新宿・夏の渦 公演情報 新宿・夏の渦」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    帰る場所
    この作品観ていて思ったこと。特に強く感じられたのは“帰る場所”。二人のママの帰れない場所と帰ることを望まれている場所の対比。方や皆のお陰で帰れない場所に帰り、方や帰るつもりなど無かったが、それを機に必要とされている場所を考える。オカマさんだから話としてわかりやすいが、彼らだけでなく、そういう人は少なくないだろう。それだけでなく、誰でも持っている不安が彼女達の生き方の中に見え隠れしていた。と思うのは、帰る場所が無くなったものだからだろうか?

  • 満足度★★★★★

    最後の歌
    わかったようなことを書く気はないけど、いろんなことがあって、またこれからもそんな人生を生きていくオカマちゃんたちが、太い声で歌う最後の替え唄に、何か意味もなく泣けた。

  • 満足度★★★★

    オカマたちの思い!
    いわゆる新宿2丁目で働くオカマたちで、彼女たちがそこに辿り着く経緯、そこで働く理由そして願いが演じられ、実家に帰りたくても帰れない心の葛藤が切ない。
    漂う空気は2丁目そのもの、曰くつきの周辺住人たちを絡ませ、信用はしてないが結束力の強いオカマたちの姿が垣間見られる。
    実際にいるようなオカマと明らかに演出用のオカマと組合せが面白い。

    ネタバレBOX

    少年時代に両性愛者と思われる義父に犯され、それがもとで家を出てきた主人公のミロ(オカマ)が、その義父がいる田舎に帰りたいと思わせるなら、実母の存在を出した方が現実的と思える。
  • 満足度★★★★

    異形なるもの…
     前回(金色の翼に乗りて)から一変、喜劇要素も含まれた作品。

     さて、我々はとにかくも生きている。
    社会というコミュニティの中で、あくせくと生きている。
     生きていくというのは、時として感情を内に仕舞い込んでいく事でもある。
     何故か?
    社会というコミュニティで生きて行く為には、やり過ごさなければならない事も多々あるからだ。
    ”正義”を訴え”正誤”を照らし合わせてみても、それは軋轢を生み、コミュニティから排斥される題材になってしまう事が往々にしてある。
    肯かれる方も多いだろう。

     この作品は二丁目のオカマのごく限られたコミュニティが題材となっている。
    しかし、”性”の問題ではない。
     一般的なそれからは逸脱した者たちが織りなすドラマである。

     “普通”という概念は何を取り立てて、何をお座成りにしているのか?
    この作品はそれを問いかけている。

     異形なるもの(=オカマ達)は、それを自覚しながらもある種アウトロウとしての立場から“普通”を自負する人々が自らが属するコミュニティに留まろうとする悪足掻きに物差しを当てる。
     その物差しは決して異形なるコミュニティ独特の物ではない。

     異形を毛嫌いし、蔑んで見る“普通”の中にいる我々のコミュニティの中で
    最も異形なるもの…、それは当り前の“正義”と当り前の”正誤”であるとこの作品は訴える。

     そういえば、最初苦笑いと共に観ていた彼等が最後には輝いて観えたのもその中にある“当り前”を押し貫いてみせるすがすがしさがそうさせたのかと気づく。 

    ネタバレBOX

    冒頭の進行速度は著しく遅い。これは狙いなのか?
    もう少し整理されても良いのではないかと思う。

    SHOWシーン(歌唱)はいただけなかった。
    オカマのSHOWには「見せてあげる」「魅せてあげる」という重要な要素があり、今回の演者にはそれが欠けている。
    ただただオカマに扮して歌を歌い上げますというだけならば冒頭の客いじりの方がまだ転換時間を稼ぐのに許せるかも知れないと思った。

    気になったのは、遅れてくる客の多さ。
    事情もあろうが、随分と遅れてきて芝居に見入っている客を邪魔して席に附くのはどうなのだろう。
    最後列を当てるとかの主催者側の対応が欲しい。
    特に今回は客が素に戻ったら付いていけなくなる不安があるし。
    ご検討願いたい。
  • 満足度★★★★

    「テアトルノワール」の名にふさわしい作品。
    森井睦氏の説く、フィルムノワールならぬ「テアトルノワール」の名にふさわしい、猥雑で哀感漂い、硬質なタッチの作品。


    ただ、私の趣味からいえば、やや盛込み過ぎの印象もあり。




    二宮聡演じるオカマが、嫌味なく、時おり爽やかさをも感じさせ好演。


    以下、ネタばれ。

    ネタバレBOX

    二宮聡演じるミロは、少年時代、義父にオカマを掘られた経験を持つ。が、ラスト、その父の待つ故郷へ帰る気持ちになる、という部分は、違和感として残った。

    この部分は不要だったような気がした。
  • 満足度★★★★

    厚化粧の下の悲哀...人間讃歌が素晴らしい
    本公演は上辺だけ観れば、軽妙な芝居であるが、その描く内容は崇高な人間愛...。
    舞台セットはパイプ足場のような造作が上手・下手にそれぞれあり、さらに舞台奥の上手・下手に平空間を設け、それぞれを別場面の演出に利用する。そのシンプルで、ほぼ素舞台で繰り広げられる“怪艶”にして悲哀な物語は...。

