うはうはコロンブス~わかりはじめたベタ演劇~ 公演情報 うはうはコロンブス~わかりはじめたベタ演劇~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★★

    脚本が細かい
    各人物それぞれの人間関係がどう描かれているかをメインに見ていった。最初は主人公の中心の人物関係を見ていたが、それ以外を見ていくとAさんはBさんに苦手意識を持っているとか、CさんがDさんをみんなの輪の中に入れようとしている。

    みたいな人物像を「語り」の部分以外でも細かく表現しててどんだけ脚本が細かいんだよ!と心の中で突っ込みを入れる。

    ネタバレBOX

    2回観劇。

    2回目は各人物それぞれの人間関係がどう描かれているかをメインに見ていった。最初は主人公の中心の人物関係を見ていたが、それ以外を見ていくとAさんはBさんに苦手意識を持っているとか、CさんがDさんをみんなの輪の中に入れようとしている。

    みたいな人物像を「語り」の部分以外でも細かく表現しててどんだけ脚本が細かいんだよ!と心の中で突っ込みを入れる。
    脚本的には「インカインカ」がピーク。後半は劇中劇で架空の鑑賞者(学祭に来ているお客様)を喜ばせる媚びになってて、演劇人の悲哀を感じさせる。

    脚本に三重のロックがかかってて、観客は「劇団YAX直線」を見に来ている視点と「劇中の学祭を見に来ている鑑賞者(主人公妹の目線)」との視点に切り替えながら見る。この視点で見ることによって脚本のロックを解除できるという。で、その向こう側にある三つ目のロックが第四の壁。

    主に先生役がどこかに向かって叫んでいる部分。これは鑑賞者というより世の中に向かって叫ばれているメッセージ。心の叫び。深すぎる。
    たぶん演劇やっている人が泣いて喜ぶような構成。脚本のロック解除が楽しすぎる。

    脚本のイロハを学ばせてもらいました!感謝!

    「俺は絶対にこっちの方が面白いと思うんだけど、世間的にはこうした方がウケるし、受け入れられるし、売れるでしょ?」

    物作りをしている人たち共通の悲哀さがこの脚本の肝だと思うんだ。最後の仮初めの感動(スポコン&学園ドラマ風)に誤魔化されちゃだめーん。
    この作品の感動は演劇をディスられても演劇が好きで好きで好きで信じていて、愛している演劇人の魂が叫ばれている部分。

    ■その後

    自分の中で疑問だったものが、氷解しかけてるのでもうちょっと書きたい。風姿花伝の初心者がベテランを超える瞬間があるという解説があった通り、演劇人でない人間の見解にも意味があるかもしれない。


    風姿花伝の「初心忘るべからず」と「若き為手の立合に勝つ事」の部分と登場人物のマイノリティキャラの扱い。最初「初心忘るべからず」と「若き為手の立合に勝つ事」の相反する主張をなぜ取り扱ったのか。そしてそれが一体誰に向けられたメッセージだったのか。


    素直に考えるとその授業を受けている「阿女」の学生へ、なんだけど。実はこれはいま舞台に立っている役者へのメッセージであり、鑑賞者へのメッセージでもあるという、トリプルミーニングになってる。「若者(若手)よ、若さ故の一時的な魅力と鮮度、勢いで行けよと」

    実は風姿花伝の中ではこの続きがあって、若い魅力は本当の実力ではない。本当の「芸」ではないという、厳しい話になっていくのだけど、先生はそこまでは講義しない。なぜなら、その先生の目的は若者を勇気づけることにあるから。演劇に興味が無い、自信が無い学生たちに対しどうしたらいいのかと。

    答え。勇気づけること。奮い立たせること。劇中明らかに演技がうまくない3名が先生の指導を何度も受けるシーンがある。そのうちの二人がマイノリティキャラ(少数派)の属性を持っている。この先生は年齢の違い、性格の違いによってマイノリティである子の学生たちをどうやって一致団結させるか。

    先生はきっとそういうことを苦心しているが、鑑賞者は授業という結果だけしか見てない。 それ以外どうなったのかを鑑賞者はロック解除によって紐解いていく。 結果をいうと、その「若き為手の立合に勝つ事」の意味をきちんと受け取れた菅井というキャラクターが主役級になった。

    ここの経緯は語られないが、ちりばめられたヒントを回収していくと分かるようになっている。一人で料理を作ったり、裁縫をやっていた菅井さん。一人の世界に浸っていた菅井さんだからこそ、演劇の楽しさが一番分かったんじゃないかな!+超真面目人間。練習もいっぱいしたんでしょう。

    だから菅井が女手ジャパンに選ばれた涙は役としての涙だけじゃなくて、菅井が勝ち取った主役級の涙でもある。劇と劇中劇のリンクがちゃんと回収されてる。女手ジャパンで亡くなった泉さんは講義を途中で来なくなった今泉さんなんでしょう、きっと。
    ここが自分の中で氷解した部分。


    風姿花伝「芸の魅力さえ残れば、面白さは生涯にわたってあり続けよう。だから本当の芸の魅力が残っている役者には、どんな若さの魅力も勝てるはずはないのである」結








  • 満足度★★★★

    無題1978(16-268)
    19:00の回(曇)。

    18:35着、受付(当日券で)、中へ。ハの字型に長テーブルと椅子。壁にたくさんのチラシ、下手にあるのはd-倉庫のダンス公演かな、正面の時計は「故障中」。

    18:55前説(アナウンス、ちょっと洒落ている。かかっている音楽が大きいので少し聴き取りにくい)。

    19:07開演~21:18終演。

    冒頭、ダンスと自己紹介。こちらは初めて、関原吏紗さんからご紹介いただいたので観に来ました。男性は原ゆうやさんのみ。

    関原さん以外は初めての方ばかりですが、萩原深雪さんは白米少女「静電気と少女(2016/11@梟門)」の当日運営していらっしゃいました。

    「わかりはじめた」は途中で明らかになるものの(ライヴに行ったことあり)なぜこのようなタイトルになったのか、観劇後も??

    女子大が舞台ですが、なかなか尖がった人物設定、当パン2ページにわたって登場人物のキャラクター解説が親切。

    基本、コメディ路線。途中に芝居に関するミニ知識(江戸の三大改革、世阿弥・・・これが結構面白い)が披露され、後半は劇中劇が挿入されるのですが、ここはどういうわけか、やや違和感。いかにもな学生演劇としてもう少し短くし、全体として2時間を超えないようにした方がよかったと思います。

    かなりの運動量なのに役者さんたちは最後まで全速でした。

    ※図書館で「風姿花伝」を借りました。

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