珈琲法要 公演情報 珈琲法要」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    千秋楽
    本編について触れる前に書くのは失礼だけど、こんなに充実したアフタートークは初めてだ。ゲストのミナモザ主宰の瀬戸山さんとの内容も作品の核となる部分について掘り下げ、客席からの質問への回答も興味深い内容ばかり。史実を元にした作品の多角的な視点を得られ、大満足。●農耕民族と狩猟民族の価値観の相違が根底にあるという解説に、目からウロコ。土地に線を引き所有しようとするから、利益を求めそれを広げようと侵略が始まる。それは死をもたらし、やがて戦争を引き起こす。当然、遺恨が生じる。人間の愚かさを突きつけられた。倭人はどこまで行く?●菊池佳南さんの魅力が満載。アイヌの民族楽器を見事に鳴らし、厳かに弔いの雄叫びを上げ、子守唄を歌いあげる。笑いを誘うキュートさと、安楽死とも敵討ちともとれる戦慄の行為。怒りと哀しみの涙にも、カムイへの祈りにも、心を揺さぶられる。魅力を引き出す見事な山田百次演出。脱帽。

  • 満足度★★★★★

    題名に引っ張られ
    2013年の初演、覚えてないものですね。

    ネタバレBOX

    1800年頃、ロシアの南下に危機感を抱いた幕府に命じられて蝦夷地斜里に派遣された津軽藩の武士たちの話。

    得体の知れないものを無理に飲んでいるシーンぐらいしか覚えていませんでした。

    100人のうち、72人が死亡、1人が逃亡、帰還できたのは17人という惨状でした。死亡の原因は寒さと脚気かと思いましたが、以前から恨みを持っていたアイヌの人たちによる和人殺しの側面もあり、そんな話だったんだと改めて新鮮に感じました。

    こんな寒いところでは冬を過ごさないというアイヌの娘の発言は目からウロコでした。そんな彼女が和人の拡張主義について問うていました。今回はロシアの南下防止が目的であり、一部の武士が樺太にまで足を延ばしたということでしたが、むしろもっと北部まで行って地固めをしてくれていたらなどとも思いました。
  • 満足度★★★

    珈琲
    85分。

    ネタバレBOX

    文吉(河村竜也)…本受難を文書にて残す。
    忠助(山田百次)…病になる。
    弁慶(菊池佳南)…アイヌの女。文吉らに恨みをもちつつ、助力する。

    蝦夷地域の防衛のため派遣された津軽藩士らが、ロシアは襲ってこないかわりに、謎の病と寒さに四苦八苦する。
    実は、病でなくアイヌの女による殺害という視点で描かれる舞台で、コメディな感じとシリアスな感じでメリハリはついてた。もう一声、アクの強い感じがほしかったかな。
  • 満足度★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    青年団リンク・ホエイの【珈琲法要】を観劇。

    1800年代頃に蝦夷の斜里で、津軽藩兵はロシアの侵略に向けて警備に当たっていた。
    だが慣れない寒さと栄養失調(ビタミン不足)により、兵士達は警備すら出来ずに死んでいき、幕府は万病の薬として珈琲を配っていくのだが......。
    幕府がひた隠しにした実話である。
    それは兵士達が何もせずに死んでいく事態になり、幕府がその事を隠蔽したのだが、その状況を書いていた兵士の日記が、100年後に発見されて、明るみに出たそうだ。
    ただ今作で描かれるのは、幕府の当時の失態や批判ではなく、日本人とは?を描いている作品である。
    そしてこの事件のあらましを見ていくと、グローバル化とはいえ、やはり島国の我々の民族性は、諸外国とは全く異なるのだなぁ~と感じてしまう。
  • 満足度★★★

    1本目
    よし!今年は観劇した作品はちゃんと記録しよう。
    アフタートークで出た話で、この事件が戦闘も無いまま、100人中72人の殉職者を出すという、津軽藩としては不名誉な事であり、緘口令がひかれた為歴史から抹殺された事件であり、それが150年後神田の古本屋で藩士の日誌が発見されて明るみに出るというドラマに興味を惹かれた。

  • 満足度★★★★★

    今が観時(みどき)/約80分
    津軽藩士大量殉難事件を題材に、我(が)を殺して長いものに巻かれたあげく痛い目に遭う典型的日本人像を毒っ気たっぷりに描いた秀逸なダークコメディ。
    再び日本が全体主義に向かいつつある今この時期にこの作品を観られたことに、とても意義深いものを感じた。
    ドタバタ色の強い前半部では、山田百次と河村竜也の息ピッタリなコンビ芸を満喫。津軽弁によるリズミカルでバカバカしい掛け合いに最盛期の加藤茶&志村けんを思わせる見事なドタバタが加わって、じつに愉快でした。

  • 満足度★★★★

    元旦早々
    大晦日公演の観劇は体力無く、断念。年明けてアゴラへ参ると、閑散としているかと思いきや意外に席は埋まっていた。
     本作、この再演で初めて拝見。これまで見た青年団リンク・ホエイの舞台や劇団野の上(作者の山田百次主宰)の舞台とは一つ、趣き、というより深まり具合?の違う芝居になっていて、ほのぼの・のほほん・ほんわか といった雰囲気を思わせる題名(ひーとかほーが入ってるし・・)を引っぺ返すと軽い麦でなく(麦も美味いけど)、ずっしりとお米だった。
     三人によるシンプルな芝居。だが語られる事柄の重さ・広がりが、津軽弁の飄けた会話の中から徐々に立ち上がってくる。 
     最後に近い場面、女の口からぽそりと投げられる台詞は、効く。

    ネタバレBOX

    舞台は簡素だが、その中でアイヌの民族衣裳や、奏されるムックリ(アイヌの口琴)の上手さ、子守唄など、アイヌの風俗がとても丁寧に再現されている。ここに好感が持てた。というより芝居の要であるか。。(アイヌを演じた菊池氏に敬服)
     史実を基に書かれた話という。江戸時代だけにお上の命は絶対、ヲロシア国警備のために派遣された者たち。しかし相手はせめて来ず。 ただ、寒さと飢えの中で人が次々死んで行く。

     ポストトークでの河村氏の発言・・「日本の国はなぜ兵站を軽視するのか」
     確かに、、先の戦争でのインパール作戦、泰緬鉄道しかり。
     日本のアジア進出では、補給路を確保しつつ進軍する計画でなく、中国~東南アジアどこも例外なく、食糧から燃料からを現地調達するという甚だ無責任な方針で、だから強奪が起きたし、逆らう民間人も殺したし、組織的に食糧を奪って百万単位の餓死者をベトナムで出したという話もある。
     南方での玉砕も、餓死すれすれ。米軍の攻撃を受けて辛うじて「戦死」できたという・・・(苦)
     と考えると、「この後先考えなさ」は、文明と合理主義の浸透したはずの今の日本で、もう憂える必要のない心配事、なんだろうか・・
     このところ愚かな決定が頻発している中、最終的に誰も責任をとらない体制が結局何百年も続いてきたのだと、最悪の状況の中で気づくのだけは、避けたいものだ。
  • 満足度★★★★

    三者三様の生き方って
    三人芝居による幕末時代劇。河村さんの語り部、山田さんの津軽弁を使った、大胆な笑い菊池さんのアイヌの女らしい助演と三者三様な世界観は、とてもよかった、80分でした。

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