満足度★★★
「考えるのではなく感じる」べき?
チラシ記載の3編(短編2本+中編1本)に超短編「幕間」を加えたオムニバス、前半の2編と「幕間」は漱石の「夢十夜」にも通ずるフシギさがあり、ノベライズして「こんな夢を見た。」で始めれば「新・夢十夜」になるんじゃね?みたいな。
小学生の時に読んで以来「夢十夜」がアタマの片隅にずっとある身として、この雰囲気って好きだなぁ。
休憩はないものの主宰先導によるストレッチタイムを挟んでの後半「うつせみ」は、セミの世界のハナシとは言え専制君主の定めた規範に反発してのクーデターで幕を開けるために「何かの暗喩?」に始まり「いろいろ解釈ができそうだな」などと考えてしまう。
がしかし、この観方は間違いで、やはり「考えるのではなく感じる」ままに観れば良かったのかも…?
多分、未完成。
流れよりも描写に比重があって、線というよりは点になっている印象。前回もそうでした。作・演出の成島さんにはきっと更に綺麗で美しいものが見えているに違いないと思うのです。しかしそれが舞台上でまだ完全に具現化されていない気が。内包した要素は充分に興味深いのに、眼前に提示されたものは浅く感じる。勿体無い。勿体無さ過ぎる。
背客席は半分が桟敷。確実に椅子に座りたいなら開場と同時に入るくらいのタイミングで向かうのが吉。
満足度★★★★
好みです2!!
観劇させて頂きました。本公演はメルヘン短編集とのことですが、個人的には開演直後の舞台上を観ていると、違うものなのですが、とあるSF映画の冒頭シーンを連想してしまい、その瞬間から舞台上を観る目に力が入ってしまったのですが、SF映画を連想してしまったせいか、観劇中「内面世界を舞台に描き出したSF作品」と勝手に思っておりましたが、全く適切な表現ではないので鵜のみにされないでください!しかし、taraさんにとっては大変悲しいお話になりますが、どうやらこの作品においては好みが一致してしまったようです。しかし、一部分においては違うようですので御安心ください!この作品の「笑える部分」を除けば、作品の世界観からすると台詞の量が少なめであり、台詞そのものの表現も含めて極めてシンプルなものですが、そこが個人的には魅力を感じてしまいます!自分のように書いても書かなくても良いことをダラダラと書き続ける者にとっては、自分にはない・身につけることも出来ないものに惹かれるものがあります!台詞の量からすると作品世界をイメージするには若干情報量不足かと思われますが、その分舞台上の役者さんたちの演技に注視してしまいますし、なおのこと興味が深まるばかり!個人的な好みと興味の点から観ると「バランス感覚のいい作品!」に映ってきてしまいます。そして、台詞も文章にすれば極めてシンプルであるものですが、短い中に必要十分な意味合いをもつものが濃縮され、表現に使用する言葉の選択感覚が「いい感覚しているなぁ」と感心してしまいましたが、良く考えてみると自分のような古い年代の者が「いい感覚」と思うのならば、若干古い表現が使われているのではないかとも思えたのですが、今の若い方の言葉の表現感覚がわかりませんので、役者さんたちの年代の方々が発する言葉として若干の違和感を覚えられる方もいるのでは?とも思えましたが、実際観劇された若い方がどう感じられるのか?自分もまた興味のある点です。しかし、「笑いの部分」はさすがに饒舌になりましたが、これもまた一文一文にしてみると「シンプル」かつ選択された表現が古い自分にとっては「いい選択感覚」であり、台詞の量はこの時こそは多くなりますが、役者さんたちの見事な発音で全て聞き取れてしまいます!個人的には本作品を全く的外れな表現になりますが「マジック・ショーのマジックのタネはどうなっているのか?それをあれこれと楽しむ」という感覚に近いもので観劇させていただき面白がっておりました!星で評価をつける前に思っていた何も根拠のないことですが、本作品を観劇されてどのように感じ・どのように思われ・どのような評価を与えるかで、その方の深層心理がみえてくる面があるのではないか?と思ってしまいました。その上で星の評価を自分はつけさせていただきますが、好みが一致してしまったtaraさんにはまたまた悲しいお話になりますが、グレていませんか?自分はいい年してもグレてしまいタバコを肌身離さず常に持っておりますが、何か中毒性のあるものにはまっていらっしゃいませんか?ピッタリ好みが一致してはいなかったので安心しておりますが、ちょっとだけ心配してしまいます。しかし、ここまで書いた自分の文章を読み返すと、やはりこの作品に魅力を感じてしまうことは避けようのないことだったと思えてきます!
満足度★
退屈なまでにメルヘン。
「うつくしい」「いとおしい」がこゆび侍の好きなものだという。
こゆび侍の考える「うつくしい」「いとおしい」をいつもと違う形で。
それが今回の公演のコンセプトだったのではないか、と推測する。
残念ながら、その試みは上手くいってはいないようだ。
「とりあえずやってみよう」という心意気はいくらでも買う用意はあるが、
自分が実験台にされる用意までは、流石にしていなかった。
ワークショップの発表会としては、面白みもあろう。
だが、オムニバス公演の見せ方としては拙さだけが残った。
今回の企画公演で、こゆび侍の本領発揮というわけではないので、
次回の本公演も併せてご覧になっていただきたい。
と老婆心で記しておく。