SOETSU―韓くにの白き太陽― 公演情報 SOETSU―韓くにの白き太陽―」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    白い
    完璧な人ではなかったけれど、頑張った人ということが分かりました。

    ネタバレBOX

    今、ウィキペディアを見ています。軍国色の強い時代の沖縄で、沖縄の方言を擁護したことについて憲兵から始末書のようなものを書けと言われたシーから、その憲兵に最初に出会った京城のシーンへ移動して、その時併合から何年とか言っていましたが、回想シーンのようだったので、過去に遡ったり先ほどの時代の沖縄に戻ったりしながら展開するのかなと思いました。

    途中で関東大震災のシーンがありましたが、あれも最初は単なる火の海で、空襲の話かと思い、はてさて、いったいいつ頃の話なんだろうと思ってしまいました。

    結局はなんてことはない、沖縄のシーンを除き時系列に進んでいることが分かりました。1916年に初めて京城に行って、1919年に三・一独立運動、1923年には関東大震災があって、1924年に朝鮮総督府の協力のもと朝鮮民族美術館を設立。沖縄のシーンは1940年前後。今ようやく把握しました。

    朝鮮総督府の力を借りてでも朝鮮の民芸品を残すことが大事と考えるのも分かります。名もない民芸品といっても、同じ用途のものがあったら担当者好みのものを選んでしまいがちなこともあるでしょう。宗悦が一瞬自己否定したようで驚きました。民芸運動も難しいです。

    1940年頃は沖縄の人のことを軍部が猿呼ばわり、先日は大阪府警が土人呼ばわり、今も昔も大して変わっていないのが情けないですね。

    朝鮮と沖縄で同じ憲兵を登場させるところなどは、井上先生風だと思いました。
  • 満足度★★★★

    いかにも白樺派
    無邪気な理想主義者が生きるには過酷な時代だったなあ。
    官憲役がなかなか憎たらしくてブラボー。柳宗悦のダメ夫ぶりには大笑い。

    柳宗悦というとはるか昔の人のように感じるが、沖縄問題、韓国とのいろいろなど、彼が乗り越えようとして頑張った問題が今もなお解決されないまま残ってることを考えると、単なる懐古系のステージではなかったように思います。

  • 満足度★★★

    もう少し起伏に富んでいれば
    日本民藝館は、気に入っていて、何度か訪れている場所。

    いつも、柳宗悦という人はどういう人かと気になっていたところ、あの長田さんが、その宗悦を描かれるというので、これは観ないとと、苦手な劇場ですが、行きました。

    手堅い演技の篠田さんと、相変わらずご活躍の日色さんの共演は、嬉しかったのですが、やはり、評伝劇の難しさ…。

    どうしても、流れが、年表的になり、少し冗長になったのではと、思いました。

    もう少し、登場人物も整理して、起伏に富んだ構成なら良かったのではと、感じました。

    それに、いつも思うのですが、民芸の舞台って、どうにも、緊迫感が欠けている気がしてなりません。

    ネタバレBOX

    できれば、日本での民藝運動にまで、話を広げてほしかった。

    柳宗悦の、朝鮮白磁に魅了された経緯はよくわかりましたが、やや諄さを感じました。

    朝鮮と日本の歴史に照準を合わせるでもなく、柳の家庭事情の冗長な描き方には、少し、飽き飽きする部分もありました。

    妹の出産時の臨終場面など、不必要ではなかったかなと思います。

    声楽家である妻とのエピソードも、笑いを取る要素ではあるものの、他の場面での柳の描き方と、微妙な違和感もあり、まだ、全体的に、ブラッシュアップが必要な作品だと感じました。

    活動家の二人が、爆弾を仕込み、それを、防ごうとして、警官にみつかり、旅館の女将が、身代りに、名乗り出て、二人を逃がす場面は、本来なら、緊迫感のある筈が、あまりにも、キャストの動きがもたついて、どうにも、爆弾に、現実味が感じられませんでした。

    キャストが、如何にも芝居だという演技をすれば、せっかくの脚本も、全てが色褪せて感じられて、残念無念でした。

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