the Answer 公演情報 the Answer」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    予想以上の面白さ

    17日夜、新宿シアター・ミラクルで上演された明日は純情2nd WORK公演『the Answer』を観に行った。これは、いくつかの舞台をハシゴした結果、舞台を観、ネットで繋がった役者・嶋谷佳恵の出演作だからである。ちなみに、終演後、嶋谷と挨拶を交わしリアルなつながりを持つことができた。

    この舞台は、『the Code』という作品の続編に当たる。
    科学者である父が娘に残した思いを保持する量子コンピューターのある場所にたどり着いた娘の西森明星。その量子コンピューターを狙うハッカー。そしてコンピューターの存在隠匿と管理を狙う警視庁公安部と内閣府調査室の暗躍。コンピューターを守りたい西森博士の同僚をはじめとする科学者たち。
    結局は明星しかなしえないコンピューターの初期化を行うことで、量子コンピューターの存在を巡る様々な陰謀・暗躍は無と化すのだった。

    が、である。父親がこのコンピューターに残した娘への思い(メッセージ)も同時に無となった。その重要性に、脚本はほとんど触れていないのがどうも不本意でならない。
    舞台での、各役者の演技な熱が入っていて好印象。シアター・ミラクルという場所柄、大道具には期待していなかったが、質素ながら最小限の大道具の活用という点では及第点を与えられそう。
    科学に興味の無い人にとっては、舞台上で交わされる専門用語に悩んだかもしれない。

    役者関係では、西森明星役の宮ちあきの顔が大きいのと(苦笑)、嶋谷佳恵扮する麻生早苗という役名が、知る人ぞしる有名AV女優と同姓同名だったのが印象的だった。同時に、演技上での表情が良かった。また、明星の母親役の滝澤千恵と竹内役の三好康司が渋い演技を見せていた。
    登場人物的には、この程度の人数が観る側としては観やすいのではないだろうか。
    それにしても、予想外の良い舞台だと思う。

  • 満足度★★★★

    面白かったです
    謎めいた雰囲気の中、黒幕は誰なのか?と気になり、どんどん惹き込まれました。ただ、国家レベルの情報を扱っている研究所としては、セキュリティーが低い感じがしました。どんな素晴らしい研究でも、使い方によっては悪にもなり得るという怖さも感じました。役者さん達の一生懸命さ、そして、研究に愛を感じるラストが良かったです!

  • 満足度★★★★

    前作に続いて...面白い!
    本作と少し事情が違うが、映画「イミテーション・ゲーム」を想起した。それは第二次世界大戦時、ケンブリッジ大学の特別研究員が英国政府の機密作戦に参加し、ドイツの誇る世界最強の暗号機に挑む、というもの。
    日本で軍事上の「特定秘密」を、と言われて歴史的な事例を即座に想い出せる人はそう多くいないであろう。
    この公演は、暗号解読など科学的専門用語が多く使用され、その理解に拘っていると物語について行けない。公演全体を包んでいる緊迫感・緊張感に身を委ね、物語(筋)を楽しむことにした。

    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    父の遺した研究成果...量子コンピュータを利用して成そうとしていた謎を解くこと、娘としての使命感のようなもの。一方、その解読によって迫り来る危険な香りがする。この不穏な空気・雰囲気は、舞台を暗幕で囲い薄暗い中で物語が展開していく。そして時折怪しげに照射する照明効果が印象的である。

    この量子コンピューターを巡り、父・娘の思い、研究成果の隠匿、それに国家的な思惑・陰謀が絡み合い、物語が輻輳していく。まず、量子コンピューターの利用価値が台詞で説明されるが、その現実が想像し難い。そして国家機関として絡む内閣府調査室、警察機構(公安)が漠としている。そして早口で喋る専門用語など...。その分かり難いシーンを補うかのように、娘と母(父と同じ研究者)が喫茶店で回想するシーンがホッとする。この安心するシーンが現在で、多くを占める不穏なシーンは回想。この過去・現在を交錯させながら物語は徐々に真相へ近づき、ラストでは父、そして母の娘への切ない思いが胸を打つ。

    さて、物語の展開は過去・現在の交錯、そして時(もしくは解き)を繋ぐ研究成果の目的は、極めて個人的なようだ。母の不妊...その治療のような遺伝子操作を以って子供を授かる。そして生まれたのが自分であると...。科学的な用語、そこには機械的な響きしかないが、喫茶店での母・娘の会話は人間的な観せ方、という対比が面白い。

