満足度★★★★
受肉した言葉
無論、原作はジュール・ルナールの有名な作品だし、一度は小学生くらいで読んだ経験を持つ方も多かろう。赤毛でそばかすが多い為、家族からにんじんという仇名で呼ばれる少年の話だ。年に2か月寄宿学校から帰省するが、母の理不尽な仕打ちに自殺まで実行しようとした、デリケートでナイーブなメンタリティーが、ルナールの肉声として伝わってくるような名作だ。戯曲訳としては有名な山田 珠樹の訳が用いられているが、用語が若干古めかしく感じられる場面があったのは残念。戯曲自体がしっかりした作品だし、フランソワ(にんじん)の成長が実に巧みに語られ、用いられている言葉自体が、作家が現存しているかのような“受肉した表現”になっている為、普遍的な作品として立ち上がってくる。それが今作に心を揺さぶられる理由だろう。
満足度★★★★
観て良かった!
タイトルは知っていたが、どんな話か分からない作品だった。「赤毛のアン」と勘違いしやすい?それは自分が無知なだけ。
父親と少年の会話が興味深かった。子供レベルの話ではない。大人にとっても解決しにくい問題だ。
アマチュアだから取り上げることができる作品であろう。キャスト4人とスタッフに拍手を送りたい。