日本文学盛衰史 公演情報 日本文学盛衰史」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-16件 / 16件中
  • 満足度★★★★★

    平田オリザさん、スゲー! 
    アノ超長編原作をどう舞台に上げるのかと思っていたのだが、その構成には驚き&納得。
    今まで意識して(たぶん)やってこなかったことも多く取り入れて(原作のアップデート化)の、貪欲な作品作り。
    戸惑いながらも大笑いした。

    台詞や設定などで、気づいたことやそれにまつわる蘊蓄などを、他人に話したい人が続出するのではないだろうか(笑)。
    そのあたりの知識の有無やツボの違いで笑いが起こるポイントのズレもまた楽しい。

    ネタバレBOX

    影アナで、『日本文学盛衰史』をわざと『日本大学盛衰史』としてアナウンスして言い換えたのにも大笑い(笑)
  • 満足度★★★★★

    珍しく(!)大評判の新作本公演、楽日にぎりぎり間に合った。高橋源一郎の原作は、それぞれ四場の葬儀シーンで上演される。障子を開け放すと日本庭園が望める。葬儀場へ続く廊下の手間に弔問客のための膳が並ぶ広々とした大広間といった奥行きのある舞台。
    一場は明治27年5月の北村透谷の葬儀、
    二場は同35年9月の正岡子規の葬儀、
    三場は同42年6月の二葉亭四迷の葬儀、
    四場は大正五年12月の夏目漱石の葬儀、
    終始舞台上に出ずっぱりの島崎藤村(大竹直)と田山花袋(島田耀蔵、女性弔問客の座布団に突っ伏す)が狂言回しで、場面が数年後の葬儀へと転換されていく。
    森鴎外(山内健司)と夏目漱石(兵頭久美、付け髭!)以外は、役者が何役もの作家や女中、それぞれの喪主を演じている。これが楽しい。
    錚々たる大御所の作家の若き時代、デビュー当時の衝撃なども面白い。作家の人間像を描くというより、当時の「心で思ったことをそのまま文章で描く」ための悪戦苦労振りがユーモラスに描かれ、近代文学史に疎くても、詩を捨てた藤村や、華やかな一葉、晶子の逞しさ、啄木や賢治の清新さなど、身近に思い浮かべることができ興味深い。綺羅星のごとく文壇の有名人ばかりがお喋りを交わす様子は、文学好きには堪らないかも。弔問客には近所の人も加わり、二葉亭四迷を噺家?なんて聞いている。
    島村抱月や坪内逍遥(志賀廣太郎)が自由劇場で上演される翻訳劇の訳のことで揉めたり、女中たちが楽しげにカチューシャを合唱したり。
    四場では一挙に戦後活躍する作家たちが登場、それぞれ胸に坂口、太宰、芥川、康成などの名札をつけている。一気にお芝居ごっこめいた雰囲気、スマホで集合写真をとる高橋源一郎も登場する。
    職工でも小説を読む時代を望んだ作家たちの苦闘の果てに、小説家が長者番付に並ぶ時代を経て、読者はやがて細分化され自分だけの小説を書き始める。芝居はその先の、ロボットが書いた小説をロボットが読む近未来へ。私たちが獲得した日本語はやがてどこへ行くのだろう。
    自分たちの「言葉」をもっと大事にしなければと思った。

  • 満足度★★★★

    通夜振舞いの席、というセミパブリック空間で、日本近~現代文学史に名だたる面々を青年団総出で登場させ、芝居的にいじりまくる。同時同空間で突如、現代の風俗の話題が飛び出たりもする(会場の一角に居る佐藤さん・田中さん等が発信源。中には長野海がコーエツガール風衣裳でそれ風にもじった台詞を言うのを受け、「シン・ゴジラの英語はどうよ??」といった場面も)。
    そうした中にもエポックメイクな文学者の文学史的位置が作者(この場合どのあたりまでが高橋源一郎氏でどこからが平田オリザ氏のものかは不明だが)によるシニカルな解釈と台詞で、そこはタイトルに違わずきっちりと明示されており、具体的な人の営みが連なって形成される人の歴史の画になる。
    不覚にも、ラストにはじんと来るものがあった。

    日本人である自分がコミットし得る日本近代作家の多彩な話題に、退屈する暇なく振り回され、作家についての固定観念を解体されたり、批判的視点の存在を厳しく思い出させられたりしながら、最後に訪れる長台詞で導かれる巨視的視野が半ば強引な導きにもかかわらず琴線を弾くもので、これは演劇史的には「三人姉妹」が提供した定型であろうか・・等と思考して平静を保とうとしても間に合わなかった。
    滑りそうなギャグも含めて終ってみれば無駄のない舞台。藤村と花袋の私的会話をブリッジにした構成も妙。

