〻のメルヘン 公演情報 〻のメルヘン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
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  • 満足度★★★

    鑑賞日2016/10/08 (土)

    『〻のメルヘン』は『おどりじのメルヘン』と読むのだそうだ。踊り字というのは、日本語の文章でつかわれる記述記号の一群で、々、ヽ、ゝなど、繰り返しや重ねることを示すもの、らしい。繰り返すこと、重ねること。確かにそれが物語の重要なモチーフとなっている。

    白一色の舞台美術に囲まれた、昔読んだミステリーのような物語は、予想を裏切るラストシーンへ向かう。様々な仕掛けと奇妙な味を堪能する約90分。

  • 満足度★★★★

    久々の本公演
    久々の本公演でしたが、今まで見た中で一番好きな気がする。
    踊り字だけでは読むこともできないし、意味もない。
    ただ繰り返すだけにある存在。

  • 満足度★★★★

    寂しいメルヘン
    ファンタジーを想像して初観劇だったのですが
    奇妙な一家と、幻のように消えた主人公の青年と怪しい女主人
    大森さんの60歳でも若さを保っている女主人はピッタリですね
    存在も流石と言える存在感と演技でした。
    少々、大声の演技は気になりましたが、
    色々、観客に委ねる空欄の部分があって、色々考えが楽しめます。
    小崎さんの出演控え目な所も好感が持てます。
    作家さんの前説も、頑張ってていい人感が全開でした。

  • 満足度★★★★

    WHITE ROOM
    タイトルから僕が勝手に想像していた舞台とは少し違ったけれど、
    チケットの写真の意味が分かった気がします。
    なるほどそうきたか、という感じで。

    たぶん答えは一つのはずだけど、容易にたどり着かせてくれない。
    そこが狙いの演出であれば、この見せ方はかなりきわどいテクニック。
    そんな観劇後の余白がかなり多くあったと思います。

    ただ、時間軸が過去と未来が織り交ざった舞台でもあるので、
    そこにたどり着くためのエッセンスや表現が、
    あと数滴あってもよかったかもしれないな、って思いました。
    (分かりやすさが全てではないですが、、)

    僕が想像していた年月よりも、実はもっと長い年月の世界を描いた
    作品だったのかもしれないな、と。

    ネタバレBOX


    冒頭、日記を開くところに降り注ぐ光、そのスタート具合と、
    ラスト、左側のお店でケーキを食べるシーンと、右側で一家の時間が止まるところなど、
    美しく魅せていたと思います。

    普段は従順な仮面を被っている襟那が母に本音で向かっていくシーン、
    記憶喪失、または多重人格的な状態の母であるとしても、
    この時だけはちゃんとわかってて、でもそれをかわす、
    本気でぶつかっても通じない心。
    襟那の悔しさの表現に見入ってました。


    以下、長いですが、僕の推理とかもろもろを・・・

    最初の夫とその愛人が死んだのは、今回の作品世界のどのくらい前か?

    襟那の幼少時の記憶から遡ると死から20年くらい過ぎてる訳で、
    で、その殺害を自供した管財人は、ずっと捕まらずに今にきた訳で、
    (であれば時効が成立してるのでは?というところ)

    遊馬が飾屋家にやってきたのは、夫と愛人の死から何年後なのか?


    最高に楽しかった1年間の再現を、これまで何年繰り返してきたのか?
    (今回が初めて?それとも、これまでも&この先も続ける)
    前者のような気がするけれど、僕は後者に思えていました。

    その役目を背負うことになった野間、
    菜々子と恋に落ちてから、菜々子が病に倒れ、
    彼女を助けるために他人になりきる仕事を選択するまでには、
    相応の時間が必要だなと思うのだけれど、
    遊馬役の人を他にも何人もキープしてるのか?とか思えてきたり。

    母以外の登場人物は、最初は週刊誌系の記者に追いかけ回されてる人たちな印象だったけれど、
    後半につれて、その聞き手はたぶん菜々子だと観客は気づかされるわけで、
    じゃ菜々子はなんでそれを当事者に聞きまわっていたのか?
    その理由がうまく導き出せない。
    (思い出させることでの父への復讐か。特に襟那には効果的な印象も)

    聞きまわっていたのは、ラストシーンの、ケーキ代という名目の報酬を受け取ったあとの時間軸?

