柘榴の実 公演情報 柘榴の実」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    ナルシシズム
    の螺旋階段を自家撞着のみで降りてゆく女。これが母の美枝子である。

    ネタバレBOX

     人との関係性を秤にかけることのできない、恐らくはそれ故にこそ、振られた恰も即時存在であるかの如き母は、シングルマザーとして娘を育てながらも矢張り対自存在としての自己規定ができなかった。彼女の意識は、ナルシシズムのそれであり、自己自身を対象化する意識であるよりは、自己自身を無限に下降してゆく意識なので、他の人間に対して、彼女は、うざったいだけの気持ちの悪い存在としてしか顕現しない。殊に、それは彼女が愛していると考える人間に対して顕著である。現在は、娘が。過去に於いてはその父が。
     この子離れできない母・美枝子の押しつけがましい気持ち悪さが、潔癖な感性を持つ娘・留美にとって耐えがたいのは当然である。而も留美のクラスメイト・紀子は、彼女に対して女性同士の愛の形を求めており、普段から、留美の下着までチェックしていたことが、誕生日プレゼントを貰った時に判明した。母と似ている紀子を留美は突き刺してしまう。
     母のせいでこうなったことが理解できない母もまた留美の餌食となった。
     作劇法として、今回の形を踏襲したまま、更に舞台上で観客に訴える手法としては、狂言回しを入れるという方法が考えられる。劇団の用意したリーフレットの中に新聞記事をコピーした体裁の印刷物が入っているのだが、この内容を物語の始めに狂言回しに言わせるという手法だ。これだとリーフレットを読んでいない観客にも、訴えたいものの姿が更に説得力を持って迫ってゆくだろう。
     若い女性ばかりの劇団のようだが、一所懸命でも、回りをキチンと見ながら走って欲しい。

  • 満足度★★★

    もっと振り切って
    ちょっとアングラ的に尖ったまま中二病が治癒していない感じ。
    高校演劇の枠組みでは、なるほど!とうなずく大人はたくさんいると思う。
    それをそのまま引きずってきているだけでは、
    ただのマスターベーションで終わってしまう。
    目を引くフライヤーにキャッチーな劇団ロゴ。
    全身黒ずくめの運営スタッフに感情を抑え込んだ前説。
    開場から案内、客席に舞台美術まで、
    その前向きで逸る気持ちにあふれている事は十分に伝わったが、
    いかんせん中身が伴わなかった。
    形式美的な見た目の演出も重要ではあるが、
    ストレートに見せたい気持ちだけが先を行き過ぎたよう…。
    考える力と演る力は溢れていると思う。
    次回作は夏とのこと、更なる成長を期待しています。

  • 満足度★★★

    脚本をもっとうまく
    セリフが、説明になってる/説明にしかなってない

  • 無題1785(16-075)
    19:00の回(曇)。18:30会場着、受付、中へ。

    左右、桟敷+ベンチシートの2列、対面。右に座ります。入口からみて奥にテーブルと椅子(2脚)。

    18:57前説(50分..会場内のトイレは使用できないので予め外で)。19:00開演~20:00終演。

    たぶん「説明」にある通りの内容だったと思いますが、行間を読むのに苦労しました(世代差なんでしょう)。個人的には、高校演劇にはとても感心があり、本作もその意味では興味深く観ることができました。

    ただ、一般のお客さん向けとしてはどうかなとも思います。対面の客席、その間に役者さんお二人が縦に座るとお客さんのなかには何も見えないこともあるし、立っているときでも似たようなシーンがありました。

    また、もう少しテンポを速め、その浮いた時間でもっと深い、ある面いびつな親子の感情を現し、単調さを解消するなど、芝居の面白さが伝わるような演出でもいいのではないかと感じました。

    ※オヤジ♪さんが書いていらっしゃるように会場内のトイレが使えないのであれば、事前に(ツイッターでもこりっちでも)知らせるか、受付時/客入中にスタッフが(地図を用意し)説明すべきではなかったでしょうか?

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