宇宙のこども 公演情報 宇宙のこども」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    大仰に過ぎる
    タイトルのこと。私が観た回は観客に女子高生の集団がいてだからというわけではないがメインとなる出演者の年齢設定も20代前半ということもあってその辺の年代に向けて書かれた印象を持つ。客は若者ばかりではない。好きだのそうじゃないだの付き合うだのそうじゃないだの童貞だのそうじゃないだのそういう話題では少なくとも私は楽しめないしほとんど笑えていない。現実味を帯びた会話ややりとりは平田チルドレンならではと言ったところだがそれは私が演劇に求めるものではないので評価の対象外。たぶんあてがきのはずで観客はあてがきであろうとなかろうとどうでもいいのだがあてがきゆえのおもしろさは当然あるのだがその逆もあって時にあてがきしてんじゃねえよという感想を抱く。(あてがきじゃなかったら土下座。)何よりも今作品で何を言いたかったのかやりたかったのかが伝わらなかったが、かと言って今作品で見限る人でもなさそうでいずれまた観たいとは思った。

  • 満足度★★★★

    ほのぼの
    宇宙が進化し続けているように、宇宙の子も進化しようと本能の赴くままそこそこに行動していました。

    ネタバレBOX

    超新星爆発によって重い原子ができ、その後初めて宇宙に生命が誕生したのかどうかは知りませんが、私たちの身体は様々な宇宙の素材から作られています。そんな宇宙の子である何組かの男女の恋愛事情を、と言っても好意を寄せる程度のこれから発展していきそうな恋愛を描いた話。

    片思いの気持ちが伝わったり、普段から一緒にいる二人は口にはしないものの相思相愛だったり、桃尻犬でワカメを吐き出していた野田慈伸さんはモテ男役で本命と上手く行きそうだったり、あわよくば程度の下心を持つ賑やかし陣はその程度の役割を果たしたりで、ただただほのぼのしていました。

    優等生型の女性はだらしない男に惹かれるのか、ラストでちょっと波風が立ちそうな雰囲気はありましたが、その女性は北海道へ引っ越してしまうわけで、結局は何も起こらないのでしょう。

    クスッとはしましたが、その程度のことでした。
  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    玉田企画の【宇宙のこども】を観劇。

    大学生の旅行先の旅館での顛末を描いた話。

    温泉を浴びて、卒業後に実家に帰ってしまう友人のお別れ会を始めるのだが、やはり話題の焦点は、誰が好きか嫌いかの話題で終始盛り上がっていくのが玉田企画のパターンである。
    概ね描くのが思春期の若者が多いのだが、その中で男性視点、女性視点をきっちり描き分けているのが良いところで、ほぼ恋愛問題しか描いてないのだが、恋愛問題の中だからこそ見えてくる、男性と女性の違いを浮き上がらせてくる辺りは上手いところだ。
    巷では恋愛問題を扱っている女性誌、男性誌などが沢山出回っているが、玉田企画の芝居を観ていれば、その辺りの悩みは簡単に解消してくれそうだ。

    お勧めである。


  • 満足度★★★

    にじり寄り
    面白い。90分。

    ネタバレBOX

    加藤(木下崇祥)…片山と仲がよくて好き。後輩を脱がせる。
    片山(小瀧万梨子)…加藤と同郷。里見とも仲良し。
    里見(黒木絵美花)…母の看護のためなくなく帰省する。
    澤田(成瀬正太郎)…里見が好きでマフラー渡したけど、石鹸にしとけばと後悔。
    鈴木(重岡漠)…澤田の同期。童貞。全裸になりたがる。
    清美(村井まどか)…加藤の姉。旅館地下のバーのママ。森が好き。
    久子(墨井鯨子)…清美の店のホステス。槙尾が嫌いで森が好き。
    有美(鄭亜美)…清美の店のホステス。森といい感じ。加藤と同郷。
    森(野田慈伸)…清美の店の従業員。有美をレイトショーへ誘う。威圧感あり。
    槙尾(折原アキラ)…清美の店の常連客。スーパーの店主。嫌われ者。

    里見の送別会でサークル仲間?で加藤の実家の旅館に宿泊。そこかしこで男と女の「にじり寄り」が展開する舞台。
    好意持ってる同士がちょっとずつ距離を縮める様を面白く描き、結構笑える。が、90分の時間だと中だるみはするかなと。ATで作演が、くだらないものだけを書きたいと言ってたけど、それだけだと飽きちゃうかなと。ニヤニヤできる舞台は好きだけどね。
    里見の悩みみたいなとこもちょっとはあったけど、やや宙ぶらりんな気もするし。リアリティな舞台なんだろうけども。

    槙尾の悪口さんざん出た後の折原アキラの登場シーンはウケた。あと、鄭亜美のかわいくて病的な声がやはりいい。ゲスト・田川の不幸論もウケた。玉田真也は見た目の優等生っぽさとウラハラに、しょーもない話が好きという変わった人だった。
  • 満足度★★★

    会話のリアリティがいつにも増して凄い/約85分
    サービスよりもリアリティ。今作はそう割り切って創られたんじゃないだろうか?

    それくらい、交わされる会話がリアルだった。

    その代償として、笑いもストーリー性も前2作より乏しく、全体としての面白さには欠け、★も3つとさせてもらったが、会話のリアリティを極めようと頑張った挑戦作として、私は興味深く鑑賞。

    作・演出の玉田さんは今作において、笑いや物語性を犠牲にしてでも、“我々が日頃しているような会話”の再現にこだわりたかったのだろう。
    リアルな会話への偏執傾向は玉田企画のどの作品にも窺えるが、今作はそれが図抜けているのだ。

    ギクシャクした会話、ギスギスした会話、テンションに大きな温度差のある二人の会話、盛り上がっているのに時々ふっと静かになる会話など、我々が日々の生活で実際に出くわしたり、自身も体験したりするような種々の会話がさながら見本市のようにギッシリ詰まっているのだ。

    一番興味を引かれたのは、盛り上がっているのに時々ふっと静かになる会話。
    盛り上がっている会話が演劇で表現される場合、作り手は会話のドライブ感が削がれぬようハイテンションを維持しようと努めるものだが、本作ではいわゆる“天使が通る”瞬間が意図的に入れ込んであり、“あるある、こういう会話”と感心しながら見入ってしまった。

    ひょっとしたら、この種の会話が舞台で表現されたのは演劇史上初めてなのではないか?
    そう考えたらちょっと興奮した。


    しかし、タイトルは変えられなかったのだろうか?
    内容とまるで噛み合っていない。
    「宇宙の」なんて大層な言葉が入っているが、いつもながらの日常劇ではないか。

    ネタバレBOX

    会話といえば、大学生の男女が終盤に交わす会話も興味深かった。

    子供の頃に体験した“ウンコ神輿事件”を嬉々として語る優(まさる)と、それを聞いている裕子。
    聞いている裕子は途中から白い歯を見せ、笑い声さえ上げるのだが、優の話を本気で楽しんでいるのか、お追従笑いをしているのかが最後まで判然としないのだ。

    話をしていて、相手の笑いが本物なのか愛想笑いなのかハッキリしないことはよくあるが、玉田さんは“その感じ”まで表現してのけたのである。
    これには恐れ入りました。。。

    あと、飲み屋のママが、酔客のするどうでもいい話に生返事のようなテキトーな相槌を差し挟む感じも実にリアルに表現されていて、これにも感服。

このページのQRコードです。

拡大