人本のデストピア 公演情報 人本のデストピア」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/07/15 (土) 14:00

    価格2,500円

    直接的・間接的含めてジブリっぽさが漂う異世界未来冒険譚。基本となる設定が突飛なのに「そういう世界観なのね」と納得してしまうのはなぜなんだろう?(笑)
    また、ちょこちょこ入るあの手この手の笑いも愉しく、装置のアイデアも良く衣装も◎。

  • 満足度★★★★

    冒頭は環境問題に関する批判もしくは警鐘するようだが、一転、民族(移民)問題を思わせるような骨太いテーマ、寓意性が観えてくる。全編を貫くブラックユーモア、その観せ方はポップ調で堅苦しくない。チラシ説明によれば、奇病によって人口減の一途。そして本の中(世界)に閉じ込められてしまう。
    奇病はアジアの小国で発症しているが、タイトル「人本(ニンホン)デストピア」から日本(ニホン)のように思える。この公演は劇団最後の公演、「ン」の字は五十音順で最後の字、そんな関連付けをさせたか?
    (上演時間は2時間)

    ネタバレBOX

    セットは、本棚が幾重にも重なるトリックアートのようだ。普通に考えれば知の源である本は、ここでは人を閉じ込めてしまう治(ち)のような存在に変質している。本の中の世界観…。
    梗概...未来世界におけるアジアの小国。 バラックで生活する少女と老人、そして河童。
    身体が「本(=BOOK)」になる奇妙な流行病が世界中を席巻し、地上の人口は減少。
    人類は皆、大地にへばりつくようにして黄昏の世界を生きている。人はもちろん、すべての生命は「本」へと帰す。

    本になった祖父を助けるために過去へ遡行する。そこで待ち受けているのは祖母であり、この奇病に対処できるとされる魔女でもあった。その街は城壁が囲われ街内と街外では環境が違う。世界的な課題である移民のことを想起する。
    理屈では移民・難民(定義は違うであろう)の受入容認と思いつつ、感情的には微妙な思いを巡らすこともある。排他的な思いは、テロ行為との関係を無視することが出来ない。もちろん直結するわけではない。だからこそ、フーコーの振り子のように「理」と「情」の間で考えが揺れ動くのである。なお公演でも軍服を着た大佐が登場する。

    奇病=本の中(人本)は死の世界であろうか.死は自然や現実とは違う世界に住むこと。もしかしたら、あの世は永遠平和のユートピア、そう考えれば現世はデストピアと言える。その倒錯を過去への遡行として描く。

    物語は、独自用語(当日パンフに説明あり)が使用されストレートに理解できない、人間関係が錯綜している感じ。この2つが少し分かり難かったのが残念だ。しかし、現代的テーマを据えており、演出は軽妙洒脱で観客を飽きさせない。そして役者がその世界観をしっかり体現しているところが素晴らしい。

    「環境問題」や「移民・難民」はどちらも“共生”が重要であろう。寛容が肝要というお題目だけではなく、問題解決に向けた努力が必要であろう。考えさせる最終公演は、小ネタも仕込んだ笑いの中、とても観応えがあった。
    いろいろな事情があるにせよ、いつの日か劇団が復活することを期待しております。
  • 満足度★★★

    人も動物も植物も一冊の本になってしまうということであったが、実際に本をイメージしたものに変身してほしかったです。
    いろんな仕掛けでお客様を楽しませようと努力されていました。
    こんな劇団が無くなってしまうのは残念です。

  • 満足度★★★★

     20年に亘って続けた公演も今回が最後、との触れ込みで始まった今作。デストピア状況が描かれる。デストピアについては、余り多くの方に馴染みが無い概念かも知れない。要するにユートピアの反対概念である。今作では、総ての動植物(無論、人間を含む)が一冊の本になってしまう、という奇病の流行った小国の話として描かれている。花四つ☆

