うつろな重力 公演情報 うつろな重力」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★

    鑑賞日2017/03/18 (土)

    座席1階1列

    シアターノーチラス『うつろな重力』 於:RAFT

    「ごめん、私あなたに呪いをかけた」
    人の持つネガティブな想いや感情が交錯する、呪いをテーマにしたサスペンス作品。
    所謂「いい人」が登場人物に一人も居ません。ギスギスした雰囲気が終始漂っていて陰鬱な気分になります。
    でも目が離せない。そんな作品でした。

    幸か不幸かは受け取り方次第だと思うのだけど、
    不幸が呪いの所為だと思うことで案外納得して前へ進める場合もあるのかな、なんて思いました。

    最終的には妹との関係が唯一の救いだったような気がします。

    ネタバレBOX

    元同級生の枝村さん(呪いをかけた張本人)の出番が遅すぎるかなと思いました。
    妹が依頼した事が判明するのは終盤でも良いと思うのですが。

    加山さんがちょっとイラつくキャラ設定だったので、
    最後ボコられる結末(描かれていませんが)は溜飲が下がる思いでした。
    そのくだりだけは爽快(笑)
  • 戯曲も役者さんもいい舞台だったと思いました。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/03/19 (日)

    小さな空間だったので、至近距離で迫力満点でした。観終わった後、「隣の芝生は青く見える」という言葉が浮かんできました。幸せか不幸かは、自分の気持ち次第という思いと、どう考えても不幸な人っているよなぁという思いと、何とも複雑な気持ちになりました。役者さん達の演技もリアルで怖かった(いい意味で)です。見応えのある重厚な空間でした。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/03/19 (日) 13:30

    価格2,000円

    今回の公演も昨年の新宿「ミニチュア」同様、客との距離が近い。3方を囲む客席なのでどこに座るか考える楽しみもある。今回の公演も過去に実際に起こった事件をもとにした作品なので現実感があり、のめり込みやすい。部屋を行き来する人物、その人物の組み合わせで様々な会話展開が起こり、複雑に絡み合っていく面白さ。毎度の事ながら時間が経つのを忘れ、見入ってしまいました。冗談抜きでこのまま同日、2時間後の千秋楽の公演も観ようかと思ったぐらい。(おそらく当日券なかったでしょうが)7月には下北で「無関係な市街戦(仮)」の公演が決まっている様で今から楽しみです。

  • 満足度★★★★★

    ストーリーが日常的でわかりやすいため、
    何も考えずにサラッと楽しんでしまいました。
    ……が、見終わってから「幸せの基準・概念」のようなモノと
    自分の幸福感について、しみじみ考えさせられております。



  • 満足度★★★★

    劇場が小さいので、まるで「通りかかったお家の窓が開いていたのでそこから見えてしまったよそのお家の事情」みたいな感じでした。

    ネタバレBOX

    不幸な姉と結婚を控えてハッピーな妹が久しぶりに再開して、さてどう展開するのかと目が離せませんでした。高校時代の友人に、実は昔呪いをかけてしまったのだと告白され、私なら取りあえず呪いを解いてもらうんだけどなと思っていたら、その呪いにはさらに裏があって、妹は妹なりに後悔していたのだと分かります。しかしその呪いを利用しようとする輩がいたり、夫はのろわれた女と結婚しちゃった俺は最悪だとか言い出したり、俺が呪いを解いてやるくらいの人だと良かったのでしょうが、それは期待できない人物でしたね。「幸せとか不幸とか何も考えていなかったころが良かったね」と話す二人にしんみりしました。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2014/01/18 (土) 14:00

    普通のおうちみたいな場所での公演 役者さんとも至近距離で 一体感がありました。
    皆さんの劇団は3度目の鑑賞でしたが、毎回、余韻を残して、考えさせられる部分がありますよね
    今回も、不幸って 実は思い込みなのかな?とかちょっと思いました。 次回も期待しております。

  • 満足度★★★★★

    人の不幸をビビるくらいの至近距離で存分に堪能しました。
    小さな劇場なので限られた人数しか体感する事ができない贅沢な空間。
    後味が決して良いわけではないが、それを遥かに凌ぐ舞台の面白さに満足感が漲ります。
    まとわりつく不遇を振り払う事すら疲れ切った様子の姉。
    幸福オーラバリバリで姉を見下した感じが意地悪気な妹。
    憎悪と絆と虚栄が複雑にブレンドされた感情関係が絶妙でした。
    姉妹を取り巻く人物もそれぞれにスパイシーで、静かにそして確実に壊れていく姉の姿に説得力を持たせます。
    気をつけないと誰もが陥ってしまうかもしれない悪意の罠。
    「人間関係ホラー」という新たなジャンルを発見した気分です。

    ネタバレBOX

    妹が最後に吐き出した本音に「幸せ」と「不幸せ」の境界線が実にあやふやになり、考えさせる部分が残りました。
  • 満足度★★★★★

    「うつろな重力」観てきました。誰にでも起こりうる不幸や心の葛藤を上手く会話劇で表していて、とても面白かったです。観客と役者さんの距離が近く、まるで劇の中にいるような感覚になり楽しめました。

