鵺的第一短編集[全日程終了・ご来場ありがとうございました] 公演情報 鵺的第一短編集[全日程終了・ご来場ありがとうございました]」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    ダークサイド
    舞台作品では、シェークスピアの昔からタブーはスタンダード。同性愛、近親相姦、ストーキング、DV、殺人…全てが盛り込まれた過激な作品だった。にもかかわらず嫌悪感に苛まれなかったのは演出の細心の注意と演者の力量の賜物。『白い猫』の堤千穂さんの甘えっぷりにやられた。『みどりいろの街』では、チタキヨのタとキのお二人の戦いがヒリヒリした。信頼する相手とのバトルは愛情を奪い合う愛に満ちていた。『ステディ』は誰もが純粋で正しく主張を突き付ける。でも、利己的で視野が狭く噛み合わない。相手の立場を掠めて僅かに逸れる主張の応酬が痛々しい。とみやまあゆみさんの盲目的な愛が放つ嫌味の刃の切れ味に戦慄が走る。彼が目の前で女をSEXに誘うとき、頭の中でグルグル回る言葉と動揺が瞳に映る。とみやまあゆみさんの大きな瞳のなんと雄弁なことか。それにしても、平山寛人さん演じる小林の誠実さに感服。

  • 満足度★★★★★

    かみ合わないのに
    登場人物たちそれぞれの抱くものや想いがなにひとつ噛み合っていないのに、その閉塞感や行き場のなさの先に、観る側を満たすものがあって心を惹かれました。

    表層の事象の面白さ、それを紡ぎ上げる役者の緻密な演技を堪能しつつ、その奥にある繋がりのようなものに惹かれました

    ネタバレBOX

    ベクトルがばらついても、愛情の形や対象はちがっても、誰かを想うことの禍々しく御しがたいコアの感覚がしっかりと残る。

    観終わって暫く、その余韻に浸りこんでしまいました。
  • 満足度★★★★★

    一捻り
    素直に女性陣が素敵でした。

    ネタバレBOX

    「ふいにいなくなってしまった白い猫のために」   レズの女性が好きな女性と同化したいがために、好きな女性が結婚するのを機にその女性と近親相関の関係にある兄に接近する話。

    複雑な心情が絡み合っていて秀逸でした。とにかく色っぽくて魅力的な女性でした。

    「くろい空、あかい夜、みどりいろの街」  レズの三角関係の話。

    結局は私のところに帰ってくると強気の弁の女性は実の姉で、ここにも近親相関が出てきて、ちょっと同じネタかという気はしました。

    「ステディ」  イケメンと付き合い一緒に暮らしている穏やかなゲイ男子の家に、イケメンが一度関係を持った女性がストーカーとして押しかけてくるようになり、ごたごたした日々が続く様子を描いた話。

    どのような社会にも一応の常識があって、同性愛の社会でもその常識からちょっと外れた人を好きになると苦労するということでした。ストーカーの女性も一途で可愛かったです。
  • 満足度★★★★★

    スマート
    ジェンダーの愛の姿を軽妙洒脱に描いている。3作品とも、最近に認知されつつセクシャルマイノリティーであるが、スマートに演出されていた。役者もその役割を自然に表現し、納得させられた。予想された鵺的とはだいぶ違ったがこういう作品もまた楽しいものである。

  • 満足度★★★★

    マイノリティ
    面白い。80分。

    ネタバレBOX

    「ふいにいなくなてしまった白い猫のために」
    妹と近親相姦(相思相愛)した宏(杉木隆幸)のことが好きな妹の友達である響子(堤千穂)。妹に似ている自分と付き合ってとせまる響子と、一線を越えてしまった自分に対し、不安を抱える宏。
    けっこう面白い。とりわけ近親相姦という世間的にもNG(むしろ世間的に最もNG)なところで苦悩する男という感じで、興味をもってみれた。世間があって生きている以上、死ぬまで解放されないものなのかな。響子の存在が救いになると思えなくも無いけど。

    「くろい空、あかい夜、みどりいろの街」
    物事に向き合えない亜以(奥野亮子)と、亜衣の実姉の志津(中村貴子)、亜以にやさしく接する比呂子(高橋恭子)のレズビアンな修羅場。亜以のことは一番知っていると豪語する志津に比呂子は包丁を突き立てる…。
    同性愛と近親相姦の合わせ技。粗野っぽくて野良猫気質な亜以にしろ、的確に亜以の短所を指摘する志津にしろ、優しげで弱めな容貌と会いまった比呂子のキャラ設定がいい。亜以がこうなったのは志津のせいだと殺人に及ぶ比呂子も、亜以のため好きでもない男と結婚し子を産む覚悟をみせる志津。もう一展開あってもいいななんて思ったけど、なかなかシャープな作品で気に入った。

    「ステディ」
    木崎(稲垣干城)と付き合う小林(平山寛人)の部屋に、木崎とSEXした(彼女気取りの)新井(とみやまあゆみ)と小林の編集・白石(木下祐子)がやってくる…・。
    ゲイな話ではあるが、結構ストレートな恋愛物と感じた。無表情?にカレーライスを食べる小林のラストの表情が印象的。人の話をきかない新井は、舞台越しだとかわいく思える。

    いずれも、緊迫感的なのは薄め。その分冷静に見れたかな。
  • 満足度★★★★★

    鵺的でした。
    最初の二人芝居は猫から始まって、可愛いなあ、高木さんの猫愛が出てるなぁなんて思って観てたらとんでもなかった。たった一言の女優さんのセリフで空気が凍りついた。ここで、ああ鵺的だった、あの重苦しい空気がこれからどんどん充満するんだと思いました。

    ネタバレBOX

    鵺的の物語は、いつも「自分が当事者だったら」と考えると思考停止に陥ってしまう。抗えない血と、取り返しのつかない性行為や、恐ろしい犯罪。しかしもしかしたら地獄のような思いで客席から観てる人も少なくないのではと思わされたりする。少なくとも私は近親相姦の知り合いはいないけど、言われないだけで実はあったりするのかもしれないとも思う。

    一番私にとって身近なのは3話目の「何が浮気で」というようなことだったのだけど、あの妖しいバイセクシャルの男性に、自分の今の価値観を揺るがされるようなあんな口説かれ方をしたら多分落ちるだろうな(笑) で、カレーのくだりのときに「あ、キレるのそこ?」と、ちゃんと人の血が通ってた部分に安心したり。とにもかくにもわたしは「普通」の人なんだよね、つまらないかもしれないけどだからこそこういう想像もつかない修羅の恐怖を感じるんだな、複雑だけれど普通でいられる幸せというものを感じました。
  • 満足度★★★

    恋愛とう甘い響きはないです。
    三種の三角関係を拝見した感じ。1話目の女性意外は幸せな人居ませんね、様々な自己愛が絡んだ三つのお話です。役者さんは流石上手い!見てる側もメンドクサイ感が感染してる気がしました。3本目の人の話が聞こえない女の反応は可笑しくて、コメディっぽかったですが、幅があって長編にしたらどうなるか?興味が沸く作品でした。流石に短編では緊張感を作るのは難しいです。やっとTB完了

  • 満足度★★★

    超満員で新宿眼科画廊がえらいことに
    特別公演とは言え実力派劇団・鵺的の舞台を前売価格 2800円で観られるのだから俄然注目度も高い。座組もとても魅力的。
    それで、肝心の中身の方はというと満足度は決して高くない。途中から面白くなっていきそうとも思えなかった。
    芸達者を集めて下らない芝居をさせているだけ。期待がかなり大きい分、案外普通の出来栄えに拍子抜け。

このページのQRコードです。

拡大