    ネタバレBOX

    梗概は、鯨飲が原因で急逝したゲイ。家族がその遺体を引き取りを拒否し、その態度に憤慨したゲイ仲間が、故人の実家まで遺体を届ける、前後するが、ゲイ仲間の愛人の裏切りに対する報復...その二筋を中心に絆とゲイが住む街の住人たちとの関わりを軽妙に描く。

    しかし、厚化粧という仮面に隠された悲哀...生まれもった性に違和感を持ち、性の自由を求めたゲイと呼ばれる人々。その人々は化粧の匂いとは別に本当の意味での人間の臭いがする。その漂いの総体は、例えばシャネルと言えば”5番”が代名詞(マリリン・モンローすの影響か)であるように、ゲイと言えば”二丁目“を指すほど有名になっている。そんな新宿二丁目を舞台にした公演…。芝居であるから本来はニオイは生じないはずであるが、この舞台からは独特の香臭が漂ってくるようだ。そして五感すべてを刺激し、夏の日照りとは別の意味でヒリヒリさせる。

    また歌・ダンスが随所に挿入され、これだけ観ても堪能できるが、ここには演出上の工夫がある。この歌は、通路や舞台と客席最前列の間のスペース、ダンスは、舞台客席側(前方)で踊っている。当然、演者にスポットライトを当てるから、後は薄暗がりになる。その中でキャストが舞台転換の作業をしている。暗転すると、その時間が長く感じられることから、観客の集中力に対する配慮であろう。また、歌・ダンスは二丁目のバーやスナックでの催し...劇場内がその場で、観客はまさしく飲みに来た”客”であり、臨場感を体感したことになる。この演出の妙が、全体的に魅力ある雰囲気を保っていた。

    テーマ性というと難しくなるが、男女という肉体的性別とゲイという精神的な異性、しかし、その前に人間としての感情...特に悲哀ある描写が印象的である。その描きは、社会的に弱い者や少数の異端と呼ばれる人達に対する優しい眼差しを感じる。
    その体現は、キャストが醸し出す妖しい雰囲気にある。同じゲイ役であっても、人間性は違う。そのキャラクターの立て方や魅力の表現は見事であった。

    なお、ゲイの家族感情にも同感する、そんな醒めた目で見る自分がいることも否定できないが...。

    最後に船戸与一先生のご冥福をお祈りいたします。
    またピープルシアターには、次回の船戸作品にも期待しております。
  • 満足度★★★★★

    ゲイ&芸
    ゲイが、芸で表現され、
    ゲイが芸により芸術に、そんな素敵な舞台。
    歌、踊りもあり、とても楽しめる舞台、
    でも、心にしみる場面もあり。

  • 満足度★★★★★

    船戸さん追悼に相応しい質

     初日を拝見。いきなり、この世界に引き込む序盤。この世界を知る者にはリアリティーを感じさせ、知らない人々にも興味を湧かせるであろう、虚々実々の世界を生身で生きる哀しさを描いた秀作。

    ネタバレBOX

     普段は、役者のことについて余り書かない自分だが、今回は船戸 与一さんの原作でもあるし、脚本で何処をどれだけ変えているかについては観てもらうことにしておきたい。ピープルシアター創立35周年記念公演の第一弾と銘打って催された今作、実は、客演が多い。その代わり、と言っては何だが、劇団を代表する役者、ミロママ役の二宮 聡さん、あばた面のガキと駆け落ちした熟年美女、勝代役の伊東 知香さんは不動にしても、いつも、役者魂を見せ、内容の伴った演技をして来てくれたサーシャ役の西丸 亮くんが今回も華のある演技を見せてくれた。彼の顔立ちが、オカマ役をやらせてこんなに美しい、とは思わなかった。普段、とても礼儀正しい、どちらかというと精悍な顔立ちの好青年なのだが、ホントにキチンと役を作ってくる良い役者である。客演陣も芸達者が揃って、下世話な雰囲気を盛りたてる。
     私ごとで恐縮だが、銀座、赤坂も好きな街ではあるが、最近では妙に大衆化したと思っている。それに引き換え、新宿、池袋は自分の若い頃から現役のごった煮である。其処が良い。ガキの頃は原宿・六本木、外人しか来ない店だけが粋だった頃の恵比寿等でも遊びはしたが、自分には、新宿、袋が合う。丁度、パリのピガール界隈という雰囲気なのだ。粋な店もあれば、下世話な店もある。おまけに人情があるのだ。この点では、宿、袋、ピガールは共通している。そこで必死に生きるおかまたちの孤独を描いて見事である。
     全体として、筋の展開、舞台美術・装置関連の手際など演出のバランスもとても良い。

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