満足度★★★★
初別役作品
必要最低限の美術
二面舞台
75分強
隅々まで丁寧に演出がされていて、空気というか、形容し難い雰囲気のようなものを全員がきっちりと共有している印象。
とても濃密で精度の高い芝居でした。
役者もそれぞれよかったが、女役の渡辺実希さんが
とても美しく、怖く、可愛らしく、弱く、纏っている雰囲気がとても独特で魅力的だった。
終演後話しているところを見かけましたが、気さくそうで、逆に謎が深まった(笑)
満足度★★★
マッチ1本”生”の為!
戦後の社会に対する別役の憤りを暗示。”自分より家族の為”という意識に社会的背景が透けて見えてくる。
この芝居観るたびに、少女はやっぱり救われていないと感じてしまいます。主人公の少女には夫婦をもっと恐怖感で怯えさせてほしいし、弟に対してももっと冷たく暴力的であってほしかった。私のイメージするものより優しかったです。(笑)!
満足度★★★★★
引き込まれました
別役実の演劇はどちらかというと苦手なんだけど・・・やっぱ天幕旅団がやると一味違うね。前半は加藤晃子さんの演技に(ホント上手いよね!),後半は渡辺実希さんの迫力^^;に,すっかり引き込まれました。80分弱という上演時間,凝縮されています。物語については,いろんな解釈もできるけど・・・ただただ凄い芝居だったなぁ。天幕旅団の次回公演は12月。ちょっと遠いけど,期待して待っていましょう。
満足度★★★
不条理劇?
「不条理劇」というものの定義は?
私にはよく解らないのだが…。
この芝居は、むしろ、精神的なオカルト劇或いは「統合失調症」を題材とした芝居に思えた。
主人公は、完全にそんな症状だし。
そこに起因するのは、やはり戦後の悲惨な時間だろうか?
「マッチ売り」という特殊な体験に続く客たちの”性”のギラつきに壊された少女の精神。
また一方では、平和を装う夫婦の中に存在する忘れ去りたい過去。
それらのカルマが渦巻いている作品に見えたが…。
どちらが加害者でどちらが被害者なのか?双方共が加害者であり同時に被害者であったのか…。
戦後政治は暗黒部に蓋をして、表面的な安穏さを演出したに過ぎないのではないか?
不条理劇と片づけられない何かをとても感じた。が、それを巧く言い当てられない。
戦後の現代社会は「統合失調症」を患うことによって別の新たな社会を創造したに過ぎないのではないのか???
今まさに起きている<おれおれ詐欺><子殺し・親殺し><引きこもり><バーチャル空間への逃避:スマホ依存症やゲーム中毒>
蓋をしたはずのカルマが覆い尽くそうとしている今。
そう思うと、これは重大な啓示を伴った作品なのかもしれない。
満足度★★★
原作のダークさは継承しつつ・・・
新解釈+してのストーリー展開だったが
前半眠気が・・・・(椅子蹴ってくれた後ろの方ありがとう(^^:)
後半の盛り上げ方などは好みだった約80分弱
満足度★★★★
夫婦
番外興行として、初めて既成の台本を使った作品だという。
これが大変面白かった。
まず役者の台詞が強い。
自分の論理に相手を従わせようとする強引さが要求される台詞が飛び交い、
ファンタジーで時折見せる浮遊感や儚げなタッチが封印された感じ。
これが社会や“善良な市民”の外面を引っぺがすのに効果絶大。
既成の台本を使うと、アテ書きとは違った役者の別の面が立ち上がって興味深い。
“まず形から入る”的な夫婦の会話が白々しく、そこに満足している
小市民のうさん臭さがとても良く出ていたと思う。
この夫婦、上手い組み合わせだわ。
満足度★★★★
楽しめました
別役実氏の不条理劇をここまで楽しめたのは初めて。どのくらい理解したかと言われると、全く自信がないのですが、ファンタジーを得意とする天幕旅団の世界にすごくマッチしていて実によかったです。しかし、少年役のイメージが強い加藤晃子さんのおばさん役が見事にハマっていましたね(失礼!)。