囚人 公演情報 囚人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/09/29 (金) 15:00

    価格4,000円

    生と死の境界線上の話を重くならず真冬の晴れた深夜、午前2時頃のような澄んだ空気感の中で優しく語るOi-SCALE節、いつもながら好調。
    恒例となりつつある林さんのトークからの入り方に加えて終盤で明かされる立場も林さんだけに説得力があったような。
    また、舞台演劇ならではのトリックも時々あるものながらしっかり騙された。
    さらに、ある場面では(後方に座っているだけに)客席に長い短い太い細いと様々なロウソクが立っている画が目に浮かんだし、他の部分では同時期に観た芝居で気付いたこととの類似性にニヤリ。

    作・演出で出演もする方の何人か(林さんを含む)は、作品中で自在に動いていると言うか、空気のようと言うか、独特の雰囲気を纏っていると感じていたが、その理由がワカった気も。そして同時にその感じ方の一部は誤りとも気付く。

    ネタバレBOX

    ロウソクの件はグリム童話「死神の名付け親」。
    そのロウソクの画が浮かぶ前の一瞬、ゾクっとしたし、巧みなメタと言うか劇中世界と現実世界の境界が瞬時にして消えたと言うかだし。
    その場面の意味とメタ構造の両面でゾクっとしたんだろう……と自己分析。
    また、劇作家というのは芝居における「神」という部分、最近観た芝居で劇中でそう言ったのではないけれど「台本というのは芝居におけるアカシックレコードではないか?」と思ったことと近く、これもシンクロニシティか?と。

    最後の伏線回収(花を切り落としたのは誰?)もまたニヤリだったけれど、実際にあったことがベースだそうで。
  • 満足度★★★★

    林灰二(脚本)、村田充(主演)のコラボ公演。舞台という額縁に林氏が入り物語が始まり、途中で額縁から抜け出し、普通に喋り出す。演出は自由であり、お喋りも楽しめるが、集中力が途切れ再び物語の世界に入るにはけっこう”力”がいる。その意味で好みが分かれそうな公演だと思う。
    タイトル「囚人」は収監されていることではなく、口⇔人のように囲われの中に出入りする。人は何かに囚われ柵(しがらみ)の中で生きている。それが無くなった時は、もしかしたら”死”を意味する。

    少しネタバレするが、舞台セットは暗幕で囲い中央・上手・下手側に白い紗幕が吊るされている。まるで鯨幕のようだ。
    自分が観た回は満席で、通路に増席までする盛況ぶりであった。
    (上演時間2時間) 

    ネタバレBOX

    舞台全体が白黒で、先に書いた鯨幕以外にベンチ、工事現場のコーンが白色。舞台背景は、丘の上に建つ病院。その中庭かrら眺める風景は格別なもの。その風景も衣装を変えることで季節の移ろいを表し情緒感を漂わせる。また照明効果で海中風景を見せるなど素晴らしい演出が観られた。

    梗概…男は重篤な病の治療のため長く入院している。 街から離れ不便な場所にも関わらず度々訪問者が来る。皆、男の持つ《力》を頼りにして来る。男は寿命の残り少ない者を嗅ぎ分ける力があった。死が近ければ近いほど、その者の身体からある華の香りが強く漂うと言う。しかし、男は自分の寿命だけは分からなかった。そんな日々の中、あることをキッカケに男は異変に気づいた。あの華の匂いが、全員からする…。
    丘の上、すぐそこまで津波が来る。生き残ったのは、あそこに見える奇跡の桜のおかげである。この病院に入院している患者とその家族を通して生と死を見詰めるが、事前に死期を知ることでその心の準備等が出来るか、本当に知る勇気があるだろうか?公演では主人公以外に4組の家族がその自問自答を行う。そこに家族の形態や繋がり方によって対応が違うことが描かれる。ラスト…隠されたというか明かされた関係に驚かされる。

    「囚人」は漂う華の匂いを嗅ぎ分けて、他人の残りの寿命を知る特殊な力がある主人公由利太郎(村田充サン)が、死に向かう訪問者達と触れながら、自らも病に冒され最後の日へと近づいていくという、悲しみの漂う物語。
    「囚人」という文字に準えれば、舞台という囲いの中では”神様”である林氏が自由に描くが、囲いの外、つまり観客はどう思うか。
    全体的に幻想的なシーン、抒情的な雰囲気は、物語の心象形成に大いに効果的な演出であった。紗幕へのテロップや華の映しも神秘的で印象に残る。その中で緩い笑いを取り入れ緊張感を緩衝させるなど見事であった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★

