続・遺失物安置室の男 公演情報 続・遺失物安置室の男」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★★

    世紀末!
    諸君!妖怪の宴を見たことがあるか?!(笑)


    ワタクシ、これほどまでに『観てきた!』UPが楽しくて仕方がなかった事はないっ!(^0^)


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    まず・・・役者はニンゲンではない。
    地の底から這い上がってきてもなお、自分達の居場所が見つからなくて、痩せて汚れてうろつきまわる妖怪!(笑)

    誰もがみんなどこか壊れてて・・

    だけど今、生きてるニンゲンと大差ない。

    妖怪が演じるものは幽霊!(こっちも大差ない)

    裏の薄汚れた通路から出てきた幽霊は全員が目の下にうっすらと熊飼ってます!状態のクマの持ち主たち。。

    歩く姿はバイオハザード並みのうつむき加減に加味して焦点が合わない瞳は崖っぷちまでイッチャッテルレベル。。

    管理人と誰かが話してる間、他の幽霊たちは怒りと悲しみと苦しみと憂鬱を心のそこから湧き上がってくる抑え切れない感情をうろうろと虚ろにうろつき回って、死体を数えるような陰気な声で時折、発する!(笑)


    「こりゃあ、死んだらあかん!!」って思いっきり思うわさ!(^0^)



    遺失物を預かって管理する管理人のところに幽霊たちは、自分の思い出の品や、手元に置いておきたくないものを預けにきたり、はたまた、探してるものを見つけに来たりする。。

    管理人の動きや他の幽霊の動きがいい。。

    全員が汚れた服に敗れた靴、汚れた顔で登場する。

    動きも表情も異次元の世界に徹し、以前、映画で観た「地底人」のような動きは非常にリアル感があって、それでいてコミカルなのだ。。

    遺失物の最大のテーマは物ではない。

    記憶なのだ。


    記憶の喪失、これが生きていく上での痛みなのである。

    記憶をなくすと言う事は自分の家族、生きた証、時間、過去、それらの全てを喪失することである。

    管理人は自らの傷口から噴出し続ける鮮血のような嗚咽で悲しみを叫ぶ。
    そこでストリッパーが裸になって彼を包み込むように抱くのだ。。

    脱ぐ事が必要か?
    疑問に思う観客もいたはずだ。

    しかしながら、この場面、裸になって抱く!という行為は非常に必要なのだ。


    この展開、彼にとって女性は癒しなのだ。
    諸君!切り裂かれるような痛みに耐えかねて叫びたい気持ちになった事はないか!?

    そんな時、女性が傍に居て柔らかい肌と心地よい体温の感触でふんわりと笑いながら包んでくれたらどうだ。

    それだけで、自分は一人じゃあないって気付くはずだ。。


    演出家はたぶん、その心が満たされる状況を演出したかったのだと考える。


    だから、裸なのだ。。



    そうして舞台の後方で繰り広げられた人形劇。

    あれは過去を表現したのではないか。と感じる。。
    まるでターンテーブルをくるくる早く動かしたみたいに、早口でしゃべる効果。


    そう・・・記憶なのだ。管理人の記憶。

    時間を短縮させ、走馬灯のように記憶を圧縮して魅せる手法!

    非常に素晴らしい!



    たぶん、これ程深く、陰気でコミカルで、悲しく切なく、楽しい舞台には中々出会えないと感じる。


    構成も素晴らしい!

    ただ、観客がこのレベルを理解してくれるのだろうか?
    要は観客の見る目にも力量が問われる舞台なのだ。。



    この舞台に脚本家はいない。

    役者達全員が話し合いながら作った舞台らしい。




    そういう意味では全員がぶっとんだ人たちなのだ!(^0^)


    この舞台、ハマル人はハマル。

    次回も必ず誘蛾灯のように引き寄せられて観に行くはず。




    ワタクシ、魂をそこに忘れてきたから、取り返しに行きますわ!(^0^)


  • 満足度★★★

    観客は弔問客
    喪服でのお出迎え、白と黒の舞台、なにやら汚れた世界が静寂の中始まって、何故か倒れそうな人ばかり、泣き叫ぶ声がやたら多きいい。異様な管理人は少しコミカルな雰囲気を持ち合わせているのに押し殺しながらの演技はなかなかいい。ヌードダンサーが上半身脱ぐ!にはちょっとシチュエーションに無理がある。ドレスが床に落ちて後ろ向きのヌードになったほうが効果的と思う。人形芝居はやたらうるさく必要ない感じ。相対的に泣きがもう少しレベルアップされたら・・・尚よかった。

  • 満足度★★★★

    とても不思議な世界・・
    とても不思議な感覚にとらわれました。

    なんと言うか・・、とても不思議な世界。

    そんな中、表現者(役者さん達)の熱演は全員素晴らしい。

    演劇が、普段自分達の知らない世界を切り取って観客の前に表現してくれるという芸術だとすると、とても演劇らしい作品だと思いました。

    ネタバレBOX

    普段、比較的わかりやすいお芝居を観る事が多い自分には、ストーリーは、正直な感想を言うと、最初少し入りにくかったように思いました。

    まず遺失物、安置物を一人の男が大切に管理しているという設定自体、現実離れしていて不思議な感覚にとらわれる。

    男は物をまるで生きているかのように大切に扱い、訪れる客も、不思議な遺失物を尋ねてやってくる。

    現実にはありそうもない世界なのだが、いつのまにか物語の世界に引き込まれたのは、やはり表現者(役者さん達)の素晴らしい熱演ゆえだろう。

    役者さんの身体を張った演技に感謝。
    ことに、件の女優さん、自分はあのようなシーンは舞台で初めて観たのですが、とてもキレイだと思いました。
    (自分は男性ですので)☆一つは、あの女優さんに・・。
  • 満足度★★★★★

    とても面白かったです。
    私は「遺失物安置室の男」を観ていないので、そちらを観ていたらもっと様々な事に気付けたり、より多くのことを理解できたりしたのかもしれません。
    けれど今回の「続・遺失物安置室の男」を単独で観ても、私はとても面白い作品だと思いました。

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