手のひらを太陽に 公演情報 手のひらを太陽に」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    とてもよかった
    すばらしかった。笑いあり、涙あり、本当に最高だった。

  • 満足度★★★

    神は細部に宿る
     どうも詰めが甘い。シナリオも、悪くないが自分には若干くどく感じられた。

    ネタバレBOX

    気になったのは演出である。舞台下手に畳敷きの部屋が設えられているのだが、ここから煎餅屋の土間に降りる時に履物も履かなかったり、裏の出捌け口から出てきた人間や表から帰宅した人間が履物を履かずに来て畳敷きの部屋に上がったりするシーンがオープニング直後に出てきたり、おまけに店の人間は同じシーンの土間で履物を履いているのだ。
     今更言うまでもないことだが、神は細部に宿る。本公演の楽日である。もう少しキチンと作っては如何か? 終盤では、泣かせるシーン・科白も入り大団円へ向かってゆくのだから、前半部のこのような手抜かりがなければずっといい作品になろう。
  • 満足度★★★★

    日本の原風景を見るような
    この劇場(戸野廣浩司記念劇場)の舞台セット、見事な伊藤煎餅店がそこにある。黒く艶のある柱や梁、趣のある3畳和室、煎餅を入れる容器など、人の暮らしがうかがい知れ、その人たちの息づかいがしっかり聞こえる。そしてチラシにもある店の暖簾には伊藤家(氏)の代表的な家紋(庵木爪)を使用するこだわり。

    この舞台は、或る商店街にある伊藤煎餅店の家族を中心に物語は進展するが、実に心温まるもの。そぅレトロな感じもするが、いつの時代も家族関係はドラマになる。この舞台では「お父さん」と呼ぶことが許されない事情があるようだが...。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    梗概は、説明文から抜粋...或る町のとある商店街にある煎餅屋「いとうせんべい」は頑固な父親としっかり者の娘で切り盛りしていた。 普通の生活をしている二人だったが、この頑固親父には1つ変わった事があった。 それは「お父さん」と呼ぶ事を許さないこと。 そんなある日娘が彼氏を連れてきた事で物語が動き出す。 色んな家族の絆が交錯するドタバタコメディー

    主人公・元太(天晴一之丞サン)、若い時の元太(廣司侑也サン)は、孤児院施設の仲間だった夫婦(妻は子を産んですぐ、夫は子が3歳の時に病死)の子供を親代わりに育てており、子・岬(折原陽子サン)もそのことは知っている。お父さんと呼ばせることで、実親のことを忘れてしまうことを恐れている。お互いを思いやる気持ちがチグハグ。この父娘の関係を中心にして、近所のラーメン屋夫婦、離婚以来、娘と会っていない父親のふためき、実娘と里子の娘という少し複雑な家庭の父親など...家族の数だけドラマがあるようだ。

    この家族・血縁という”個”という側面と、商店街という地域の繋がりを、温かい視点で見つめる。家族の中でケンカできることを羨ましいと思う里子・とうこ(マツダヒロエさん)の言葉が、家族の距離感を表す。クールで優等生的な態度には、実親でないことに対する客観的で距離を保つ姿が感じられる。その血縁のなさを超えた枠に家族を形成する。

    そこに街の存在が関わる。時代とともに移ろい変わる街であるが、どこか郷愁が残る。地域商店街は日本の原風景であり、馴染み深いものであり、見守りの原点でもあった。古きよき時代の一面を詳らかにしつつ、市井の人々の人情をしっかり絡める巧みな芝居であった。

    役者陣は個性豊かで、その役柄キャラクターを立ち上げていた。そのアドリブとも思えるような笑い。本当の家族、地域の人たちの関わりを観るようであった。
    なお、劇団猿芝居の特長である「人情劇の王道」が観てとれ満足だが、コルバタとしては、これで良かったのだろうか。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    楽しかったです
    煎餅屋、頑固親父、という昭和感たっぷりなお芝居のようでしたので、西日暮里駅からではなく、日暮里駅から谷中銀座を通り、通り沿いのお煎餅やさんを覗いてから、観劇しました。
    分かりやすいストーリーで、いっぱい笑わせてくれて、きちんと泣かせてくれて感動して。そんな贅沢な時間を過ごせました。
    ただ、マナーを守れないお客さんがいて、残念でした。

  • 満足度★★★★

    心配する事はない、これまで過ごして来た親子の時間を振り返れば。
    最前列端にて観劇。
    それぞれの登場人物にバックグラウンドがあり、思いがあり、役者さん自身にも個性があって好きなタイプの舞台だった。
    女性陣は特に個性豊かで生き生きしていると感じたし、下世話な事を言えば美人な方が多かったなという印象。
    この団体さんの舞台は前回観劇した際はちょっと残念な出来だったけれど、今回は脚本も演出も役者も殆ど違う方々で楽しめた。

    ネタバレBOX

    煎餅屋を営む主人公の中年。
    施設出身の主人公は、若い頃に同じ施設出身で結婚した夫婦と家族同然の付き合いをしていた。
    夫婦には子供も出来、幸せが待っているように見えた。
    しかし奥さんは娘を生んで早くに亡くなり旦那の方も娘が3才の頃に亡くなってしまう。
    父親になるという事がどうにも分からぬまま、子供を夫婦に託され、育て、ここまでの人生を歩んで来た主人公。
    そして、娘が大きくなった今も、ある理由から娘には自分を「お父さん」とは呼ばせては居なかった……

    真面目な所と笑いを取りに来るシーンのバランスが良く、飽きが来なかった。演出、脚本共に凄さを感じた。主人公達以外にも何組かの親子や夫婦が登場するが、それぞれの在り方が見えて面白かった。
    セット、雰囲気が良いです。
    壁のラクガキの演出、良いです。
    音楽、音の入りのタイミング、良いです。
    笑いのセンス、そしてそれを実行する役者のセンス、素晴らしいです。
    真摯な所は真摯に。楽しい所は楽しく。芝居の大事な要素を見た気がした。
    また次の芝居も観たいと思える公演だった。

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