満足度★★★★★
血と現実
これまでアイデンティティーの危機についての作品を発表して来たMayの新境地。作・演出の金 哲義氏の実体験に基づく、北朝鮮のドキュメンタリーになっている作品だ。日本では伏せられている情報を含め、理解されたいという個人的インセンティブより、寧ろ時代の変遷に追い立てられるようにして生きている世界中の人々の今を浮き上がらせて鮮烈である。(少し追記2015.3.28)
May作品の凄さは、登場する人物達が、それが常にあり得べき何かとして描かれたり、人工的な型として描かれるのではなく、怪我をすれば血を流す生身の人間として描かれていることだ。(更に少しネタバレに追記2015.3.29)