『不眠普及』/『止まらない子供たちが轢かれてゆく』 公演情報 『不眠普及』/『止まらない子供たちが轢かれてゆく』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★

    『止まらない子供たちが轢かれてゆく』
    過剰さが面白い。
    スピード感が気持ちいい。

    ネタバレBOX

    過剰さが面白い。
    スピード感が気持ちいい。

    しかし、ラストと、言うか、オチ的なことは意外と面白くない。
    そこまでのトーンと違うためか。一気呵成に行ってほしかったような気もするし、上手くスピードを止める方法もあったのではないかとも思う。
    過剰な台詞と、普通の会話との差が上手く処理しきれていない印象も。

    小学生って思った以上にオトナなのかもしれないと思いつつも、やっぱり子どもなんだな、という細かい描写もほしいところだ。

    とても乾いた感覚の子どもたちが登場する。
    台詞が重なる。誰が誰だかわからない感覚になっていく。
    しょせんオトナから見たら、誰が誰なのかはわかるはずもなく、これは学級崩壊を黙認した教師そのものの視線かもしれないとも。

    舞台の上には実際には出てこない、その他大勢の、空気たちのような存在が、実は主人公だったりする。
  • 満足度★★★★

    『不眠普及』
    新しい才能に出会えた
     ……のかもしれない。

    なんとレベルの高い創作なのか。
    60分少々の公演なのに、驚いた。

    ネタバレBOX

    不眠というのは誰もが体験したことがあるものなので、それに対する個人個人の感覚は違うものではないだろうか。

    同じなのは、「眠れないことに“焦燥感”を募らせる」ぐらいか。

    覚醒と睡眠は、薄いベールで隔てられている。
    いつの間にかそのベールを越えて眠りに落ちているのがほとんどだろう。
    「眠れない」と思いつつも、うつらうつらしながら実は寝ていることは多々ある。
    「眠れない」という人が、今さっきまで寝息を立てていたのを知らずにいることもある。

    舞台の上では眠れない苦痛が延々と続く。
    3人の役者は、主人公の頭の中の声と、夢うつつと、現実とが混在していることを表している。
    舞台の上のカーテンと糸ベールをくぐり抜け、意識の深いところと浅いところを行き来しているのだ。

    その混沌具合が、いかにも「眠れないときに無闇に考えてしまうどうでもいいこと」に思えてくる。
    その「どうでもいいこと」が次々と頭に浮かぶから、頭がより冴えて眠れなくなる経験をしたことがある人も多いだろう。
    そうしたイライラが、舞台の上にはあった。
    自分の頭の中の混沌を表現する戯曲と演出が巧みだ。

    自分の声が頭の中で聞こえているのは、夢なのか現実なのかもわからなくなる。
    夢の中では、自分の姿が見え、過去にあったりなかったりしたことを見ることがある。
    まるで回想シーンのように、だ。
    珈琲を引いたり、洗濯物を干したりという日常の情景も挟んでいるが、それも夢の中なのかもしれないのだ。
    そう考えると「眠れない主人公」は本当は眠っているのかもしれない。
    「感染」とか「宗教と思われて迫害」などという荒唐無稽さがそれを示しているようにも感じる。

    この作品はまるで「小説」のようだ。
    最初はリーディング公演の印象すらあった。
    文字を読んだほうが、イメージがより膨らみそうである。

    しかし、すべての戯曲が「文字を読んだほうが、イメージがより膨らみそう」と感じないのはなぜなのだろうか。
    それは、舞台の上のほうがより「リアル」であるということ、つまり「意味」に近づいていると直感的に感じているからではないか。
    戯曲を文字で読んでも面白いものが、舞台の上でさらに面白くなるのは、生身の人間が演じて見せて(説明して)くれている、という単純なこともあろう。
    そのリアルさが文字に命を吹き込み面白くなる。

    演出家の力で、読者の頭の中に広げられたイメージよりも、より説得力というか納得度が高くなっているのではないか。つまり、「戯曲を読んだほうが面白いのではないか」とはその時点では感じさせない。

    しかし、この作品を観ながら思ったのは、「文字で読んだら面白いのではないか」「文字を読んだほうが、イメージがより膨らみそうだ」ということだった。
    ただし、それは「舞台の上よりも“本当”は戯曲のほうが面白いのに」ということではないような気がする。

