七月の鎮魂歌(レクイエム) 公演情報 七月の鎮魂歌(レクイエム)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.5
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  • 満足度★★

    心温まるお話
    中村さんの作品は、愛に溢れてると思います。詳しくはネタバレへ。

    ネタバレBOX

    パニックシアターの前回の公演を観て、また観たいなあと思っていたらこの「七月の鎮魂歌」が中村さんの作・演出ということで、またあの空気感に浸りたくて観に行きました。劇団アルターエゴは、声優さんとして活躍されている方が多いのかな?よくわかりませんし、初見です。

    ワンシチュエーションのホームドラマをじっくり観ることができて、まずはよかったです。チラシにある風鈴越しの空がステキで、この風鈴のある家の中のお話であると理解したとき、まずは芝居の世界に入り込めた気がします。男三人女3人の家族のような共同生活がほのぼのと描かれ、やがてそれぞれの外の世界での殺伐とした出来事が起こり、この6人で助け合い励まし合いながら生きていく。・・とてつもなくあざとくてダサダサの話に思えますが、これがまたそうでもない。不思議な暖かさと愛に溢れていて、観ていてぐっときてしまいます。やがてファンタジーとも言える展開になっていきますが、まるで夏の日の夢のようにも思え、ラストのシャボン玉はとても幻想的であり、さわやかなエンディングに思えました。

    一番前で観るべきだったと後悔しました。ちゃぶ台をはさんだ座り芝居がほとんどのため、多分後ろの方は前の座席の人の頭が邪魔でよく見えません。あの空気感を味わうには、首を左右に振って観てはまず集中できず無理です。ボクは前から三番目でしたが、ぎりぎりです。その辺の工夫があればと。風鈴の効果音はかなり的確で素晴らしかったですが少し音量が大きかった気もしました。

    声優経験豊富ということからか、皆さんとても滑舌がよくて聞きやすい台詞回しだったと思います。割と普通に話しているのに、かなり声量があって、驚きました。しかも皆さん個性的なキャラクターを作ろうという意気込みが感じ、魅力が出ていました。女性三人はとても可愛いらしかったです。

    こんな芝居をOFFOFFで観れるというのは、とてもうれしいことです。
  • 満足度★★★

    甦る!
    今回のお芝居は、7月最後の日曜日に願うと逝ってしまった人に会える。
    という、なま温かいお話です。

    以下はネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    幕開けの映像が美しいです。
    勿論、音楽はモーツアルトのレクイエム。

    シーンは喪服姿の三姉妹、梅・すみれ・カンナが遺産の相続の件で話し合っています。

    そこに、やたら可笑しな三兄弟が尋ねて来ました。
    コミカルな動きがすんごくオカシイ!(^0^)
    笑わずにはいられない。

    このコミカルなシーンが長く続いてくれればいいのに・・。と思ったほど。
    ツボりました。

    三兄弟は三姉妹の亡くなった父から負債のかたにこの古い自宅を担保に肩代わりしたとの事で、この三姉妹と同居する事になったのだが・・。

    長男の一郎はなにやら怪しい霊感の持ち主のようで、梅やすみれやカンナの行動や過去の出来事を読んでしまいます。


    一方、男に騙されたカンナは元カレの子供を身ごもってしまいますが、一郎はみんなでその子を育てようと提案します。
    「僕たちは親の愛情を知らずに育った。だから今度は生まれてくる子にそんな思いをさせないように、みんなで育てればいいんだ。そのこが大きくなったら運動会にはみんなで応援に行こう!」

    ここでヤラレマス。(泣き!)


    ところが・・・出産当日、赤ちゃんの容態が悪化してしまいます。
    もう、ダメかも知れないと思った矢先、一郎は「ちょっと出かけてくる。」と言い残して、三郎の運転する電車に、飛び込み自殺をします。
    その表情は、本当に幸せそうに三郎に手を振って亡くなったのでした。
    まるで道端のお地蔵さんのようになんとも幸せそうに。


    その直後、急に赤ちゃんの心臓が波打って動き出したのです。

    一郎は自分の身を投げ出してケンタ(赤ちゃん)に命を与えたのではないか。

    他の兄弟はそう考えました。



    後日、一郎が残した戸籍謄本を見て兄弟達の本当の真実が解明されます。

    二郎と三郎は結局本当の兄弟だったこと。
    その上、ここの姉妹とも兄弟だった事実が分かります。

    そうして、当の一郎は13年前に死亡していたこと。




    なぜ、三兄弟がこの古い家に三姉妹と同居したかったかが、最後の伏線できちんと繋がります。
    すっきり爽快感!(^0^)


    こうやって、一郎の魂のお陰で家族の血が繋がります。




    7月の最後の日曜日、逝ってしまった人に会いたいと願うと、その願いは叶います。

    アットホームなドラマでした。
    素敵な物語。




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