  • 満足度★★★★

    登場人物の人間臭さと時事ネタ、風刺ネタが絶妙に交じり合った良作。

  • 満足度★★★

    140分。

    ネタバレBOX

    北村透谷葬儀、正岡子規葬儀、二葉亭四迷葬儀、夏目漱石葬儀の四場構成。
    文学だけでなく歴史や現代時事ネタなどエッセンスふんだんな作品。知識のない自分には、そういう意味でフラストレーションな感覚になったのが残念。笑えるのも多かったし、開幕前アナウンスの「日本大学盛衰史…」はニヤっとした。

    四場で未来人な3人組が出て、森鴎外(山内健司)が安堵するシーン、愛するモノ?の死を感じつつ生きている人間がその存続を認めたことで喜びを得るという、安心感とモノが消滅する危機感的なものがせめぎ合っているような印象の作品。
  • 青年団は現代口語演劇の先鋭性を受け入れさせるために大衆性(平田オリザは小津安二郎やクレイジーキャッツの影響を公言している)を必要とした、と常々考えていたのだけど、いよいよ大衆性に振り切った作品を作ったのだなという印象がある。大衆演劇としての安心感と気恥ずかしさを感じてしまったり、ギャクに絶妙な古さを覚えてしまったり、いろいろと悩ましい。島田さん、兵頭さん、山内さんなどなど、演者の個の強さを感じる上演でもあった。

  • 満足度★★★★

    みてきた。こたきさんの見せ場があったのでよかったです。

    ネタバレBOX

    オリザニンは何の意味があるのか
  • 満足度★★★★

    高橋源一郎の世界観が何と書くわかる感じ。歴史中の人物も、こんな感じでお互い刺激し合って生きていったのだろうか?興味が尽きませんでした。前方席だったらもっと面白かったかも??

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/06/15 (金) 19:30

     高橋源一郎の小説が原作らしいのだが、それは読んでいない。4場構成で、それぞれ北村透谷・正岡子規・二葉亭四迷・夏目漱石の葬儀に文壇陣や関係者、そして、市井の人々が集まったという体での物語。言文一致運動に腐心した人々の話として書かれていたであろう原作を、現代の話題等も入れ、エンターテインメントにしたのには、ちょっと驚いた。45分-35分-30分-20分と徐々に短くなり、3場の漱石の演説は本作の白眉だと思うが、同じ兵藤公美が4場で宮沢賢治を演じるなどの「遊び」も含まれていて、長さを感じない舞台だった。
     なお、前説の放送で「日本文学盛衰史」と言うべきところを「日本大学盛衰史」と間違ったのは、どうも本当のミスらしいが、最も笑えた。

  • 満足度★★★★

    明治から大正にかけて、近代日本が動き出した時期に登場する文人たちはよく小説や芝居のネタになる。芝居でも井上ひさしの「国語元年」とか宮本研の「美しき者の伝説」とか、福田善之とか。しかし、この舞台はそれらと同じ内容を踏まえていてもぜーんぜーん違う。
    先駆作品が、作家と社会の構造をまずは政治的関係でつかまえていたのに比べ、今回の平田本は個人のキャラクターに比重を置く。日本の近代国家の黎明期に先人たちが、近代国家で使う「国語」成立にどう苦労したか、それが国の運命と通底音でどう響きあったか、と言う事に視点が置かれている。これはかねて国語に関心の深い作者ならではの視点である。また、この作家には珍しく、意識的に商業演劇的ななギャグが盛大にとりいれられていて(慣れないことはやるものではない。テレてもいるし、ぎごちない)先人作品とは違う愉快な作品になった。
    過去の平田作品と違って、オリザ・リアリズムを基調にしていないのはいいとして、以前は一つの演出意図が見えていたが、今回は、面白く(いや、笑わせると言ったらいのカナ)やることに主眼が置かれたようで、キャラ優先である。漱石や独歩を女優がやる意味が解らない。笑えることは笑えるが、女性の役は全部女優がやっているのだからよくわからない。結局現実の人物からうまくキャラを抽出できた鴎外、花袋、藤村、賢治、一葉(ことに、この二人はうまく出来たと思った)が観客の知識ともうまく響きあって舞台を引っ張っている。新劇寄席のような味わいである。
    小劇場ながら一月近く30公演。とおしの一幕で全四場、四つの通夜のシーンで構成される2時間15分。ほぼ満席であった。登場人物、約三十名。これでは出演者の板代だけでも大変だろう。これだけ楽しめたのだから、この低料金で大丈夫かと、余計な心配になった。

