あたしゃあなたの、 公演情報 あたしゃあなたの、」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    丁寧なお芝居
    都会暮らしと田舎暮らしのどちらが良い、などという単純比較はできないだろう。その場所に住むには理由や動機があるものだが、本公演では、その田舎暮らしの不便さ、厳しさがあまり感じられなかった。逆にその種の問題や課題を超えるようなヒューマニティー溢れる描き方が強調されている(「リージョナリズム」というほどではない)。その展開が自然であり、日常生活を切り取ったようである。
    そのように観える理由は…

    ネタバレBOX

    脚本の力と演出の妙が上手く作用し観応えのある作品に仕上げた結果である。さらにキャストの演技(特に小川剛生サン)がよく、役柄としての人間性とその土地に住む人間味が醸し出されており、観客の心を温かくする。
    この公演では、母娘、兄妹、夫婦および近所付き合いという生活の基盤となるような関係を中心にしつつ、そこに抱える問題、悩みを吐露する場面が秀逸である。過疎化、高齢介護という身近な社会問題をあまり深刻にならないよう、努めて明るくユーモラスに描く。そして展望が見出せるような結末が、やわらかな日差し、そぅ小春日和を感じさせる。ラストシーンの心地良い余韻…見事です。

    今後の公演にも期待しております。
  • 満足度★★★★★

    タイゼツ ベシミル!!

     日常を演劇化することは難しい。ドラマがともすれば日々の繰り返しに埋もれてしまうからである。その難しさに今回“ぐらうんど・れべる”は、挑戦し見事成功を収めた。

    ネタバレBOX


     芝居の三要素、シナリオ、演出、演技これらの何れも質の高いものであるのみならず、作品を丁寧に仕上げている。関わっている人総てが、この作品を愛しているのが伝わってくるような舞台である。
     聞けば、演劇集団、円に所属していた方々が中心になっているとか。道理でチェーホフの本質を掴んだ作りである。上演中故、作品の本質論については、別稿に譲るが、人の心の温かさと自然と関わることの厳しさ・融和を品さえ感じさせるユーモアを交えながら描き、とても上質な舞台に仕上がっている。

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