    ネタバレBOX


     こんな未来の無い状況なら必然的に起こってくるニヒリズムという深刻な問題は、スルーされているが。この物語の訴えるデストピア状況、即ち「原因不明の病」の大流行によってあらゆる生命が危機に晒されている中で、尚、ヒトはヒトらしく生きることができるのか? という本質的な問いに対する答えとして,ノブレスオブリージュが提示されていることの重大な意味を減ずる訳のものではない。斯様に受け取れる作品であった。タイトルセンスも人を引き付けるに足るものである。難を言えば、序破急のうち、序破の部分をもう少し、大人っぽく刈り込んでも良いかも知れぬ。
     為政者の勤めの中心を果たすのが魔女の家系だが、それをサポートする軍部が体制護持に走る姿は、現実に軍の機能を表象しているだけに実に興味深い。
     前説にも、センスの良さが認められる。この前説だけで、大きな拍手が起こったほどだが、何が起こるかは、観てのお楽しみ。
     20年も続いて来た劇団が、今作をもって終演とするということだが、様々な事情があるにせよ、早目の復帰を願ってやまない。
  • 満足度★★★★

    130分。

    ネタバレBOX

    三平(佐野順平)…河童というテイでニナを見守るニナの父。元都の役人?で色素を注入かなんかして緑色の体になった。ニナを守るためミドリの本をコピー?して本になった。
    ニナ(重光摩美)…都の外で祖父と暮らす女の子。三平が本化した後、ヒヨスとともに都に残り、都を治め、本化を解除する方法を見つけた。
    ヒヨス(佐倉井あや)…元都の研究者。三平を想っていた。ニナとともに本化を解除した三平らと対面する。
    椿(くちばしやきいろ)…ニナの父母。都では学問的な見地から未来を予測するチカラで、都の人々の生活を支えていた。
    大佐(鴉亭團吉)…ヒヨスの父。椿に拾われ椿を支える立場だったが、椿の命より都を治める能力を重んじるようになり、椿の能力をニナに継がせようとする。
    ミドリ(沼田電池)…椿の子。椿同様先を見る力を持つ。三平に恋し、ニナを産み、自身の役目を続け本化した。

    本化した祖父を元に戻すため、都の魔女(祖母)に会いに行くが、逆にニナだけとらわれてしまう。ヒヨスや三平はニナを救うため乗り込むが、ニナを助けるため三平は自ら本化してしまう。都に残ったニナはヒヨスとともに本化を解除する方法を見つけ、髪型を当時に戻し、三平を迎える…。

    ボケ部分は豊富でなかなかストーリーが進まない。あと、本化した後のコピーとかって部分がイメージしにくく、一部感情移入しにくい。人の動機的心情的な部分はもうちょい色濃く描いてほしい。大佐が椿より都を優先するとした苦悩とか。ヒヨスとかはしっかり表現されたようにみえたけど。
    ニナと三平が主軸の話かと思いきや、ヒヨスがメインじゃないかというくらいキーパーソンな作品だった。キャラ的にも気に入った。ただ、ラストの展開からすると、ニナと三平の親子愛的なフリがもっとあってもいいかなと思う。ちょこちょこ入るコメディ部分は面白いとこもあるけど、もうちょい絞ってもいい気がするかな。2時間超の舞台だったけど、飽きずに見ていられたのはよかった。

    芝居をみるようになってバカバッドギターの作品を何作(魔女は定時にあがるとか深海ワンルームとか)か見たことがあり、せっかくなんで解散公演も見ようと思った。重光摩美とか当時にもあったコメディなヒロインっぽさそのままで、なんか安心したし、佐藤ホームランのトリッキーな役柄とかも相変わらずうまいなと感心した。見れてよかった。
  • 満足度★★★★★

    何よりよかったのは、この荒唐無稽な話に観る側を最初からすんなりと入り込ませてくれたところ。役者さんも適材適所だし、とにかく楽しませてもらいました。初めて観たのにこれが最終公演だなんて、ああ残念。

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