埒もなく汚れなく 公演情報 埒もなく汚れなく」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-13件 / 13件中
  • 亡くなった劇作家・大竹野正典さんの人生を描く瀬戸山美咲さんの新作。約2時間10分。事実が基のフィクションで、演劇活動と会社勤めの両立生活がリアル。身勝手な夫と依存する妻のバトルが苛烈で面白い。本格的な登山にハマるのに納得。山登りは美しい。
    アングラ風の演出で(ネタバレ)役が登場して爆笑。大竹野役の西尾友樹さんの演技がとにかく素晴らしい。感覚、思考、行動がはっきりクッキリしてる。緻密だがその計算は見せない。

  • 満足度★★★★

    大竹野正典
    とても愛おしい男。
    だから周囲の人間が助けてくれる。

    主役を演じた俳優はさすが今人気のチョコレートケーキなだけあって見事だった。
    演劇をやる理由って、愛でしかないような気がする。

  • 満足度★★★★

    大竹野正典シリーズ。今回は評伝
    瀬戸山戯曲、どこまで肉薄できるか・・・大竹野戯曲じたいの上演とは意趣が異なる、にも関わらず観てしまう(自嘲)『密会』以来の愛好者振りだが、さて「変わり者」「孤独を好む人」だのに周りにはいつも大勢の人が集まったという彼の人となりが少しばかり知れた、というより、彼をモデルにした一つのフィクションを見た感触だった。パンフにも「これはフィクションであり・・」との但し書きがあり、その意味、背景を様々憶測させられる。本作は作家とその連れ合いとなる女の関係が中心に据えられ、海難事故の時点と生前の場面を行き来しながら、大竹野の異色作かつ代表作とも言われる『山の声』に潜む作家のメッセージを汲み取り、二人の関係に重ね合わせて行く部分は、作者瀬戸山氏の功労と言えるのではないか。
     ただし不満もあった。大竹野という人物が生きた時間にどう振舞ったか、から更に一歩踏み込み、彼が「人間世界」をどう見たか、つまり彼は日本という社会の戦後の時代をどう見て、どう反応し、彼らしい足跡を残したのか・・・を見たかった思いが強い。その事によって故人の存在がある意味をもって、遺された者を力づけるものとして深く刻まれるような気がした。無いものねだりの感はあるが・・・

  • 満足度★★★★★

    さすが。
    今日は久しぶりに、ざわざわした気持ちとすーっとする気持ちを味わいました。出演者の皆さん、全員がキラキラ見えました。私が楽しいと思うことを、たくさんしようと思います。

  • 満足度★★★★★

    また観たい、他も観たい
    大竹野さん関係者の取材に基き
    描かれていますが、大竹野さんが仕事をしながら主筆されたように、社会人と舞台人、
    夫婦であり男女個人、作り手と演者、実際と脚本など どこか線が引けない多方向の視点や重なる部分が多くあり深さがありました。
    私自身も両極端な考えを抱き 解決出来ずにいたり、クレバスに落ちたようなところがあります。
    人間に向き合い、相手の立場に立てる人は、ぶつかる部分だと思います。

    アフタートークではプロデューサーの綿貫さんの熱意を感じ、繰り返し公演を続けて欲しくなりました。「山の声」も是非観たいです。
    作品も熱演にも感動しました。

  • 満足度★★★★★

    大竹野さんの戯曲が読みたくなりました。
    オフィスコットーネの芝居は今回で7本目。昔、山をやっていた事もあり、新田次郎の小説を読みあさり「孤高の人」は好きな作品でした。「山の声」を拝見した時、胸がつまり何とも言えない感動を覚えました。山は何人かで登っていても、自分が一歩足を踏み出さなければ前に進みません。当然ですが…。(笑)自分との戦い。孤独です。孤独ですが…頂上に達した時、喜びを分かち合う仲間がいると言う事はこの上ない喜びです。「埒もなく汚れもなく」正しく!大竹野さんの気持ち、奥さまの気持ち、理解できます。人間大竹野さんにとても魅力を感じました。テンポがあり、笑えて、泣けて、考えさせられました。このプロダクションに出会えた事に感謝。

  • 満足度★★★★★

    2作しか見ていないが
    遺作となった「山の声」は2年前にコットーネ版で観劇済み。
    2年前「山の声」
    http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=253155#divulge
    金銭的な苦労はあったとはいえ、仕事と創作を同時に出来たのは大竹野さんの人徳ゆえのことなのだろう。
    ただ「山の声」を全面的に出ていたので、その舞台を未見だと大竹野戯曲の雰囲気はやや掴めにくかったのでは、とも思った。
    劇のためならちょっとだけ女房も泣かす浪花の夫婦の物語。

    舞台自体は会話が主だったが、西尾さん演じる大竹野さんと、その妻 小寿枝さんの占部さんの大竹野夫婦、どちらもお上手なので話の展開に引き込まれた。柿丸さんのパラレルワールド的な役柄は幅広い意味で「柿丸プロ」という称号を与えたい。シリアス場面で一人で笑いの展開に持っていくのは流石でしたw。

