タケルのミコト!【アンケート即日公開】 公演情報 タケルのミコト!【アンケート即日公開】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    コメディタッチであるが怖い
    グリーンフェスタ2015参加作品であり、一般審査員としてこの作品を審査させてもらった。その関係で感想は授賞式以前には公表しなかった。
    なお、この感想は審査評を「こりっち」用に一部書き直した。

    第一印象は、「レイシズム」を感じさせるような公演であった。
    遺伝子操作、出産前の異常認識など、「尊厳」「残酷」の思いの狭間で苦悩する姿がよく現れていた。しかし、命の尊さを命題にしている割には、殺陣で何人殺害したのだろう。芝居である以上、ある程度の観せ方があると思うが、「生命」を問う命題に対する矛盾した行動に違和感を覚えた。
    この公演の見所は次の点にあるのでは…。

    ネタバレBOX

    第一は、生命に対する「尊厳」とそれに対する「冒涜」という、“善・悪”の対立構図を描くことでより分かりやすく芝居を観せたこと。
    第二に、難しいテーマに対し、現代的思考からかけ離れた時代設定(古事記)にすることで、固定されたイメージから解き放ち自由にそして幅広く受容できるように工夫していたこと。
    そして殺陣などのアクションの魅力を盛り込む。
    芝居を観せる力はあったが、テーマ・命題の表現矛盾が魅せる力を削いだて思う。その結果、観客の趣向(好き嫌い)が左右される。

  • 満足度★★★★

    過去っぽく見せてるが
    遺伝子操作と出生前診断の是非や福祉の問題に踏み込んだ?物語かな。ただ、そういう物語でありながら、あの設定(時代?)にしたことにより、
    殺陣がででくる物語としても違和感なく見れた。面白かったーー!

  • 満足度★★★★★

    (*゚▽゚)ノ面白かったです。
    (*゚▽゚)ノ凄く面白かった。この題材でこのテーマ、どうやって結び付いたのだろうか。大昔の話なのに現代の抱える問題をえぐる。それでいてとても面白かったし、泣けた。また次も期待したい。

  • 満足度★★★

    詰め込みすぎ
    古代歴史においての愛憎や、命・生命の尊さを述べられているようだが、少し詰め込みすぎのように感じた。殺陣は見事であったが、何度も繰り返されているため、くどい印象を受けた。

  • 満足度★★★★

    心に突き刺さる台詞
    出生前診断について本当に考えさせられた作品でした。でも重いだけではなくバッコスのアクションは健在でいつもよりもかなり多目だったと思います。三人の魔女も一人ひとりがよかったなぁ~。これから親になる夫婦やカップルに特に見てもらいたいと思いました。

  • 満足度★★★★

    ヤマトタケルの真実
    迫力ある殺陣に加え、笑いどころも多々あり、大いに楽しませてもらった。

    ネタバレBOX

    物語としては出生前診断や中絶、身体的ハンデや介護の事まで取り上げられており、現代劇では中々テーマの重さゆえに難しかったかもしれないが、そこを日本神話を舞台にして表現した点に感心。重々し過ぎず、しかし深く考えさせられる内容になっていたと思う。
  • 満足度★★★★

    無題1389(15-037)
    13:00の回(雨)。12:05会場着、1Fエレベータ前で待つ(ここで整理番号券を受け取り、その番号順に入場)。12:15受付、12:30開場、最前列はミニ椅子。

    こちらはしばらく観る機会(前回は「白夜王アムンゼン(2012/1@BIG TREE)」がなかったのですが、森山彩美さん(5作目)が出るので観に来ました(初めて観た「ノミの心臓(2013/5@711)」の再演が2/10から始まる)。

    正面奥に段差をつけただけのシンプルな舞台(ということは動きやすいということかな)。

    「古事記」を題材にしたものを観たことがありますが、本作は「いま/これから」についても語られ、面白い組み合わせだと思いました。当パンに相関図と鑑賞の手引き、終演後、受付で作品解説をいただきました。

    本質的に、重くなるだろうテーマですが、そうならないよう、でも観客に考えてもらいたい「温度」に配慮されたのではないかと思いました。もっと知りたいときの参考図書は「作品解説」にありましたので。

    森山さんは前回「石影さま、京都行くってよ(2014/5@B1)」の時に比べ、ずいぶん精悍な顔つきになっていました。

    個人的には「3人(ひとでいいのか?)の魔女」というのが好みで(マクベスですね)、本作でもキャラクターの違いがよかったと思います。

  • 満足度★★★★

    イザナギ/イザナミの創世神話とヤマトタケルの物語、これらをよくこのテーマと繋げたなあと
    ※ここに書くのは現地でもらうパンフレット+ご鑑賞の手引き、
    に記載されている内容です。
    ご鑑賞の手引きはフライヤーの数枚後にあるので分かりにくいですが、
    かならずこの2枚には目を通した方がいいです
    (物語の面白さ度合いが変わります)。

