朗読劇 私の頭の中の消しゴム 8th letter 公演情報 朗読劇 私の頭の中の消しゴム 8th letter」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    何回観ても泣いてしまいます
    竜星涼×真野恵里菜

    ちょうど1年ぶり4回目の観劇にして、同じところで泣きました。泣かせようとしている事はわかっているのに、何回観ても泣いてしまいます。

    真野恵里菜さんに薫役はまだ早いんじゃないかと思っていましたが、知らないうちに繊細な演技を身につけていて、彼女なりの薫もまた良いものでした。

  • 満足度★★★★★

    すごい「体感」をした
    相葉裕樹×日笠陽子回観劇。
    10年来の売れっ子声優日笠さんの朗読芝居が観たくて(聴きたくて)の
    観劇でしたが、これまた2人ともすごかったです。

    「演技上手」な上にしょっぱなからめちゃくちゃ情熱的に演じる日笠さんに対して、
    他者の男役と違い最初テンション抑えめ粗野さも控えめな相葉さん
    (悪く言うと台本を「読み」に入ってしまってる?、
    「台詞」を置きにいってしまっているのかな?と感じられた)、

    日笠さんのカオルと色々な意味で対照的な演技でした
    (元々本物語の最初は水と油な2人なのを表していた?)。


    それが物語の起伏(出会い~色々あって~結婚~アルツハイマー~別れ~結末)の
    流れと共に、日笠さんは更に情熱的な演技を振り絞り、

    相葉さんは段々と気持ちが移り変わっていく、
    人間は一人だ、俺は誰も信じない、とかたくなだった気持ちがほぐれていき、
    カオルを愛するコウスケになっていくさまがとても良く描かれていました。


    カオルのアルツハイマー症状が悪化していく中、
    それを愛し続けようとしながらも苦しみ助けを求めるコウスケ、
    この2人のありようが観劇しているこちらにも実体験
    (アルツハイマー症の家族を持った人)のように
    ヒシヒシと伝わってきて
    「どうしようもない苦しみ」を感じ、
    神様を恨んですらしまいました(´;ω;`)


    本組み合わせに限らず、
    本劇の良さはそれぞれの演者の組み合わせがそれぞれに

    コウスケ×カオル

    2人の物語について、
    役の個性と物語の起伏に合わせた感情表現を

    他の組み合わせと同じものにするのではなく、
    あくまでもそれぞれの演者で考えて表現している
    (実際の演出指示がどうなっているのかは分かりませんが)、
    というのがとても面白いなあ、と思います。


    この数年で10組以上のコウスケ×カオルを見つめてきましたが、
    同じ台本であっても1組として同じお芝居は存在しない。

    各男性演者は、
    コウスケをちょっとオチャラケさせてみたりめちゃくちゃ怖い人にしたり、
    情熱的で涙もろくしたり感情表に出す事の不器用さを表現しようとしたり、

    それに対してカオルの方は元々持っている
    20代成人女性としての顔から、アルツハイマー告知の衝撃、
    アルツハイマーゆえの記憶障害への怒り、悲しみ、
    そして幼児退行していってしまうなど、
    それぞれの喜怒哀楽狂気などについて、
    各女性演者が思うがままに演じていく。


    各組それぞれ同じ台本でも観ていて飽きない
    不思議な面白さがあります。

    今年の観劇前は、
    「今年あたりで本劇も卒業かなあ」などと考えていましたが、
    これだけ面白く演じてくれる役者陣が
    まだまだいるのならば、
    また来年再来年とまだまだ本劇の
    「新しい組み合わせ」と「進化」を見届けたい気持ちになりました。

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ 説明
      日笠陽子さんは10年来のベテランにして超売れっ子声優。
      相葉裕樹さんは俳優、バンド経験などを経て、声優としても
      最近伸びてきているらしい(詳細不明)。


    ・ 日笠さんの感情表現がすごすぎた。

      元々アニメなどで多々目にしている安定のベテラン声優日笠さんの演技なので、
      「演技上手」(感情表現や発声その他多彩な演技をするのだろう)
      というのは予想がついていましたが、

      しょっぱなから予想を超えて感情的に、気持ちを乗せて、
      情熱的にカオルを演じて来ました。

      恋愛するカオルの喜びと悲しみなどの感情の起伏があまりにも激しく、
      「少々飛ばし過ぎかな?」
      ※ 序盤からここまで大きく感情表現を表に出してしまうと、
        物語の盛り上がり場面でもこれ以上に起伏が付けられなくなってしまうのでは?
        そうすると「物語」全体としては、案外山のないお芝居になってしまうのでは?
      など、少々心配もしました。

