見ズ溜マリニ映ル青空ハキレイデ。 公演情報 見ズ溜マリニ映ル青空ハキレイデ。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    得した感じ…観応えあった
    まず、客席反対側に本が平積してあり、作者なる人物がキャスト一人ひとりに本を渡しながら役柄(例えば、軍人、絵本など)を指定する。この段階でインプロかと思った。しかし、実際は異空間による並行展開する物語であり、それは観応えがあった。ただ印象としては教訓的すぎたこと、同じ場面の繰り返しがあるようなので、その場面の必要性についてもう少し説明が欲しかった。そして一番気になったのは…。

    ネタバレBOX

    物語の進行役が二人いるように感じた。つまり、物語の作者と物語の中の図書(館)がストーリーテラーのようで、現実と本の中(夢幻、幻想)の世界観の区別が曖昧になり、覚醒してから本公演のテーマなり主張にインパクトがなくなった。既に本の中で語られてしまったかのようだ。

    本の中での話が前提である。そして、自分は誰か、何をしたいのか、あの日(時)に戻りたい、もっと自由で楽しいことがある、など人間か持っている願望が紡ぎ出される。しかし、隣の芝居は…の喩えのように実際は目の前の幸せを見つめていない、感じていない。そのことを認識しないから過ちをする。
    本の中(内容)は変わらず、いつもハッピーエンドである。しかし、本の主人公はいつもと違い、もっと自由を望む。しかし、現実は厳しく本の中が恋しくなる。本を介して、その中の登場人物と読者(現実)の思いの違いが語られる。人間の内面・願望と現実との対比を見事に描き出した公演であった。
    総じて若い役者陣であるが熱演であった。ただ台詞について、大声を張り上げているような場面もあり、一考が必要だと思われた(特にSEと被った時など)。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    無題1453(15-101)
    19:00の回(曇)。18:30会場着、受付。入って右が客席(2段)、向かい側にはいろいろな本が置かれ、その間には劇場の平台が3つ並べてあり、男性がひとり。

    こちらは初めてですが、藤谷さんの公演「新赤と白(2015/3@B1)」で知り、観に来ました。藤谷さんは3作目、小田さん「少女博愛主義(2015/2@だるま)」。

    終演時にお訊きするまで日芸が母体だとは気付きませんでした。

    SFでいう「時間もの」ともいえる作品。置かれていた本からスタートし、「運命」「定め」の内側で生きるということ、取り返すことができない過去。これらが(やや難解かもしれませんが)並行世界のような2つの世界の中で交差、「作者」と称する男の誘導で書かれた文字から浮かび上がる物語はなかなかのものでした。

    ちょうどアシモフの「永遠の終り(The End of Eternity/1955年)」を再読しているところで、少し似ているところがあるかな、と思い観ていました。

    藤谷さんの絵本の中の赤と青(水色)、黄色いレインコートだけが色らしい色を持った舞台。学生らしさを残しながらもとてもよい印象を持ちました。主宰の平澤さんは2年生。私が「日芸」を意識したのが、この会場での生活図鑑「凹(2013/9)」。もう卒業した人もいますが、あらためて層の厚さを感じました。

    役者名に配役を併記していただけるとありがたいです。

    ネタバレBOX

    未読ですが「時間泥棒」J.P.ホーガン(創元SF文庫)がありますね。

    SEの雨音、もう少し抑えた方がセリフが聴きやすくなると思いました、役者さんも少し大きな声になってしまいトーンが変わったように感じたので。

    二人が同じセリフを言うシーン、よくハモッていました。

    藤谷さんは絵本の中の無邪気なキュラクターから始まり、童話のなかの毒をみせるなど本作でも公演。

このページのQRコードです。

拡大