満足度★★★★★
今作も言うまでもなく宮崎弁演劇です。/約100分
いつもは小品の趣がある小松台東作品。
が、今回はいつもよりスケールが大きい印象を受けた。
これまでの多くの作品と同じく家族を扱い、上演時間もこの劇団としては平均的な約100分、小屋も小さめなOFF・OFFシアター。家族という小集団を描き、尺もほどほど、会場も狭いのに、デッカい印象を受けたのは、今作が内藤家の未来、ここでは途絶えずこの先も続くであろう一家の歴史を予感させる内容を持っているからに他なるまい。
余韻を残すような終わり方は一家の「この先」を否応なしに想起させ、じんわりじわじわと感動が込み上げた。
タイトルに「暗く」とある通り、色んな事が重なって内藤家の面々の胸の内はきっとどんよりしているに違いない。
それでも舞台上に騒々しい時間が流れて彼らが時には白い歯を見せ、客席にも笑顔が咲くのは、色んな人々が内藤家に出入りして茶の間に明るさを持ち込み、家を活気づけるからだろう。
なんだかんだありながらも内藤家がお家断絶を免れそうに思えるのは、この「内藤家を取り巻く人々」が離散しそうな一家を温かく包み込み、そうとは知らずに束ねているからに他ならない。
この意味で本作は、チラシにもある通り、まさに「絆の物語」と言えよう。
このあったかい「絆の物語」に涙したお客さんもおられようが、私は泣くまでには至らず、その代わり大いに笑った。
とりわけ内藤家の家長・晴夫の部下役の永山智啓、晴夫の友人役の瓜生和成の交わすスッとぼけたやり取りには爆笑!
そして、浅野千鶴さん演じる娘があたかも素で笑っているかに見えるいくつかのシーンには微笑を誘われました。
満足度★★★
好みがあるかもです
こちらの作品 評価が高いですよね。
作り込みが繊細で 本当によく仕上がっていたと思います。
その上 俳優陣がすごかった。
すごい作品だと思うけど「あるあるネタ」による小笑いの連続で
好きな人には好きなのかな?とは思いましたが 私にはまったくヒットしませんでした。
お客さんも ヒットしてる人は毎回ヒットしてるし
ヒットしてない人は毎回シーンとしてるように見えました。
ヒット出来ない人にとっては 『自分は笑えない』という妙なマイナス感情が湧いてきてしまうという・・・。
そんな私のあるあるネタでした。
満足度★★★★★
あとひくうまさ
うまいなあ。
うまいですよ。
それしかいえない。
観入りました。
最初観 た 「デンギョー 」もだったけど
芝居じゃなくて
舞台じゃなくて
体感。
あとひく。
満足度★★★★
あたたかさ(と優しさ)に触れてきた
別居していた父が一緒に住むつもりで十数年ぶりに帰ってきて困惑する息子と娘、特に娘は強い拒絶を示し…な、謂わば小松台東版「父帰る」?
前半はピリピリした緊張感を程好いユーモアで緩和し、切なさを経て優しさを漂わせ終わる構成が絶妙。
特に終盤で、当人は全く意識せずにやっていることに関しての指摘があるところ(ネタバレ回避だとこんな表現になってしまう)、好きだし、巧い。
しかもそれを少し後に応用(二次利用?(笑))するもんなぁ。
また、中心となる親子三人もさることながら、ワキに配された人物の個性がそれぞれに豊かで「物語に色を添えている」のもイイ。
家族ネタに弱いことを差し引いてもいいモン観たなぁ…。
なお、タイトルにある「暗く」は感じなかった。