアギャア言い合ってるカオスな感じとかもね。失った部分をどう埋めるのかって人それぞれだけど、本作品は水面下でその考えがぶつかりあっているようで面白かった。
    結果、汐里と小池は結婚に進むだろうし、臼澤さんは皆の協力も得つつ認知症の母と新興住宅で生活するだろうし、祝田と松下は結局関係が戻る気がしないでもないし、吉田は絵を描いて夫を待つだろうし、義兄も弟の死を抱えたまま生きていくんだろうなと。

    2011から7年過ぎたけど震災系の話で骨太な作品だなと思う。震災でなくても通用する話でもあるからかもしれない。風の電話BOXっていうアクセントもあり、多人数芝居ながらまとまりがあった。ところどころのユーモラスなシーンも味わいぶかいし、佳作と思う。終盤はもう少しすんなりと終幕してよい気もするけど。

    演技はみな安定してた。祝田のきゃぴきゃぴ具合と女に飢えてる津島と家城のリアクションがなんかナチュラルでほっこりした。小瀧万梨子の色っぽさと津島の二枚目半な感じもまた好き。坂倉奈津子の内になんか秘めてる系の表情に惹かれた。

    0

    2018/09/23 23:41

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大