    この時間が入ったりきたりの部分の混乱も、また狙いだと思いますが、
    登場人物の服装の工夫で解決したのかもしれない。
    (管財人なら、スーツの上着を脱いでネクタイを外すとか)
    でもあえてここをしないというなら、僕の推理も外れる訳で。

    僕の中では、
    菜々子は実は病気でもなんでもない。
    2番目の夫との日々のRetraceをするために、
    菜々子はエージェントとして毎年報酬を受け取っていて、
    菜々子とは管財人と共に遊馬になる人を探している。
    (でもこれだと聞き手が菜々子である、というところには結びつかないから違うかも。いや、聞き手は菜々子1人とは限らないかも、、)

    最初の夫とその愛人の間には、子供は2人いて、
    1人が使用人、もう1人が菜々子。
    使用人は潜入しているスパイ的な感じで、姉妹でグルになってる。

    実際に菜々子が病気だったとしたら、
    利害関係の一致で仕事を引き受けただけなのか。。

    ただ、付き合ってた恋人を利用したにはあまりにも非情すぎる。
    となると、やっぱりあれは病気ではなかったのではないか、という想像にも膨らみ。。

    まとまらなくなっちゃった。
    でも観劇後にこうやってあれこれ考えるって滅多にないから、
    新鮮なことをされているんだなぁと感じました。

    そんな意味で、舞台セットの白=実験室、的な要素もあったのかな、と。
  • 満足度★★★

    ピースが揃わないジグソーパズル
    ある程度観客の想像に委ねられるところがあるので、
    観客ごとに見えている世界に多少の違いがありそう。
    1000ピースのうち100~200ピース程度欠けたジグソーパズルみたいな。

    当然のことながら、「ドロッとしているなあ」というのがまず。

    今回は色に重きを置いているのかなと思うところあり。
    色を統一するのはさぞかし手間だったろうと。

    大森、武本両氏の声が聞かせる感じでよし。

    徹底してフィクションなんだけど、その奥底に見えるものは
    おそらくフィクションではない、そんなところ。

    見ているうちに、角畑、小崎両氏の術中に嵌っているなというのは感じるが、
    作品を見ていくごとに「してやられた感」的なものが薄れていくようにも。
    (作風として力技で押しきれないので致し方ないかもしれないが)

    ネタバレBOX

    「執着」が今回のテーマというところなんだろうか。

    ここは「ハッピーエンドや純愛はあり得ない」という経験則があるので、
    当日パンフレットを見て(見ないと主宰に怒られるw)、傾向を分析。
    「故人とあるけど(葎子に)殺されたりしてまともな死に方してなさそう」とか、
    「菜々子って不倫相手の娘なんじゃないか?」とか、
    「整形してそうだし、どことなく復讐チックなものがあるのかな」とか。

    終盤の野間と菜々子のシーン。
    整形しているはずの恋人に何ら驚かないのは、
    やはりカラクリがあるんだなと思わせる。
    (整形後に何らかの形で会っているようにも思えないし、
    整形していることを予め知っていたように感じられた)
    復讐の手駒として使っているのかな?くらいには思っていたので、
    九段サイド(というか葎子サイドというべきか)べったりなのにはやや驚いた。
    まあ、最後の葎子と菜々子のシーンでそう単純でもないようにも見えたが。

    各登場人物に話を聞いて回っているのが、菜々子だと思わせるような
    台詞が多いので、すっかりそのつもりでいたんだけど、誰なのかは分からないままなんだろうな。

    それと、何らかの形で「絵本」が出てくるのはもはやルーティンなんだろうか。エバーランドしかり、櫻の餌しかり。他の過去作品にもあったような気はする。

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