キタイ 公演情報 キタイ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    命と放射能
     1957年11月3日、ソ連は、宇宙飛行犬、ライカを載せた地球周回衛星を打ち上げた。今作に登場する犬士達は、ライカの子供達ということになっている。

    ネタバレBOX

    此処まで書けば、誰もが「南総里美八犬伝」を思い出すだろう。その通り。今作は、様々な借り物によって成り立っている。ゝ大法師が登場するが、その役割も八犬伝と共通である。但し、犬士達の能力は、其々が持っているロボットの能力である。彼らは各々ミッションを持っているのだが、気付いていない者もおり、兄弟で敵対している者もある。ところで、肝心のミッションとは、城を目指し天主を取ることだ。
     兄弟同士争っていた者も、員外とされて居た3名も加わりミッション遂行に邁進するが、難易度はいやが上にも高い。当然、全身全霊でぶつかった結果力尽きることもある。だが、やらねばならぬ。体制に仇為すとされるが故、その切れ味とは裏腹に名刀ではなく妖刀と世間では呼ばれてきた村正をもじった村雨が神剣として扱われているのは、敵対する者が、圧倒的反動と理不尽という怪物である為、権力によって、仇為すものとされた勢力の象徴として村雨と名付けられた宝剣が大きな意味を持つのは当然である。
     察しの良い読者は既に、敵の正体を正確に見抜いたと思うが、まあ、もう少しお付き合い願いたい。
     城はF1人災事故中枢に在る。ここから排出された放射性核種は200種以上。半減期も様々である。ウラン系のものでは、α崩壊を起こす核種の半減期が長い。興味のある人は調べてみるが良い。(たまには自分で調べろよな。ヒントはあげているのだから)さて、本題に戻ろう。誰しも知っているように、そして分かったつもりになっているだけであるように、放射性核種は、一切、五感では捉えられない。五感で捉えることが出来ないから、知的に考えることが出来ない人、生き物には、危険が具体的なイマジネーションを産まない。だから、村雨なのである。村雨は、この危険極まりない放射性核種(物質)を可視化する染料なのである。これをメルトダウンを起こして現在デブリとして堆積しているであろう炉心へ注入するのである。
     作劇方法が言葉遊びを基本としている為、凄まじい破戒や人間のみならず地球上の全生命への危険は、その分減殺されているので、核物理に詳しい人は、己で実態を予測するが良い。一般の観客には、このように柔らかい感覚から入ってゆける方が良かろうし、素直に言わんとすることが通じよう。
     同時にF1事故から4年が経ち、人々の気持ちも事故当初の打ちのめされたようなメンタリティーよりは、対象化できるようになっている方が多かろう。だが、矢張り、忘れてならないことは、放射性核種が与える圧倒的エネルギーが、生命維持に対して如何に甚大な被害を及ぼすかについてである。放射性核種によっては半減期が44億7千万年などというものもある。生命に安全なレベルまでこの値が下がる為には更に10倍の年月を必要とするから、そんな先には、地球は無論、肥大する太陽に呑みこまれて跡かたも無い。だが、そんな遠い未来ではなく、我らの子が、孫が、我ら自身が、重大な危機に晒されていることをキチンと押さえている点を高く評価したい。
  • 満足度★★★★

    熱い言葉遊びの奔流
    阿佐ヶ谷ザムザで劇団ガソリーナ「キタイ」15時開始回を観てきました。
    熱い言葉遊びの奔流。
    冷めた軽い言葉ではありません。
    自分みたいなおやじには熱い言葉が必要です!
    最前列1mも離れていない目前でのラストの主人公たちの叫びに震えました。

    どうでもよいことなのですが、、、一番前で観るのがおすすめですかね。
    劇場に入ると舞台にはたくさんの風船。
    ライトの灯りが光沢のある風船に反射し、
    たくさんの風船のほぼすべてに目があるように見えるのです。
    たくさんの風船たちがこちらを見つめるのです。。。。
    すごい光景でした。
    そんなこと考えているのは自分だけかなあ。。

    ネタバレBOX

    一番前で観ていると風船がたくさん飛んできます。
    おおさわみきさんが元気よく歩きまわして蹴飛ばした風船が
    自分の顔面すぱこーんっってあたりました。
    それがちょっとうれしかったり(^^)
  • 満足度★★★★

    キタイ通り。
    説明の通りでした。
    ハイスピードな言葉遊びが怒涛のように迫ってきます。
    台詞をセキタイさせることのないよう、どうぞお聞き逃しなく。

    床一面に敷き詰められた風船は圧巻でしたね。
    風船が割れる音が苦手な人いたらたまったもんじゃなかったでしょうけど(笑)

    ロボットが八体登場するわけですが、舞台上には一体も現れず。
    でも観客一人一人の脳内にはそれぞれが思い描く八体がしっかり現れていたことでしょう。

    そこかしこに仕込まれた言葉遊びに、
    日本語って面白いなあと色んな言葉を浴びながら過ごした時間でありました。

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