    2.5次元でお見掛けしていたいた村田さんが小劇場に出る!その存在感と独特の演技力を持つ充さん。どんな凄いものが観れるのかと、期待大で拝見。しかし、掟破りの林灰二さんの存在に圧されて終わったような気がしないでもない。舞台の上は自由である。こんな演出があってもいいだろう。たらたら話しているようで、しっかり計算されているし、その発想は面白い。しかし、見応えのある役者を使うなら、それを最大限に使うことも考えて欲しい。

  • 満足度★★★★

    フライヤーの“何かが起こる前の”緊張感溢れるビジュアルからして
    もうすでに不穏なムードが漂っている。
    あっと驚くラストの展開と、そもそもの設定に完全にやられた感じ。
    期待通りのセンスの良い映像と、思いがけなくアナログな演出が同居する
    林灰二ワールド。
    村田充さんが圧倒的な存在感で魅せる。こういう芝居をする人だったのか。

    ネタバレBOX

    舞台には3枚の白い幕が吊るされ、中央の1枚は半円を描いている。
    この半円がくるりと回転すると場面転換と出ハケがなされる仕組み。
    複数のエピソードの登場人物の名前が、その幕に映し出されたりする。

    舞台はとある病院の花壇がある中庭。
    一日の大半をここで過ごす男、太郎(村田充)。
    毎日太郎を見舞う友人、ハルキ(林灰二)。
    そして太郎に“どのくらい死が近づいているか教えて欲しい”と訪れる人々。
    本当は知りたくない“自分の寿命”を聞きにくる人々の、葛藤や家族関係が描かれる。

    いわゆる人知を超えた能力を持つ男を取り巻く“死のエピソード”が綴られるのだが
    途中、作・演出の林灰二さん自身の、素の語りが入るのがユニークな演出だ。
    林さんの父親の「鳥を捕獲して鳴き声を競わせる趣味」のことを話したり
    「僕は神様だから」役者に台詞を言わせ、自由に設定を考える…と語る。
    そして「これも全部台詞です」と言って観客を混乱させる。

    この「神」は最後に、驚愕の設定を明らかにして物語を終える。
    林さんらしい、何気ない電話の会話で。
    実年齢から想定する観客の思い込みを軽々と超え、
    物語を最初から語り直すほどの力技で真実を提示する。

    主演の村田充さんが“死の匂いを嗅ぎ取る男”を淡々と演じて圧倒的な存在感を見せる。
    この長身長髪の謎めいた男を、徹底的してミステリアスにスタイリッシュに描くと思いきや
    素の作者が「僕は何でもできるんですよ」なんて言った後で、驚きの事実を告げるものだから
    観客は改めてこの芝居を冒頭から反芻する、「そうだったのか」と。
    そして村田充という人の“年齢不詳”な演技を再評価する。

    がん患者の男を演じた伊藤慶徳さん、その弟で聾唖の少年役の中尾至雄さんの
    エピソード、ハラハラするような空気が生まれて強い印象を残した。

    「自分の匂いに気が付かない?」と太郎に語りかけるハルキ、
    何があっても決して狼狽しないハルキは、やはり「神」なのだろう。
    相変わらず「神」は雄弁で、お見通しで、自由奔放であった。
  • 満足度★★

    残念ですが、私には合いませんでした。
    本と演出を説明しないと成り立たないお芝居って…。それってお芝居?私には合いませんでした。ごめんなさい。

  • 満足度★★

    囚人の題名と花の香り・・・ どんな作品なんだろうと思いながら観劇。場内の空調が悪く蒸し暑かったせいか何だかびみょ~なゆるいお芝居に感じた。しかし駅前劇場であんなに並んでるのは初めて見た。これも村田さん効果なのか?

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/09/27 (水) 19:30

    座席1階1列

    「囚人」というタイトルの意味。
    囚われた人とは自らの境遇を受け入れながらも抗う人。
    運命と自由の相克で、ひたすら身もだえる人。

    人間は皆、自らの未来(運命)を知っていて、それへの有限の抵抗を続ける存在なのだということ。主人公を取り巻く(あるいは訪れる)人々、彼・彼女は運命の何に抵抗するのか。
    それが描かれる物語。主人公もその埒外ではありません。

    まだ、前作「オカルト」でもそうでしたが、林灰二さんはこうしたメタ芝居的な演出をよくするのでしょうか。Oi-SCALE初心者なもので、不思議でした。

    村田充さん人気ですね。(他の役者さん失礼!)長蛇の列です。

    ネタバレBOX

    主人公の命を助けてくれた桜の木、主人公の友人の父が首を吊った桜の木でもある。
    その木は「奇跡の木」とも呼ばれている。
    3.11主人公の妻は死んだのだろうけれど、もしもの場合にはそこが待ち合わせ場所だった。
    そのとき、サクラの花の香りはしたのだろうな。でも、その香りは本当に桜の花からしたのだろうか。

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