公演情報
「ミズウミ」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
昨年観た『ハーバート』や『ヒゲンジツノオウコク』同様、クトゥルフという架空の神話を題材にした作品だ。
舞台となっている田瓶市も他の劇団が創作した架空の都市だが、パンフレット内の用語解説に参考文献として『田瓶市市政50周年記念特別広報紙』などと挙げてあるのも面白い……などという説明は野暮かもしれない。
ちなみに、田瓶市は市としてはさほど規模の大きくない自治体であろう、と50周年記念として発行されたのが記念誌でなく記念紙であるあたりから想像してみたりする。
クトゥルフやインスマスやダゴンなどの単語に聞き覚えがある程度で、ほとんど知識のない自分でも、物語を見る上では支障なかったし、舞台のヒンヤリとした緊張感や物語の面白さは充分感じることができた。
物語の面白さ、と言ったが、それはなんていうか、脚本の緻密さはもちろんのこと、キャストのそれぞれのハマり具合(何人かはこの芝居中は魚顔に見えたり)、細やかに設定された登場人物像やそれに応じた語り口、近い将来年号が変わることになった昨今の状況、庭や観客の後方も含めた会場の使い方(おかげですっかり物語の中に取り込まれたように感じられた)、そして『ヒゲンジツノオウコク』との関わりなど、様々な方向から組み上げられた面白さであった。
それでも、やはりクトゥルフについての知識があればより楽しめただろうと思うと、次回までに(!?)読んでおきたい気持ちになった。
過去と現実の関わり。人ならざる女たちに心をとらわれた男たちの切ない想い。大きく開けた女の口の奥に見えたであろう深いミズウミ。
不思議でヒンヤリと怖くて、そして愛しい。そういう舞台であった。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/14 (水) 20:00
遅くなりましたが、6月平日に観劇しておりました。少し夏を感じる蒸し暑い夜の古民家(しあん)、山から遠く離れた町に残る人魚伝説でした。夜で場所も世界観にピッタリ、陰鬱な空気感の登場人物が多い中で大学助教授の小鹿が一人、ある意味危険を顧みずに周囲を翻弄していくのが良い、昭和の終わりと平成が終わるかもしれない今とのリンクが今しか出来ない作品です。ヒゲンジツノオウコクと関連していて、屋代さんの世界観がどんどん広がり固まっていくようです。小鹿の再登場期待してます。
満足度★★★★
古民家ギャラリーの雰囲気の懐かしさと静けさ。現代と過去を上手く紡いだ展開の面白さ。なんてことない場面でも観客側に想像を委ねる余白だったり、思いを馳せるだけの間と役者の表情の固定があって深く呼吸をしながら観てしまう。なんというか人を見る視線が美しかった。
袖山さんと堀江さん演じる二人の呼吸感が凄い良くて、柔らかい空気で包んであげたい気持ちにさせられた。オカルト的な非現実と現実とのバランス感が良くて、観る人がどこまで覗き込もうとするかで自分自身に返ってくる登場人物たちの感情の捉え方が変わってくる作品
満足度★★★★
ギャラリーしあんには5度ばかり赴いて、場所の佇まいに馴染み、気持ちばかりは常連のそれだが芝居はその都度なわけで・・。
夜公演。静かな芝居、と感じた。日本のラジオ観劇久々の3作目だが、そう言えばどれも静かさがあった。細部は忘れたが物語は時代をまたがっての幻想譚で、ファンタジー志向性に同期できるならミステリータッチな語りに乗れる事だろう。私は背後関係を追う気力を持続できず(あの距離にして声が聞えない場面あり)、薄い靄のかかったような観劇になってしまったが。口調に拙さの残る感じは、狙いだろうか?
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/18 (日)
座席1階1列
日本のラジオ『ミズウミ』ギャラリーしあん
今回もすごく好みの作品でした!
あてがきなのかな?と思うほどぴったりな配役と演技、そして
会場の古民家と庭園を効果的に使った演出が素晴らしくて、いつも以上に作品の世界観に入り込めた気がします。
私はマチネを観劇したのですが、ソワレだとまた違った雰囲気になるんだろうなぁ。
満足度★★★★
鑑賞日2017/06/14 (水) 15:00
価格1,500円
予期していたよりずっとクトゥルフ世界との距離が近く、リスペクトや二次創作というよりもむしろ外伝的な位置付けのジャパニーズ・クトゥルフ譚。
後半のある部分で「キターーーッ!!!」だった、というか、そういうつながりなのね、と頬が弛んだし、実際には陽が照ったりもしたが、脳内では厚い雲の下の景色が広がっていた。
十七戦地「花と魚」も世界観が近い気がして……ってか、あの出来事はこの隣町あたりで起きたような錯覚に囚われる。いっそ柳井さんもこのシリーズに参加してくださらないかしら?
なお、ホラーという感覚はさほどなく、基本はファンタジーで後半でホラー風味がちらほらというところか?(←晴れた午後に観たための印象かも)
キャラクター造形はそれぞれ際立っていたが、中でも大学院生と大学助教授が特に印象に残った。