      しかし、物語の盛り上がりに合わせ、更に隠れていた「情熱」をぶつけ、
      本当にコウスケ役の相葉さんと真っ向勝負を挑んでいたように思えます。

      ※ 大声優日笠陽子の底の深さを改めて知りました。
        アニメその他画面越しだけじゃなく、
        朗読/群読その他色々な場で
        もっと色々な人たちに「生の演技」を観せるべき女優さんだと思いました。

      ※ (多分ですが)今まで見てきた本劇の中で初めて
        アルツハイマー症の妻とそれを支えようと苦しみもがく夫の姿が、
        観客としてよりも実際の経験のように「体感」させられたかと思います。

        その要因の1つは間違いなく日笠さんの「演技上手」とそして
        何よりその演技に込められた大きな熱量にあったと思います。


    ・ 相葉裕樹さんの演技プラン(と言っていいのかな?)もとても上手でした。
      コウスケについては、今までの色々な役者陣の演技から
      粗野/粗暴にして乱暴っぽさがあり(実際現場監督も殴るし)、
      過去のトラウマから人生については悲観的、
      それを口調その他から攻撃的に演じる人が多かったですが、

      相葉さんのコウスケは少し落ち着きも持った、
      「母親に捨てられたトラウマ」を抱えた悲しみからか
      何か諦めというか達観というかを持った少し深みのあるコウスケを
      うまく表せていたのかな、と。

      ※ 最初はその落ち着いた語りように
        「台本を”読み”にいってしまっている?」
        「台詞のひとことひとことを(落ち着いて)置きにいってしまっている?」
        と、今までのコウスケ像と違うものを感じてしまいましたが

      それがカオルと恋に落ち、自分のトラウマから喧嘩別れして、
      偶然の再開で「この世で1番大切なものを知り、そして変わる事を決意する」、

      段々と進む物語の中で、少しずつ優しさや内面に隠していた本当の心情、
      そして悲しい結末に向けてどんどんと表に出てくる
      カオルへの悲しいほどの愛情とを、

      コウスケの「変化していく気持ち」といった形で
      その語り口調を変化させていく事でうまく表現していました。

      ※ クライマックスでのコウスケはもう「別人」というほど、
        色々な経験からその語り口調などが変化していました。

      ※ 物語を読み込み、
        「こう演じていこう、こう変化をつけよう」と
        考えての事だと思いますが、
        それが見事にカオルの熱量と噛み合って、
        面白い舞台に仕上がりました。


    ・ 2人での合わせの練習で決めた事か、
      それぞれがたまたま同じ事をやろうと思ったのか、
      ブレスその他の使い方が朗読劇の場面場面に
      単なる「台本読み」から違った空気を与えていました。

      ため息だったり、
      その他色々な台詞の間に「音にならない音」「台本にない音」を
      入れてくる、それが他の組み合わせではなかった、
      面白い表現として入っていました。


    ・ 一応ツッコミ
      噛み、台詞トチリ、台詞かぶり(相手の台詞に台詞をかぶせてしまう)、
      などは思ったよりあったかも。


    多分ですが、初めて本劇を演じる組み合わせは皆、
    本物語の内容を演じる中で惹きつけられ、
    いつの間にか気持ちを乗せて演じてしまうようになっている、
    その込められた情熱が観客の気持ちを惹きつけ、
    演者と同じように涙させてしまうのかな、

    そういう意味で良い「物語」だなあ、と思います。

    ※ そろそろ巨人が優勝を逃し「だから原はダメだっつったろ!」のくだりは
      時代に合わせて変えてもいいかな、と思いますが( ´ー`)
  • 満足度★★★★

    面白い組み合わせ
    前田公輝×徳井青空回観劇。

    ここ数年毎年観劇している朗読劇ですが、
    銀河劇場での開催は今年が最後、との事。

    序盤、粗さとも練習不足とも取れる部分が一部気になりましたが、
    物語の進行に合わせて両役者ともに気持ちが入っていき、

    最終的にはかなり観劇側の感情を引っ張って泣ける、
    良い朗読劇に仕上がっていました( ´ー`)

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ 調べたのですが前田公輝さんは
      TVドラマ「ごくせん」などに出ていた俳優さんのようです。
      