    今回の作品は、戯曲としての面白さを、舞台の上で面白くすることで、さらにその先の、まるで一周回ったように、「文字の面白さ」を意識させたのではないかと思う。

    役者と演出が「戯曲の文字の面白さ」を伝えているのではないだろうか。
    それだけ戯曲のレベル、演出のレベルが高く、役者も上手かったのではないかと思うのだ。

    ただ一点、これはとても大事なことなのだが、「眠れないから毎日男と寝る」という設定の納得度が低すぎた。ストーリーを進めるためだけに無理矢理そこへ持って行ったとしか思えず、そこへの道筋をもっと丁寧にストーリーの中に徐々にでも織り込んでほしかった。それがどんなに理不尽なものであっても、無理矢理でも観客を説得してほしかった。「(読書や映画など)の文化系のことが不得意なので」という主人公の設定1つだけではそこは突破できないと感じた。そこが残念。

    まあ、それも「夢の中だから荒唐無稽」というのであれば、仕方がないのかもしれないのだが。

    最初は鶴田理紗さんの強さがとても好ましいと思ったのだが、徐々に坂倉花奈さんと新田佑梨さんの良さも現れてくる演出で、3人もとても良かった。

    『止まらない子供たちが轢かれてゆく』にも期待したい。
  • 無題1857(16-147) 「不眠普及」
    19:30の回(曇)

    19:00受付(半券に整理番号あり)、19:10受付。

    3層(手前〜奥)の舞台、天井には「ハ」の字に直管蛍光灯、そのあたりから細い紐条のものが流れるように垂れている。

    その奥にはレースのカーテンだろうか、奥に行くほど像がぼやけ青い灯りに冷え冷えとしたものを感じる。

    中央に小さな白いテーブル、下手側に椅子(1)、奥にも椅子(2)、小さな鉢植えがおいてあり緑だけが呼吸をしているようにみえる。椅子はみなカタチが違う。

    19:25前説(アナウンス、60分)、19:30開演〜20:44終演、21:20トーク終了。

    謎解きとしてのスリリングさを保ちながら進んだお話しは途中から混沌とした澱みに嵌る。

    なぜ眠れないのか、なぜ感染するのか、なぜその行為なのかが問われることはない。

    社会的な現象(混乱)になることはなく、ひとりの意識世界内の自問自答に留まる。

    どうも合わない。繰り返される振付だけが視覚を刺激するのですが、すぐに慣れてしまい、意味を探ろうとはしなくなる。

    「眠れる森の美女症候群」という症状があるらしい。眠り続けるという内容。

    起きているのか、寝ているのか。覚醒か昏睡か。意識は脳内の現象なのであれば何が起こっていてもすべて真実。

    鶴田さんは白昼夢、新田さんはホロロッカ、坂倉さんは昨年12月のDE PAY'S MAN 「100まで」。

  • 満足度★★★★

    洗練されてゆく
    「止まらない~」を以前見たときと同じ人が演出なのかと思うぐらい洗練され

    てきていてビックリ!!相変わらず選曲がとてもよく心地よい。

  • 満足度★★★

    『不眠普及』観劇
    さもありなん

    ネタバレBOX

    セックスによって感染するウイルス性の不眠症が蔓延しつつある社会の、その元凶となった可能性のある女性の話。

    男性が感染した場合は、不眠症の度合いは女性に比べてさほどでもないとのことでしたが、さもありなん、眠くて眠くて仕方ありませんでした。
  • 満足度★★★★

    『止まらない子供たちが轢かれてゆく』観劇
    直接民主主義による過半数の危うさ

    ネタバレBOX

    先生があてにならなく、学級裁判が秘密裏に行われるようになった学校の学級裁判に関わる児童、親、先生たちの話。

    口が立ち、煽り上手な児童に乗せられて決してしまうことに、EU離脱を決めたイギリスの国民投票を思い、直接民主主義の過半数による決定の危うさを痛感しました。アメリカの大統領選挙もさることながら、将来行われるかもしれない我が国の憲法改正の国民投票の際にも、そしてその前提ともなる参院選に関しても、国民は煽られることなく、冷静に、後悔することの無い判断をしてほしいと切に思います。
  • 満足度★★★

    不眠普及
    70分。

    ネタバレBOX

    前回上演時にも観たけど再度。前回と違って?三人の女性でストーリーを紡いでいく感じ。
    話的な面白さはあるけど、イマイチのれなかった。不気味さみたいなのがもっとあってもいいかも知れない。単純に、前回の女優さんの異様な演技が気に入ったというのもあるけど。

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