    難点を挙げるとすれば、冒頭からフルスロットルで関西弁セリフを発するので前方席だと少しやかましく聞こえ、また、宴会場の椅子みたいな座席に2時間以上座っているのも結構辛かった。
    約130分。

    ネタバレBOX

    70年代の学生時代から6〜7年前のつい最近までが時代背景なので、彼らの活動歴と自分の観劇歴をつらつら考えたりして。お若い時にご結婚されたんだな、とびっくり。ま、いろんな考えと人生があるわな。

    終盤の場面は「山の声」の劇中劇が一体化されたような大竹野さんの走馬燈を見ているようだった。
    妻から時に出る叱咤は彼を理解した上での応援であり、表面的には出さないけど愛情表現でもあったんだろう。喪失した時間の中で自問自答する妻の姿は誰でも同じようなことを思うのでは。あの姿は彼女だけの特別な姿ではない。最後、その儚さに泣けた。

    酒とタバコとパチンコと山、大竹野さんご自身の公演では舞台の終盤に歌謡曲だったか、陽気めな曲を流して幕を下ろしていたと記憶していたが、大竹野さんは主にどんな曲がお好みだったんだろうか。なんとなく70年代の邦楽がお好きなような気もするがその辺、少しだけ知りたかった気も。
  • 満足度★★★★★

    とても楽しめる作品!だが...
    小劇場でのチョコレートケーキの熱気が戻ってきた!といいたくなるような作品でした。大竹野正典の作品をあまり知らないと、面白さが半減かも?特に『山の声』を観たこと無い人は退屈とか思われるかもしれません。というか、隣の女性がちょっとぼんやり観ていたんで...そんなことを考えました。6/8に本人によるDVDの上演回があるみたい(無料!)。是非そちらを先に観られた方が一段楽しめます、きっと!アワードに考えたいレベルでした。おススメです!(そして、ぜひ関西地区でも上演されることを願いたいです)

  • 満足度★★★★

    芝居って本当に埒がないもの?
    様々な組み合わせの二人が交わす会話に、つい引き込まれてしまいました。
    わかる、わかるって感じですね。

    西尾友樹さんが作り出すリアルがさらにリアルで魅せられました。次作「彼の敵」も楽しみです。占部房子さんの清廉な演技・声が心地かった。

    役者皆さんのパワーのシャワーを浴びました。明日への活力をいただきました。

    ネタバレBOX

    ぴあが創刊され、石井聰亙の高校大パニックに大森一樹が続き、小劇団、自主上映が市民権を得た時代、清水邦夫、別役実、寺山修二、唐十郎。滅茶苦茶というか不条理というか、アングラが格好良かった時代。

    あの時代が基点なんて、なんか嬉しい!

    西尾友樹さんの表情と雰囲気、そしてセリフは見ものです。お母さんに叱られる、首を絞められた後のような顔が、特に印象的でした。実際に絞められてから舞台に上がってるんじゃないですよね。
  • 満足度★★★★

    「山の声」DVD上映会は予約不要?
    故・大竹野正典さんの作品は観たこともなかったし、実はお名前も存じておりませんでした。不器用ながら、地(斜面)に足をつけて創作していた市井の男の生涯。予期せぬことに足元をすくわれるのも人生か…。

  • 満足度★★★★★

    謎が謎呼ぶような
    素敵なセリフをたくさんいただきました。そのたびに心の中で「あー」と溜息が。芝居って?夫婦って?友達って?家族って?色々な関係性が彼を作り上げる基礎には違いないな、、、

    ネタバレBOX

    赤い女(=?綿貫凛さん)を登場させた辺りツボです。
  • 満足度★★★★

    駆け抜けるように・・・。
    48歳で不慮の事故でこの世を去った劇作家で、演出家の大竹野正典氏は、生涯演劇人と会社員の2足のわらじを履き続けた。その彼を支え続けた奥さんとの生活から、彼の早すぎた人生を見せてもらった。
    二人の物語だったような気がします。
    大竹野氏を演じた西尾さんと奥さんを演じた占部さんの息がピッタリな大熱演は見事でした。山あり谷ありだったけど、お互いがあってこその演劇人生だったような気がしました。
    演劇が生まれる過程の苦しみも見れて、そこも面白かったです。
    この埒もない演劇がなかったら、私の生活もなんて面白くないんだろうと思います。

  • 満足度★★★★★

    キミに見せたい!
    '書きたい'泉が噴き出すほどに怖いと感じる優しさが独りに追い込む。苦しく険しい道程も決してひとりじゃないと語りかける'山の声'。ともに眺める夕景の実に美しくカッコいいことよ。遥かなる呼び声とともに贅沢に駆け抜けた。

このページのQRコードです。

拡大