  • 満足度★★★★★

    鵺社会での民衆群像

    ネタバレBOX

     呪術という不合理の底には、不条理な世界の底で蠢く民衆の鬱屈、得体の知れぬ鵺社会へのどろどろした復讐の想念が滾って、蜷局を巻いている。これが我々が生きる社会の現状である。
     一方、アニミズムが生活感覚に根差していた時代なら兎も角、現代人の殆どはキツネ憑きなどは信じないし、呪術そのものに関しても、それに効力があると信じる者はあるまい。今作でもその辺りの事情は、ミステリアスな雰囲気を醸し出す為に使われていると同時に、民衆の抱える不如意や世界の不条理に関するやりどころのない怒りを鎮めるバランサーとして働いていると解釈することができる。不合理には不合理を対置させることによってバランスを取ろうとするのだ。これが民衆の知恵というものだろう。別の言い方をすれば、今作が問うているものは、民衆が置かれている不条理な生そのものである。結果、当然答えは無い。ラストシーン近くで救急車のサイレン音のみを響かせ、芽衣の惹き起こした事件の顛末を描かないのも、この点を強調するのに役立っている。
  • 満足度★★★★

    この手のエキセントリックな会話劇は滅法うまいですね。やっぱり人生には言い訳が必要なのかな。見栄を張らずに生きていけるといいのですが。至近距離で80分間堪能できました。

  • 満足度★★★★★

    人が持つ嫌らしい面、嫉妬、妬み、虚栄など心の奥底蠢く感情を覗き、時にそれを刺激する。そんな心理劇のようであった。

    閉塞感に満ちた部屋でむき出しの感情をさらけ出し、ぶつけ合い、滑稽にも思えるような登場人物。人を赦すこと、分かり合うことが苦しく困難になっている。人の心に巣食う闇の部分を抉り出しながら、その先にある幸せを掴もうとする。鬱積した気持を抑えきれず溢れ出す不平不満、出口が見えない濃密な会話が繰り広げられる。
    (上演時間1時間20分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、高瀬夫妻のリビング…当初はテーブルと椅子2脚のみ。極めてシンプルで、白基調であるため余計な生活臭がなく、人物にフォーカスした物語に徹したところが巧み。
    客席は2方向(L字型)、どちらに座っても舞台に近く濃密な会話が堪能できる。

    ポルノ小説家の夫と結婚した元雑誌編集者・姉(木村香織サン)の負の感情を中心に、彼女に関わる周囲の人々の思惑などが揺れ動く。
    梗概…結婚をして荒んだ生活を送る姉(木村香織サン)、幸福な結婚を目の前にした妹、境遇が高校時代とは逆転している姉と妹は複雑な感情でつながっている。姉がネズミ講を行っており、その関係で姉の目の前に、高校時代のクラスメイトが現れる。呪術研究会に所属していた彼女は秘密を明かす。「高校の時、あなたが不幸になるように呪いをかけた」。最初は信じていなかったが、少し不気味な感情に囚われ始める。その呪術をかけた動機…驚愕なラストシーン。

    呪いとは違うが、願掛けという神頼みの行為がある。こちらは事の成就を願うものであるが、人知れず行うお百度参りなどは、呪いの藁人形とは対極にあるよう。人の心の持ちようは、きれい事を言えば自分の心をどう操り、他の人をどう思い遣るか、その心の動き次第といったところ。このあやふやな心の動きこそタイトル…うつろう重力のようである。

    役者陣はそれぞれのキャラクターを立ち上げ、その関係性を十分認識した演技である。しっかりした適材適役で、それぞれの言葉(台詞)の応酬が物語の流れを作っている。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★


    人の不幸は蜜の味、というけれども、この舞台を楽しみにしていた私もその一人だなぁと、複雑な思いをしながら観ました。
    そして、存分に楽しませていただきました。

    世の中の誰もが、幸せになりたいと思いながら生きてるのに、幸せになりたい!とか、私、幸せです!って実際に口にしてる人は、なんか胡散臭い。
    周囲からは絶対に不幸に見える境遇でも、本人にとっては幸せだったりすることもある。
    幸せって、言葉にせずに、自分の心でそっと感じていればいいものなのかも知れませんね。
    ストーリーを追っていて、そんなことに気づかされました。

    結末は、観る人によって感じ方が変わると思いましたが、私は良かったと思います。

    客席が舞台を囲む形なので、座る席によって、演者の表情が違って見えると思います。
    こういう劇場は、いつも座る場所に迷います。
    今回は、入り口の近くに座りましたが、正解で、満遍なく全体が観れたと思います。

  • 満足度★★★★

    人は誰しも“嫌な部分”があると思いますが、そんな“嫌な部分”を集め、「呪い」をキーワードとし物語にしたような本作。ストーリーが面白く、登場人物それぞれの“嫌な部分”の描き方も上手い。
    常に“どんよりと重い空気”を感じる中、展開していく物語に観ている私の心にも重石が・・・。
    好き嫌いが分かれるでしょうが、私は面白い作品だと思います。

このページのQRコードです。

拡大