    個人的な思いと絶対に秘密にしなければならなかった理由も分かる。科学進歩とそれによってもたらされる繁栄、その一方で人類の不幸も垣間見えてくる。そして娘が決断したこととは...。量子コンピュータの初期化、それによって恣意的な国家戦略(そこに「特定秘密」のような)の恐ろしさが存在するように思えた。研究の中心にいた人間(父)やその共同開発に携わった人たちに及ぶ理不尽な悲劇があるような。
    在りそうなリアリティと創作芝居としての面白さが十分感じられる公演であった。

    次回公演を楽しみにしております。

  • 満足度★★★★


    情報という神。

    ネタバレBOX

     天才科学者が、遂に量子コンピュータ-を作成した。無論、研究は秘密裡に為されていたが、メンバーの一人が己の功名心から外部の人間に秘密を漏らしてしまった。これが一連の「騒動」の発端である。
    科学はあくまで客観性で動かなくてはならぬ
     この原則が貫徹されていたなら、今作は自分好みの傑作。当然★5つだったのだが。科学者の研究の動機を好奇心ではなく、念に置いたこと、その為客観性ではなくセンチメンタリズムが重大要素として入り込んでしまったことが、自分が4つ★にした原因である。
     誤解の無いように言っておくが自民党のアホやそのアホな支持者如きが抜かす根拠のないプロパガンダではない。観察を積み重ね、ある条件下では必ずこうなるという実証を伴った絶対である。謂わば必然としての絶対でもあるのだ。このレベルで人情の関与する余地は無い。人情にエネルギーとしてのエントロピーが物理的力としてあるなら、それはキチンと測定して要素に加える必要はあるが。幽霊に関する見解と等しくそれは現在、この地域では科学の対象ではない。無論、作者には、この程度のことは分かっていよう。一般の人々に分かり易くする為に念というコンセプトを用いたのだろうが、センチにならないような工夫をするかパスワードを類推する為の異なる方法が欲しい。
     何れにせよ、内調と公安との面子争いだの縦割り行政の実態が随所に出て笑わせてくれるし、本当に量子コンピューターを独占開発することができれば、その技術が世界で唯一である間だけは、戦争の物理的な破壊をせずに世界を牛耳ることができよう。あらゆる情報を最も早く入手し、敵対勢力がコンピューターを用いてする演算や予測を凌駕して、SLBMなども発射した敵に命中するようプログラムを書き換えることも可能であろうから。無論、こんな力が一般に知られることになれば、人の自由との兼ね合いで反対する勢力は生まれてこよう。然しながら総ての武器を無力化し得るこの方法は、最も平和的に世界を統一する方法たり得ることも事実であろう。当然、量子コンピューター開発競争やスパイ合戦は熾烈を極めようし、量子コンピューター以外のコンピューターによるハッキング研究も盛んになろう。だが、その総てを正確に予測し対応できるとしたら、最早無敵ではないか? そして愚か極まる人間の欲望をコントロールする必要悪としてこの能力が活かされるとすれば、人は最早量子コンピューターに支配される一生物として生きる他なくなるのかも知れない。


  • 満足度★★★★

    観てきた!
    暗号、量子コンピュータ、ハッキング、アルゴリズム、etc...
    とても興味を引かれる題材で、またそれらの要素がしっかりと作品に絡んでいたので最初から最後まで飽きずに観られました。
    前作『the Code』を未見なのが残念でなりません。

    時間軸や場所がころころ変るので、状況に付いていくのが大変ですが
    場面転換前のシーンをもう一度演じたり、工夫がされているようでした。

    真犯人、ラストのオチには納得できました。
    パスワードの単語、なぜ量子コンピュータを作ったかの真相が良いですね。

    ネタバレBOX

    量子コンピュータROSEの造形や演出が良かった。
    特に一瞬で復号化する場面が好きです。
    できればノートPCになんらかの画面が表示されていたら、より雰囲気がでてなお良かったかも。

    量子コンピュータをハックするプログラムを作成した内閣情報調査室って凄すぎませんかね(^_^;)

    無限ループウィルスをトリガーにして自分のバグを改修?
    50時間かかる処理が一瞬で終わった、のくだりが理解できなかった。
    文字コードがらみの既知のバグをそのまま放置していた理由も気になりました。

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