      徳井青空さんは(一時期お芝居もやっていたのを観たのですが)、
      基本的にTVアニメ「ラブライブ」のにっこにっこにーなど
      特徴的なキャラを演じるのが上手い声優さんです。


    ・ ここ数年毎年銀河劇場にて開催される「私の頭の中の消しゴム」ですが、
      今回、「あ、この声優さんがやるんだ、ならとりあえず取っておこう」と
      徳井青空さん、日笠陽子さん、回のチケットを取ったものの、
      その後気が変わり、

      ※ 声優目当ての声オタ客が劇中に平気で「ワーキャー」叫んで
        作品にひたる気持ちを邪魔されるのも嫌ですし、

        主催側が有名声優を使って集客を見込むような朗読劇が最近多く、
        ちょっと辟易していたのもあって

      「声優さんその他で朗読(劇)を観る/聴くのはやめよう」と思い、

      徳井さんファンの会社の先輩の娘さんに譲ろうとしたのですが、
      GW前の平日日中とあって「さすがに無理」との事。

      自分も平日は厳しいんだけどなあ、と
      本劇を楽しもうという気持ちはちょっと少なめでの観劇開始でした。


    ・ 序盤(これは最後まで?)
      ・ 前田さんの男役の発声のテンションが序盤から
        一般人としてのリアルさが感じられないほどに高く

        ※ ここまでテンション高い人普通いないよ、と思ってしまうほど
          ? 気負いすぎた?

        冷静に演技をこなす徳井さんの女役と噛み合わないものを感じました。

        ※ これは「合わせ」練習の不足から来ているのかな?と邪推

      ・ 徳井さんの方は演技としては気負うものもなく難なくこなしていたのですが
        単語単語に滑舌の悪さが出てしまい、
        聞き取れない部分が結構な頻度で出ていたように感じました。

        ※ これを「練習不足?」と捉えました。


    ・ しかし、物語の進行・盛り上がりに合わせて、
      2人とも熱が入ってきたのか、気負いも抜けたのか

      ・ 前田さんは役の感情の上がり下がりを、
        モロに自分の感情として情熱を乗せて演じ

      ・ 徳井さんは声優としての声の演技の上手さもあり、
        20代OL女性、
        アルツハイマーゆえの幼児退行、
        抑えられない衝動を示すキレキャラ、
        などの演じ分け、発声分けを見事に演じ

      と、この一見凸凹コンビのような組み合わせでの朗読劇(群読劇)が、
      本劇のクライマックスに向けての盛り上がりに合わせて
      見事に噛み合っていく様に、観ていて気持ちを惹かれました。

      ※ 演技が似てくる、という訳ではなく、
        前田さんはあくまでも「感情的」に
        徳井さんは感情の前にまず「しっかり演技」として
        演じていたかと。

      ※ 終幕時、周りでは鼻をすする音多数でした。


    ・ GW前最後の平日である事、日中である事、
      また本劇が数年来公演され続けている事、などからか、
      本回は集客的にはどうも弱かったようです。

      ※ 昨年、一昨々年、いずれかに来た時は
        3階席からの観劇だったのですが、
        今日は2階席、3階席は使っておらず、
        かつ1階席にも空きがちらほらと見えていました。

      銀河劇場最後の「私の頭の中の消しゴム」、
      かつお2人がこれだけの好演をしていたのにもったいないなあ( ´ー`)と


    ・ 特に序盤「テンションが高すぎ」ととらえた前田さんの演技は、
      時間経過と共に物語とその男役の気持ちが
      本当に乗り移っていたのでしょう。

      本人自身涙をこらえきれず、叫びすぎて声も枯れて、
      
      ※ これを「役者」としての拙さととってしまう事も出来ますが、
        私は往年の尾崎豊の歌い方のような「情熱」を感じました。

      まさに観客に対して感情をぶつけてくる演技をしているな、
      と感じられました。


      終演後のカーテンコールの中で、
      徳井さんに励まされているように見えたのも
      本当の心情(感情を震わせる事とそして泣き疲れ、精魂尽き果てた?)
      だったのではないでしょうか?

      という事で、
      今まで役者×声優
      (男×女いずれかが役者でいずれかが声優)の
      組み合わせは多数見てきたものの、
      
        演技上手×演技上手

      の組み合わせは多かったですが、
      ここまで感情を乗せて演じる人と、
      その演技を演技上手(徳井さん)が受けて生まれる
      新作品としての「私の頭の中の消しゴム」というのが
      また新鮮で面白かったです。


    以上、長文失礼m(_ _)m

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