地点×空間現代「ミステリヤ・ブッフ」 公演情報 地点×空間現代「ミステリヤ・ブッフ」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    終わり、終わらないもの
    とにかく、空間現代の演奏の作り出す緊張感が素晴らしい。絶妙に間を空けながら、3人の演奏者がぴったりと複雑なリズムを叩きだす。叩きだす、と書いたのはドラムだけでなくギターとベースにもパーカッションを思わせる叩く音の快楽が宿っていたから。その演奏が、躁鬱的な俳優たちの演技を裁断していく。この脱臼した感じが作品のキモになっている。
    物語の進行感の薄い劇であり、ストーリーが展開していくことによる気持ちよさはこの劇にはなかった。その代わり、俳優たちの汗が次第に迸り、整然とした舞台美術は俳優たちの手で動かされ混乱を増し、裁断を繰り返していた演奏は溜めてたエネルギーを吐き出すように大音量を放つ。戯曲外の要素が一つの狂乱へと向かっていく。その爆発していく感じと、戯曲の進んでいかない感じとのズレが、おもしろく感じた。

  • 満足度★★★★

    音楽との
    バンドの生演奏が、ただの劇伴ではなく、劇のリズムを作っていたのが素晴らしかった。
    また、普通の言語の発話を異化する口調も、その音楽と相まって奇妙なグルーヴを作っていた。それも素晴らしかった。
    ただ、、、

    (素晴らしいと思った部分は星5。全体としては星3。間をとって星4にしました。)

    ネタバレBOX

    最初は凄いインパクトで前に出てきている印象があったバンドの演奏も、決まったパターンを繰り返すということがわかってしまうと、劇の後景となり伴奏としてしか感じられなくなってしまった。

    また、日常の発話法を異化するセリフの抑揚も、最初は違和感として捉えられ、それが繰り返されることで、奇妙な面白さを感じられるようになったのだが(つい笑ってしまうという感じで)、それにも慣れてくると、単にセリフが入ってきづらいだけとしか感じられなくなってしまった。ややもすると安易なメッセージになりかねないセリフもあるテキストだけに、その異化効果が有効に作用している部分もあったけれど、私にはその効果よりも単に入りづらいというマイナスの方が大きく感じられた。

    全体を通じて、最初こそとても興奮したものの、このまま大きくは展開しないんだなとわかった時点から、とても退屈に思えてしまった。違和感が常態化し無化された後で、何に意識を向けて芝居を観ればいいのかがわからなくなってしまったということだと思う。でも、それは観客である私の怠慢なのかもしれない、、、。

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