田中正造先生。
足尾鉱毒事件、田中正造。一発変換ではでてこない言葉、事件、人。公害の事実と国へ訴えた行動力も、現地の人々にはどう思われていたのか。
伝統、風俗、そういう空気は好き。また、隣人の秘密、真相。知らぬが仏。世の中知らないでおきたいことは結構多いのかもしれない。訛りは面白いけど、前半はもっと展開して欲しかったとも。コメント遅くなりました。
満足度★★★★
谷中村の夜は更けて
初見の劇団で若手らしい様子だが、谷中村とは・・。
芝居は「楽園」の狭い空間にフィットする、細かな伏線が役者のしぐさに手際よく放たれる、目立ての利いた芝居だった。田中正造の没後間もなく、立ち退きに応じざるを得なくなった村人が、離散の前夜、古くからの風習「庚申待ち」で夜を徹するその一夜の物語。「村」社会らしいどろどろした内輪騒ぎが終盤に加速して暴露合戦の様相だが、その背後には「鉱毒」があり、それゆえの差別があり貧困がある、その八方塞がりの様は「とどまるも地獄、出るも地獄」の、放射能毒におかされた福島の現状に重なった。
ただ、史実を扱った、テーマ性のある芝居をやるならもっと田中正造の実際の足跡にも言及され、「今」と地続きの「歴史」をそこに感じたかった。もっともそうなるとこの芝居の面白みは半減するのかも知れないが。
暗鬱な雰囲気、「楽園」の使い方もうまく、大柱も生かした演出を施していた。里芋の煮っ転がしが皿に一個ずつ割り当てられ、お茶で食す場面がよい。貧しさの中の祝祭感が活写されていた。
満足度★★★★
汚れた村!
約150年前には土地を守りたいというこのような人たちがいたのでしょう。
最後の膿を出すまで離れることができませんでした。
暗さ、寂しさ、悲しさを感じさせる始まりが最後まで頭に残り、芝居自体を支えていて良かった。
満足度★★★
観てきた
昨年の「君がみむねに」に続いて観劇。面白かった……とは思うんだけれど、なんか腑に落ちない。私にとって納得できない(辻褄が合っていない)と思うところがいくつかあったからかもしれないし、東京生まれの私にとって田舎の暮らしに実感がわかないからからもしれない。でも、一番は前作のような物語の大きなスケールを期待してしまった自分かも。
満足度★★★★
意外な展開に
鉱毒による廃村へのレクイエム的な話かと思いきや、ちょっと猟奇的でダークなミステリーサスペンスになるとは。淡々としながらも、心をざわつかせる重く熱い芝居でした。
満足度★★★★★
とても意味深な...見事!
明治時代の足尾鉱毒事件(1917年:谷中村が名実共に廃村)を背景にした物語であるが、その底流には現在から未来に向けての警鐘。時代背景・状況には明治期の経済発展の犠牲になった地域住民の姿、谷中村に伝わる因習やその人の心奥にあるドロドロとした情念のようなものを細密・繊細に表す。怖い印象であるが、そこに静謐さも感じてしまう。
(上演時間1時間40分)
満足度★★★★
人の怖さ
古い慣習と公害を軸に、廃村の旧家の最後の夜の物語。人のエゴと怖さを見せつけられた。夏に相応しく(笑)、寒々とした話でした。
時代によっては、平凡ながら地元で幸せに暮らせたであろう人達が、生活にも心にも余裕を無くしてしまい、道を間違えてしまう。いや、他にも方法がとか違う道がとか言えるのは当事者でないからか。
役者さんは、皆上手く、違う舞台でも観てみたいと思える方が多かったです。
満足度★★★★★
無題1905(16-195)
19:00の回(晴)。
18:10会場着、受付(整理券)、18:30開場(相変わらず右へ)。
薄暗い舞台、灯りが赤くチラチラ、何本もの柱に囲まれ閉塞感、赤い床面、客席奥に横森さん。18:57前説(アナウンス)、19:04開演~20:38終演。
雪乃さんは初めて観たときから6年経っている。大きくなったし善い(良い)声を持っていると思います。
伝奇、言い伝え、因習、捧げもの、社会(歴史)の中の鎖、盲信すべきもの、集団と個人。
なかなか歯ごたえ、ずっしり感ある作品でした。
「生贄」wikiってみると神話の時代から今に至るまで出てくる。
だいぶ前に観た「Apocalypto(2007年 メル・ギブソン監督)」がイメージされる。※「裸のジャングル」もTVで観たことがあります。
満足度★★★
何故今、谷中村か
社会派とは言っていないが、社会的な話題を取り上げることが多い同劇団だが、本作は足尾鉱毒事件の谷中村を舞台に、最後まで残った家族の一夜の物語を舞台化した。おどろおどろしい展開の中、秘密が少しずつ露になってくる状況は面白いし、楽園という小空間でスケールある展開をしているのは巧い。ただ、なぜ今、谷中村を扱うのか、疑問は残る。
満足度★★★★
社会派
近代化に取り残された寒村と言い、庚申待という儀式と言い、いかにも妖怪や化け物が似合いそうな設定で始まるのだが、状況が分かるにつれて社会派劇の色が濃くなる。人間社会の利害が生み出す軋みが悲惨な結末を招く過程が恐ろしい。現代の似た状況と重ね合わせると背筋が凍りつく。意図的ではないだろうが、やや強めの冷房も効果的だった。
満足度★★★★
濃密
濃いというか、重いというか。まるで鉛を背負ったようなズッシリ感にあふれた1時間34分。とても見ごたえのある作品。古い時代の、村社会の封建的な生活風習がリアルに描かれている。フライヤーを見ると作者も出演しているはずだが、名前はよく目にするがまったく面識がない(当日パンフレットは後で読む)ので、どの人だかわからなかった。4ヶ所ほど台詞を噛んでいたのが、惜しい。
満足度★★★★
独特な怖さ
鉱毒被害、そして閉鎖的な人間関係で、身体的にも精神的にも破壊(?)していく姿が、すごく怖かったです。何とも言えない独特の怖さでした。重く暗い内容でしたが、役者さん達の熱演で、目が離せませんでした。原発を彷彿させられる舞台で、考えさせられる気がしました。何と言ったらいいのか分かりませんが、すごかったです。
満足度★★★
重い話だ!
庚申待の夜、あまりにも厳しい。鉱毒被害と強制破壊ですでに廃村に等しい谷中村。何か、原発の福島の悲惨さとつながる。演劇の1つの表現形態。まだ初心者の私には、重すぎる話であった。
満足度★★★★
こけら落とし観劇です
えぐいなぁと・・・心に楔を打ち込まれて
ずーっと記憶に残るであろうダークな世界観でした・・・
1時間35分が2時間以上に感じられた濃厚な作品でありました
明るい話を望む方は
ご覧にならない方が・・と忠告!