ゲシュタルト家の崩壊 公演情報 ゲシュタルト家の崩壊」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    面白い!
    極上のサスペンス・ミステリーという印象である。説明にある「難しいことはおきません。ある家族の崩壊を覗くだけ」とあるが、その観せ方が秀逸である。
    少しネタバレになるかもしれないが、文章(脚本)倒置法を利用したような展開で、終盤までその謎を引っ張る力は見事であった。
    公演全体に不気味な雰囲気が漂い、謎の展開と相まって緊密感が…。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    基本的に室内と屋外(路上)という場面構成である。舞台上は室内という設定で、上手側にテーブルと椅子、下手側にソファーとローテーブルが置かれている。屋外は、客席中央通路を路上に見立て、何度か客席後方から登場する。この小空間を最大限に利用し物語の情景・状況を立体化しているようだ。この部屋は高層階にあり、その遠望は素晴らしいと...同じ窓から見える景色が東京タワーであり、スカイツリーでもある。その辻褄が合わない台詞など、ちょっとした状況や言葉に謎が隠されているようで、それを見逃すまいと物語に集中する。

    さて、物語は倒置したような展開で始まる。
    冒頭、消えた妻を探して雨の夜道をさまよい歩き、 家族を構成する部分が遊離した男(職業・作家)の顛末...実は若かりし頃に遡って話が始まるのだが、今の境遇を強く印象付ける。本公演の場合は、その謎を序盤で展開させ、どうしてそうなって行くのかという過程を順々に観せる。そうすることで、サスペンス・ミステリーの世界に容易に引き込むことが出来る。実に巧みな構成であった。

    有名作家の娘と結婚した男、自分は文才があると信じ原稿を書くが締め切りに間に合いそうにない。そのため妻が代わって執筆してしまい、その小説が話題になり賞まで受賞した。以降、男の代わりに妻が執筆する。この妻の父に結婚を申し込んだ際、将来作家になると言っていたが...。父の才能を受け継いでいた妻への嫉妬、自分への嫌悪のような感情の沸々。

    義理姉やその夫から消息の手掛かりになる写真(アルバム)を入手。さらに興信所へ妻の捜索を依頼する。その際も(正面)写真の提供を依頼される。本当の妻の顔とは...正面からの写真がない=妻と向き合っていたのか、という暗示のようでもある。消息場面に風俗勤務なども挿入し意味深さを増す。
    これらの謎を妻本人が、夫のゴーストライターであることを新人ルポライターに暴露する形で解き明かす。この1人称語りという手法がシンプルかつ説得力があり観応え十分であった。

    緊密感の中に小さな笑いも織り込む。例えば、妻の顔写真を卒業アルバムから、それも集合写真から探すなど有り得ないだろう。しかもそのページを客席に見せる。緊密さに適度な弛緩の挿入バランスも巧い。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    ひざがふるえるラビリンス
    何気なく眺める高層住宅の無機質な窓の連なりも、凝視してみるとその中にあるはずの"つながり"と"おさまり"が目に浮かぶ。 カチッと一目盛り回してみてもそれまでならビクともしなかったビルヂングのイメージがずれて、歪み、崩れ落ちる・・・ そんな危うさが脳に刻まれた。「動的」である万事の根元に触れたような・・・などと立ち止まっていられずあいまいに放り出す"高次"なわたし・・・

  • 満足度★★★★

    楽しめました
    劇団初見。ちょっとサイコパスでミステリーな家族ドラマなんでしょうか。なかなかにユニークな手法で、よくわかんないところも多々ありますが、それでもかなりおもしろくて、飽きずに楽しめました。

  • 満足度★★★★

    描き方が特殊でしたかなぁ・・・と
    自分的には面白いとは感じたが・・・
    これは結構バラバラな評価になるんでは?と思わされた
    約100分の作品

    ネタバレBOX

    まっ結末はオープンエンドで
    観客の御想像にお任せしますって感じなんですが

    そこまでに至る情報が多くて複雑矛盾で
    一筋縄ではいかない話と受け取りました

    自称主人公の作家が語る筋道が
    いろいろと交錯して真実が暴露されるかな~って
    思ったら巻き返し情報があって
    覆されて~と
    ホントのことはわからないって煙に巻く話でしたかなぁ

    ただ8階のリビングが外から見えるという設定が
    うまく観客に浸透はできてなかったかなぁと思えたデス

    主人公が本当と思っていても
    実は精神錯乱してて真実が見えてないことは示唆してて
    事実は不明でした・・・

    思ったほど評価はバラつかなかったですね~(^^)

    作家の男性主人公が妻失踪して・・・と
    思ったら
    自分が妻とは思えない=認識できないのは自分のみ
    他の人は認識してたり・・という女性が家にいて・・・
    実は作家は才能無くて
    女房がゴーストラーターしてて世間に言えず・・
    娘がいて・・・いたのか??
    ・・どこまで本当?って お話です
  • 満足度★★★

    観てきた!
    観れば観るほど深みにはまって抜け出せなくなるような不思議な作品でした。
    何が真実なのか徐々に頭が混乱してきます。
    分かったような分からないような。そんなつかみ所の無いような感じが逆に楽しかったです。
    全体的にミステリアスな雰囲気が漂う作品で、好みの作風でした。

    上演時間は約1時間45分。

    ネタバレBOX

    作品からはゲシュタルト崩壊というよりは、メビウスの輪や二重螺旋のような印象を受けました。
    ラストがひっくり返って繋がったときは「おおー」と純粋に驚いてしまった。

    「7:4で」のくだりがものすごくツボです。

    義理の兄弟で「山田さん」「鈴木さん」で呼びあうことに凄い違和感があったのですが、
    「山田」「鈴木」を記号化するためにあえて、ということなのかな。
  • 満足度★★★★★

    ミステリー
    心理的なミステリー、楽しませていただきました! 主人公の気持ちが切ないなぁ……と。珠玉の作品ですね。

  • 満足度★★★★

    これは面白い!!
    “ゲシュタルト崩壊”ですか~、フムフムなるほどね。
    というわけにはいかないでしょうが、面白い作品です!

    どこが面白いのかって言われても、「観てください」としか言えません。
    万人に受けるかはわかりませんが・・・。

    観ている「私」が“ゲシュタルト崩壊”しました(笑)。。。

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