エリちゃんの呪い 公演情報 エリちゃんの呪い」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

     母に良く似た妹の愛くるしく人に好かれる顔立ちとキャラに対し、エリの素顔は醜いとは、母のいつもの言葉。

    ネタバレBOX

    アイドルユニットとしてモデルとして活躍する姉妹ではあったが、エリは整形した顔がスポットライトの熱でぐじゅぐじゅに溶けて正体がバレてしまうのではないか、との強迫観念に苛まれ続けている。
     ただし、現在は姉妹だけで生活をしているのだが、エリを可愛くないと言い続けると同時に、女の子は可愛くないとね、とも言い募る母の言葉が、エリに突き刺さって離れることはない。その苦しみから逃れる為か、エリはいつしか麻薬を常用するようになっていた。この薬が効いている間だけは、顔が溶け出す恐怖からも、自分が醜いという観念からも逃れることができる。何だか元気が出て心も魂も落ち着いた気分になれるのだった。
     そんな姉の薬物中毒もメディアに知られることとなり、アイドルユニットはスキャンダル騒ぎに巻き込まれるが、メディアの様々な指摘、興味本位の質問に対し、姉を庇い続ける妹の心とメディアの観方のギャップには、今更ながら痛みを覚える。
     80分程の尺だが、描かれているのは、メンタルなレベルで追い込まれた少女の不眠や心の折れそうな状況下での痛み。これはこれで良く理解できるのだが、尺を120分くらい迄延ばして薬の入手経路など裏社会のことを描き込んだ方が更に物語は深刻味を増し、深みを増したハズだ。そこまですると取材などが大変だったり、話がややこしくなって収拾が付けられなくまる懼れもあって割愛したのだろうが、取材者の科白の中にそれを示唆する科白を入れて示唆することも含めて大人を納得させる突っ込みも欲しかった。

  • 満足度★★★★

    渋谷辺りでの上演が最も効果的だと思われる作品。
    ピンクの汚部屋が印象的。
    「美」に固執した生き方を選んでしまったエリカ。
    外見美を存在意義と思い込んでしまっている。そして覚せい剤の罠。
    心の闇と薬の恐ろしさを説教臭く無くポップに描いているところが、若者から若者に向けてのメッセージらしくて好感。
    社会的意義のある公演だからだろうか、しっかりしている。
    そう、ポップでカラフルなのにとてもしっかりしている。

  • 満足度★★★★

    食べなければ見ることのない、ポップでカラフルでネガな景色。哀しき陶酔は慈しみのポジに支えられ、迫られて・・・ 夢の甘い誘惑に落ちたエリちゃんの混濁した眼差しが心の中で明滅する。

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