  • 満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    平田オリザの新作『日本文学盛衰史』を観劇。

    明治時代の有名作家の通夜の席での芝居。
    一幕物だが、四場あり、全て通夜の場である。

    毎回同じ面子が集まる通夜の席で、文豪達は新たなる文学の幕開けと
    時代の不安感を感じながらも、故人に思いを寄せている。
    いつもながらの永遠と続く会話劇で、通夜に集まっている人たちの会話の内容は、近況報告やら世間話ばかりだ。
    場が何度変わっても、話のうねりはなく、まるで同じ場面を何度なく観せられている錯覚に陥る。だが毎回の場にうねりがなくても、時代背景が大きくうねっているのが見過ごせない点だ。
    だから今作は、目の前で起きている出来事は、絶えず同じ物を永遠と観せられてはいるが、頭の中では、時代背景が絶えず忙しく動き回っている状態になっている。
    そんな状況を2時間近く観せられていて、「何時もの如く、きっとこのままで終わるのだろうな?」
    と思いきや、最後に全てを破壊してくれるのである。

    いつもと違う平田オリザを存分に味わえるのである。

    誰もが真似出来そうだと錯覚しそうな「平田オリザの現代口語演劇」は、
    やはり本人しか作れないオリジナルだ。
  • 満足度★★★★★

    堅苦しいのかなと思っていましたが、全く違っていました。

    ネタバレBOX

    北村透谷、正岡子規、二葉亭四迷、夏目漱石、それぞれの通夜の席に集った作家たちの会話を通して、日本文学の歩みと今後を示唆した物語。

    堅苦しいお話かと思っていましたが、現在のネット社会のこまごましたことも織り込んでの楽しい舞台でした。

    開演前のアナウンスで、日本大学盛衰史と言い間違えて掴みはOKでした。と共に、アメフト問題で落ちぶれるかもしれない日大同様、題名にある盛衰という言葉の重みに気付かされました。

    言文一致云々から発展した日本文学ですが、貧しい労働者階級のために書いても当の労働者たちは貧しくて本が買えず読んでもらえないと作家が悩んでいた時代から、今度は誰でもが小説をネットにアップできるようになった結果、あまりにも多過ぎて誰も読まない、読めない時代になったと若手は嘆き、将来はAIが最高の小説を書くことで、それ以上の小説が存在しえないことからそこで打ち止めという話にもなりました。

    島崎藤村と田山花袋が通夜の席に居残ることで四場を繋いだ手法は、暗転による中だるみを防ぎ、お膳の片付けや配置の効率化にも繋がり素晴らしいと思いました。田山花袋の座布団フェチ振りには笑いました。

    志賀廣太郎さんの記事をネットで見たその日の観劇でした。ご自愛ください。

    畳と板張りの混在する座敷で、どぜう屋があんな感じだったかなと思いながら観ていました。膝が板に当たって痛くなりそうな配膳の仕方には、当時のことを知らないので何とも言えませんが、それでいいのかなと少々気になりました。
  • 満足度★★★★

    これは全部のネタをわかろうとすると大変だ。教養とおバカが混在。開演10分前には着席して当日パンフレットを読んでおくと一助になる。

  • 満足度★★★★★

    ■約135分■
    ひょっとすると原作には出てこないある言葉の効果的な使用により、言文一致運動に大なり小なり関わった文人たちの高邁な志が原作以上に伝わってきて、大いに心が高揚。感動した。

    ネタバレBOX

    「国民国家」がその言葉。そのような国家の礎となるべき言葉を当時の作家たちは探していたのだと考えたら、そのドデカイ志に打ちのめされた。事実その通りだったのかは分からないが。
  • 満足度★★★

    鑑賞日2018/06/09 (土) 14:00

    座席1階1列

    青年団『日本文学盛衰史』吉祥寺シアター

    こういうエンタメ寄りの演出もするんだ、と新鮮でした。
    時事ネタ満載でとてもコミカル。ゼロ場のアレはお見事でした(笑)あれで空気が一気に和らいだ。
    (後半には無くなるかも?とのこと)

    著名な文豪たちがこれでもかと登場するので、近代文学詳しい人はもっと楽しめるのかもしれません。
    今では当たり前の表現も苦難の末「発明」されたものだということが感じられました。

    今回もセットが素晴らしかった。庭の奥行きが良かったです。
    注意書きされていますが、最前列は奥側が結構見づらいです。臨場感、没入感は凄いですが。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/06/09 (土) 14:00

    価格3,500円

    青年団史上最大の規模の135分、しかも風刺ネタや現代ネタが満載しており、明治時代後半あたりが舞台でも、気持ちは現代劇といったところか。けっこうコミカルなんだけど楽しめました。

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