3 youths on the sand 公演情報 3 youths on the sand」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★


    面白い。120分。

    ネタバレBOX

    「隣人の顔」(堀川炎)
    精神カウンセラーの男(島田曜蔵)に高校教師の女(高木直子)が相談に来る。男は女が高二の時に片思いした女と気づくが…。
    作演が客に初恋の人を思い出すよう話かける導入とかテーブルクロスをめくっての転換とか、面白いと感じた。終盤の、「箱」に女が気づいたかにみえるとこでかわすのもいい。カウンセリングで再生(未来)に向かう女と、過去を振り切れなかった男の対比もよいと思う。ただ、カウンセリング部分と男の情の絡みがちょっとピンとこなかった。

    「不眠普及」(綾門優季・蜂巣もも)
    眠気はあるも眠れない女(坂倉奈津子)が、色んな男とセックスして不眠病を感染しまくり隔離され、充実感を得る…。
    話の設定と突飛さがいいとこ突いてる。坂倉のまばたき少なめな狂気染みた演技も○。普通にしてれば美人だろう容貌の崩れ方が、女の内面を現してしているようで上手いなと。
    自暴自棄とかでなく、女のストレートな欲求が徐々にヒートアップしていき、幸福へと昇華していく。暗めな色合いながら内容は前向きなんじゃないかと感じた。いい舞台だった。

    「Closet」(下田彦太)
    とある企業の就職テストで組んだ、新卒なマエハラ(前原瑞樹)と子持ち社会経験有りのクシオ(串尾一輝)。M市であったストーカー殺人&リベンジポルノ事件のロールプレイと考察を重ねるが…。
    就職ってとこから人間の罪とか進化とかまで飛躍する話は面白いと思う。一番笑えたし。カインとアベルの「それ神様が悪いじゃん」は妙に納得した。折角だから、神とか人間とか大きな部分で話をもっと展開しても良かったかなと。
  • 満足度★★★★

    興味深い試み
    2.5トンの砂の上で繰り広げられる三作品は、どれも異なり個人によって贔
    屓の作品も違ってくるが、私は『不眠普及」に吸い込まれた。
    30分ほどの一人芝居は、芸術的で役者が凄まじいまでに饒舌に迫ってきてドキドキしながら観劇した。
    蜂巣ももと綾門優季の作品をまた見たい。


  • 満足度★★★★

    下田彦太作・演出『Closet』を最も面白く鑑賞/約120分
    砂漠を思わす、白くて乾いた砂の撒かれたアクトスペースで、3チームが競作。

    3つの作品の中では、下田彦太作・演出によるブラックコメディ風の二人芝居『Closet』をいちばん面白く鑑賞。

    奇抜な設定のもと、巧みに、そして面白おかしくストーリーを展開していて、引き込まれた。
    こういう奇抜な設定の芝居というのは、設定倒れに終わってしまって途中で息切れすることが多いものだが、数十分という長い時間をよくぞ持ちこたえもの。

    ただ、荒涼とした劇世界は砂漠を彷彿させはするものの、砂上で演じられる必然性をそこまでは感じなかった。

    砂上での上演が最もしっくりきたのは“脚本・綾門優季×演出・蜂巣もも×出演・坂倉奈津子”による一人芝居『不眠普及』。
    不眠のいつ終わるのか知れない感じは砂漠の果てしなさに通じるし、不眠の切り開く寄る辺なさ、不安感はやはり砂漠のそれに通じる。

  • 満足度★★★

    2.5トン
    三作品を縛る共通ルールは本当に必要なのかと思いました。

    ネタバレBOX

    2.5トンの細かな砂を敷き詰めた中での三編。

    『隣人の顔』(脚本・演出 堀川炎)  カウンセラーのところにカウンセリングのためにやってきた女性は高2のときの片思いの同級生だったという話。

    当時彼女は男の弟と付き合っていたことが判明したり、野良ラクダがいる土地柄からここは中東だったんだと分かる面白さはありましたが、片思いした方が思っているほど相手は覚えていないということで、漸近線に接近して急速に離れていくような、前フリの割には何の発展生もないストーリーでした。砂を意識して中東を舞台にしただけのことでした。

    『不眠普及』(脚本・綾門優季、演出・蜂巣もも)  新興宗教の人に薬物中毒にされ、大勢の信者のための性の相手にされている女性の話。

    薬物のせいか、自らも身体の欲求に耐え切れず、寝る間も惜しんでセックスに没頭するまでになっていました。そして、砂の存在から、これはイスラム国に拉致された女性のことではないかとはたと気が付きました。途中退屈なところもありましたが、そこに気づいてからは、ルールに則りながら国際情勢を反映した作品に仕上げた力量に感心しました。

    『Closet』(脚本・演出 下田彦太)  就職試験でM鷹市ストーカー殺人事件の分析報告の課題をこなそうとしている初対面の二人の就活学生の話。

    ロールプレイング中に二人の過去が明らかにされたりしました。役者さんの一人が鼻グジュグジュで、途中で鼻をすする見苦しいシーンもありましたが、アフタートークで細かな砂のせいということが分かって納得しました。で、砂は何を意味しているのでしたっけ。

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