遭難、 公演情報 遭難、」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★★

    観劇中、私の中で何度も「性根」という言葉が頭をよぎりました。

    生徒の自殺未遂問題によって別棟の職員室に追いやられた4人の教師。
    連日、きっつい生徒の母親が責任を追及しにやって来るのがその理由で、まさに針の筵の職員室。
    往々にしてトラブルが起こった時、その人の性格が露わになってしまうものですが、その赤裸々な人物像をリーダー格教師を筆頭に、どの役者さんも見事に身にまとっているので、すこぶる面白い。

    もう少し高齢で、それこそプロの役者さんが演じた方が完成度は高いのかもしれませんが、彼女達が創り上げ醸し出す空気感は唯一無二。
    この公演で本作『遭難、』に初めて出逢えた事は、とても幸運だったと思います。
    前提として戯曲の良さも当然ありますが、その肝(きも)を充分汲み取った人間模様に、幕が上がったその瞬間から速攻引きずり込まれてしまう力強い公演でした。

  • 満足度★★★★

    学生演劇とは思えない出来でありました
    なかなかに結末が見えない展開に
    長い2時間20分近くを眠気も無しに
    観続けられた快作でありました(^-^)

    ネタバレBOX

    先生役の方々には服に花(?)の刺繍が着いていたけど・・
    それよりも経過日数を知らしめる為に
    暗転後とかには服装の交換してもらった方が・・・とかは思えたデス

    話は・・・とある職員室がセットで組まれていて
    客席右側には教室風のセットがあり
    開演前には女生徒がひとり座して読書をしておりました
    (この女生徒は作中で重要な一人である美少女で
    ストーカー被害を受けたりといろいろあった方のようでした)
    で 一人の男子学生が自殺未遂をして現在昏睡中・・・
    その母親がモンスター化して毎日原因となったらしい
    女性担任に文句を言いにきて理不尽な要求を突きつけてきてます・・・・が
    物語の進行で どうやらそのままの見た目の事実ではないようで・・と
    目の離せない展開が繰り広げられていくのでした
  • 満足度★★★★★

    だが、職員室内でこの証拠隠滅問題が同僚の石原によって問題化されると、

    ネタバレBOX

    彼女は自身が矢張り飛び降りをした経験とトラウマを負った話をする。而もそれは、当時彼女が信頼していた教師の一言が原因だったと述べるのだ。だが、その一言とは、客観的にみて当然の論理的帰結を述べたものであった。何故なら彼女が飛び降りたのは2階からでそれも植え込みに飛び降りたのだから、死ぬつもりなど本当は無かったと判断されて当然だった。だが、彼女は恰もトラウマが先で、それを自らの歪みの根拠と看做すことで己の身勝手を正当化していた訳だ。この点も石原に指摘され逃げ場を失っている。この辺りから、里見は、徐々にその狂的な性格と破綻の兆候を激化してゆく。
    一方、自殺未遂を図った生徒からの相談の手紙を無視したという秘密が外部に漏れるのではないかと恐れた彼女は自己保全の為、この事実を知った教師全員の弱みを握り情報漏れを防ごうとありとあらゆる手を用い口封じを図る。その方法とは、ビデオによる職員室監視、同僚教師の携帯端末の盗み見・許可なし使用、女子トイレ盗撮を不破の企みとして濡れ衣をきせる、スキャンダルなどの要素が無い石原には共犯を強要する等々である。
     だが、里見の正体を見破った同僚たちも黙ってはいない。生徒が自殺未遂に走った責任は、一体誰にあるのか? 他人のことを思いやる人間らしさを、里見は持っているのか? 等々の追及が始まるが、他人の気持ちをホントに理解できるのか? と里見は反論するもまたしても狂言自殺を演じる必要がある所まで追い詰められた里見VS他の総ての登場人物らの論議は決着を見ないまま、人間個々人の持つエゴが、実に活き活きと而も人間の負の側面のリアルをまざまざと示して展開する。脚本も良く練られたものを選んでおり、演技も皆さん力一杯、全力を出し切るものであった。殊に皆を振り回す里見役を演じた女優さんの表現力豊かな演技を自分はとても気に入った。無論、不破と不倫関係に陥ることになった仁科を演じた女優さんも男と女の関係になる前と後とで、所作を変えることによって女性心理の綾を巧みに表現していたし、一見、引っ込み思案で優柔不断に見える石原が、実は最も芯の強い論理的な思考の持ち主であることを表現した女優さん、また心優しく受け身であるが故に里見が相談の手紙を受け取ったことが教師仲間全員にバレた後、彼女を庇って仁科に謝り続けた江國役の女優さんも、里見の実体が暴かれた後とその前の彼女を尊敬していた間の差を江國が仁科から受けた辱めと同じ形で里見に返すアイロニカルなシナリオの目指すものをキチンと具現化していた。女性全員が4年生の中、不破を演じた男性俳優だけが1年生。だが、彼も良い演技であった。演劇関係に今後関わるにせよ社会人として就職するにせよ、或いは別の道に進むにせよ皆さんのこれからが楽しみだ。
    また、開演前には、校庭で遊ぶ生徒たちの声が流され、学校の雰囲気が醸し出されている点もグーだし、里見が、意識が回復した生徒に向かって己のトラウマを解消すべく放った一言が、授業の鐘の音に紛れて聞き取れないのも、原作通りか演出か分からないがグーである。

  • 満足度★★★★★

     生徒が飛び降り自殺を図った学校の職員室が舞台である。命は助かったものの生徒に意識は戻っていない。教師は全部で4人、うち男性教師(不破)1名、他は総て女性である。
    板上は、奥に出入りの開き戸、上手奥コーナー近くにロッカーが1台。中央に教師たちの机が設えられ、下手側壁に沿って縦長のテーブルが置かれている。その手前にシュレッダーとゴミ箱がある。上手客席側には、応接セットが置かれている。出捌けは基本的に奥の開き戸から。

    ネタバレBOX


     出演者は他に自殺未遂を図った子の母(仁科)。教師の責任を追及すべく毎日職員室に押しかけては鬱憤晴らしをしている。生徒は自殺を図る3か月前にマドンナ先生(江國)の仇名を持つ女性教師に愛をほのめかしていた。同時に自殺未遂前には別の女性教師(里見)に手紙を書き相談を持ち掛けていたのだが、里見はこれを無視、証拠の手紙もシュレッダーに掛けて証拠隠滅を図っていた。当初、里見はこの教師集団の中で最も冷静沈着、立派な先生として登場する。

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