    演技、演出、舞台構成面には
    「若さ(劇団、役者さんの年齢は知らないですが)」が
    出てしまったかちょっと拙い面もあるかと。

    しかし、ヤマトタケルの物語と「出生前診断」、
    そこから始まる現代社会の「不幸」(あるいは違う「幸福」の形と捉える?)を
    見事に物語として成立させているかと。
    (ひさびさ観た演劇の中でこの「テーマ性」は重いというか重要すぎます。)

    また、物語の半分近くを占める殺陣、立ち回りの数々についても
    アクション上手が絡み合った場面など、見どころ多々あり。

    笑いの取り方もまずまずで、見どころ(何より考えどころ)のあるお芝居でした。

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ 日本史や創世神話、ヤマトタケルなど全く知識のない自分でも
      パンフレット+ご鑑賞の手引き
      で、予習出来ていたおかげで、
      史実(伝説)部分とフィクション(創作)部分とが
      上手く組み合わさっている(脚本の巧みさ)のを
      理解しながら観劇できました。


    ・ 1時間50分のうち、半分近くの時間を使った殺陣、立ち回りは壮観。
      先にも述べましたがアクション上手同士が絡むと
      見事な大技が炸裂し、「この小舞台の上でよくもまあ」と驚かされる事しばし。

      ただ、本物語は何よりも「物語」自体と「テーマ」性の方が重要だと感じましたので、
      もう少しお話部分に時間を割くべきだったかとも思います。

      ※ 何よりもいくら良い殺陣も繰り返されれば飽きてしまいますので。


    ・ ヤマトタケルの物語と
      「出生前診断(お腹の中の子供が健康か、何らかの障害を抱えてしまっていないか?)」、
      そして障害を持って産まれてくると分かった子供に対して
      親(になる者)達は、どうすれば良いのか?

      「命は大事」

      「母のお腹に宿って、いつからが”人”なのか?」

      「自分達が死んだ後、生きていく事すら苦労する子供なら
         (そんな不幸な目に合わせない為にも)産むべきではない」

      「障害を持った人は社会全体が助けなければならない」

      などの人間誰しもが考えてしまういくつもの選択肢/方法論から

      「誰もが遺伝子に何らかの問題を抱えている(=障害を持った子供を産む可能性は0ではない)、
        ならば子供など作らずに自分の遺伝子を改良し不死にして最強の存在になれば良い」

      というファンタジーな回答まで、
      本当にリアルとアンリアル(ノンリアル?)、
      創作と現実的な問題とを上手く
      「物語」として、そして「テーマ」として
      組み合わせていると思いました。


    ・ 演技について、笑いの取り方は「上手さ」も感じられました。

      ただ、(自分の感じ方としては”若さ”なのですが)
      演技、台詞、感情の載せ方などに拙さを感じ、
      アクションシーンほど普通のお芝居の場面では引き込まれるものがありませんでした。

      ※ 後半の盛り上がりで改善されましたが。

      父の「産まれて来るのが可哀想だからこそ産むべきではない」という考えと
      同じ意見だったヤマトタケルが、
      妻の意志、そして妻が子を堕ろす決意をした場面で
      やっと父性に目覚めたのか(自分の子供の存在(”人”である事)を認めたのか)、
      それを止めるシーンでは一番涙腺を引かれるものがありました。


    ・ ヤマトタケルを仕留める役をおっていたはずの従者が、
      いつの間にか介護士の手伝いを不平を言いながらもしていて、
      それが最後にはヤマトタケル達が産むであろう
      障害を持った子供を育てる苦労に対して、
      「俺達も手伝えばいいんだ!」と言い切った場面など、
      まさに本劇の「テーマ」に対する脚本家なりの回答
      (助けあう世界)だったのかと思いました。


    ・ アクション場面とお芝居場面とのバランスにもう少し工夫が欲しかったですね。

      ・ 盲目の剣士と難聴の女性との恋愛の悲しい最後

      ・ 片腕の剣士の最後

      ・ かつてヒルコを失った叔母(?)や自分の母、弟などの物語

      ・ かつて殺されるはずが生き延びた口唇裂の障害を抱えたユイの物語

      など、色々なサブストーリーについてもう少し掘り下げてくれたら
      きっと涙なしでは観れない物語になったかと思います。


    ・ 演技や物語部分の「上手さ」にもっと舞台上に気持ちを惹きつけられていたら☆5つでした。
      次に期待です。


    何よりも「脚本」と「テーマ性」の良さがまず目立つ舞台。
    現代の自分が同じ(障害を抱えた子供が産まれてくると分かった)状況になった時、
    ヤマトタケルとその妻がたどり着いた答えに自分もたどり着けるのか?
    想像もつきません。

    父のように「産まれてくる子が可哀想」、
    更には「一緒に暮らす間ずっとその事に”産んでごめん”と謝り続ける」事を考えてしまうと、
    パンフレットにあったように「9割の人が中絶を選ぶ」事について、
    非難する事も出来ません・・・


    しかし、自分の良心を信じたい、そして
    本物語と同様他者の子供、または他者自身が障害を持って苦労して生きていくのならば、
    その助けになりたい、そういう事がちゃんと出来る人間になりたい、
    と思わせられました。

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