満足度★★★★
新・冒険王
2002年のトルコの安宿でワールドカップの韓国イタリア戦を観戦する/しない人々の群像劇。数カ国語が行き交う同時多発会話にワクワク!気楽に笑わせてもらった。世代間ギャップが一番身にしみたかも。前回の「冒険王」より”歴史のお勉強”感があるのは少々残念。
満足度★★★★★
旅先での一部始終
タイトルは「冒険王」でも、中身は、作者(平田オリザさん)若き時に体験した、旅先の宿屋でのベッドのある部屋での出来事ながらも、日本人同士のふれあいさの会話が激動の1980年の世界観があって、とてもよかったです。
満足度★★★★
古き良きイスタンブールのあの安宿で
『冒険王』は純正<平田オリザ>タッチの現代口語演劇、『新・・』はソン・ギウンとの共同脚本・演出、と気づかなかった程『冒険王』の延長の態だが、韓国人観光客役を演ずる韓国人俳優が半数近く参入する事による変化はあった。韓国人の居る現代口語演劇、という実態を指しているに過ぎないかも知れないが。「純正」と書いたが、日本人だけが登場する「現代口語」芝居が辿ってしまうある種のパターンが、見られると途端に眠くなってしまい、前半の多くのエピソードをすっ飛ばしてしまった。もっとも後半の重要エピソードを成立させる伏線は、後半だけ見ていても判る。『冒険王』は平田オリザの実体験に基づく事から、その時代の断面をイスタンブールのバックパッカーたちという切り口から見せてもらってる(歴史を覗き見してる)感覚があり、平田の個人史と世界史の重なり合いを、また平田氏が味わっただろう感覚を、追体験するものとなっていた。<果てしなく続くと思われる現状は、たやすく変化する>。。
一方『新・冒険王』は、そこに登場する韓国人たちのリアルが、劇の行方を追いかける観客の関心を牽引し続ける。韓国語、英語、日本語を介して行なわれるコミュニケーションの様々なパターンが、克明に描かれていた所は唸った(海外経験の多い平田氏にとってはそれらは「日常」の範囲内であるかも知れないが)。日本人(側)の中には一人の在日が居り、韓国語は少し習っていて判る。見学にやって来るアルメニア系アメリカ人の女性は日本語、韓国語、中国語もある程度話すという。韓国人青年のガールフレンドになった日本人女性は日常会話程度は板について一緒にサッカーの応援をしている。個々が抱える問題も劇中に語られ、各様の人生模様があり、その中に国籍・民族を違えたゆえの関係の模様がある。民族問題が決して前に押し出されていない所が「リアル」である。
戯曲としての完成度は『冒険王』の方にありそうだが、外国人俳優の参入で民族的カオス状態がそのままリアルに再現されている事じたいが幸福だと感じてしまう。イスタンブルの良き時代へのノスタルジーをくすぐられた(行った事がないにも関わらず‥)。
「冒険王」「新・冒険王」
平田オリザさんの講演会は何度か行きましたが、お芝居を見るのは初めてです。お芝居にリアリティを求める私ですが、実際あんなふうにしゃべられては誰のセリフを聞くのがいいのか分からないし、背中を向けられたら聞こえづらいです。「新」になると英語や韓国語も混じってどれを聞いたらいいの?はさらに加速され、それに字幕も読まないといけないし(これは現実世界にはありえないけど・・・)で混乱しましたが、聞きとれないのはそれはそれでいいのかなと思うことにしました。そしてお芝居なんだから、お芝居らしくてもいいじゃないかと、他の劇団を思いました。とは言え、これはこれで面白かったです。
これが自伝的戯曲とは、今の平田さんからは想像もできないです。(講演会での平田さんしか知りませんが)
満足度★★★★
【新・冒険王】韓国人演出家とのコラボ成功!?面白かった。/約140分
青年団としては珍しく、生き生きとして活気にあふれた一作。
深刻な事柄も扱いながら、全体としてはドタバタ味の強いシチュエーションコメディみたいで、楽しく観ました。
青年団でこんなに笑ったのは初めてかも。
韓国の演劇人との共同脚本・共同演出の賜物か?
だとすれば、とても良い科学変化が起きていたと思います。