ボスがイエスマン 公演情報 ボスがイエスマン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    (いい意味で)こういうウェルメードなコメディは好き
    福岡のコメディ劇団。

    きちんと作り込まれていて、ストーリー展開と役者のやり取りで笑わせてくれる。
    役者同士の台詞の噛み合わせ具合もいい。

    ネタバレBOX

    所属するプロダクションが頼りにならないので、社長に黙って独立しようとする所属タレントたちの話。
    新しい事務所社長(ボス)は、タレントたちには絶大の人望があるマネージャーがなる。
    しかし、この人が……。

    地下なので携帯が通じないことなど、いろいろな制約もコメディのお約束として、物語を面白くしてくれる。「そんなところでは事務所は成り立たないだろ」という突っ込みはなし(笑)。
    王子劇場の使い方もうまい。高低のある舞台が生まれ、地下室感がよく出ていた。

    こういう設定のときには、集団をかき混ぜる役割が必要であり、それを若手の中で1人だけ独立事務所にに呼ばなかった女性が担う。
    彼女は呼ばれてもないのに「なんで来たの?」という、独立しようとするメンバーたちの疑問を、観客も共有できる。観客の気持ちがリンクできる設定だ。内容に入りやすい。

    当然、「いい感じのラスト」になることはわかっているのだが、いがみ合っている2人の女性の、そもそもの原因が「勘違いだった」という「よくあるパターン」でめでたし、めでたしにならなかったところが良い。いい感じの気持ちの噛み合わなさが出ていたと思う。

    台詞の応酬ではなく、ラストの大団円につながるのが、地下室からの脱出という展開はとてもいい。
    場所の設定がきちんと活きてくるし、動きもあるし、さらにストーリーが一直線にならない。

    ケンタウロスの絵にどうしてまた布を掛けたのかな、と思っていたら、その理由も面白かった。
    昔やんちゃしていた、からの煙草のシーンは、2度あったが、この2度の使い方もいい。大笑いした。脱出のときのケンタウロスのシーンとこのシーンは好きだ。
    あと、尾崎豊の現在を告げるシーンも(あり得ないけど・笑)面白い。

    役者はいかにも芝居してます感があるのだが、それには悪い印象はない。全体がウェルメードな感じだから。
    役者の中では、いがみ合っている2人の女性たち(田崎小春さん、針長亜沙美さん)が印象に残った。歌手志望の青年(松野尾亮さん)と彼を好きな女性(横山祐香里さん)も良かった。

    ただ、タレント事務所であるということで、歌手とヒーローショーのアクターという2人はわかるのだが、ほかの人たちは何をしているのかがよくわからなかった。
    そして、その「何をしているのか」が、ストーリーに活かせてあればもっと良かったと思う。
    と言うか、それはこの場合絶対に必要だったのではないかと思うのだが。

    ガラパゴスダイナモスを観るのはたぶん2回目。
    東京には3回来ているらしい。
    東京に出て来るのは大変だろうが、また是非来てほしいと思う。
  • 満足度★★★★

    独立は大変だ
    密室ドタバタコメディ。セットも結構凝っていますね。この劇団何回か観てますが、妙な間とノリが実に楽しい。しかし独立は大変だ。このあたりがちょっとリアルに感じられました。

  • 満足度★★★★

    福岡の演劇界が攻めてきた
    ドタバタだったけど、まあ面白かったです。
    福岡だけに、博多大吉に似た人がいました。
    落ちたはずのドアノブが付いてたのは納得いかん。

  • 満足度★★★★

    なんかハッピーエンド
    本当は、現実は厳しいのでは。

    ネタバレBOX

    カネゴン社長と袂を分かち、新しい芸能プロダクションを立ち上げたタレントたちが、紆余曲折を経てもう一度気持ちを一つにする話。

    ヒーローショーの途中で骨折し、現業を諦めた男の手腕にかかっています。頑張ってほしいですが、そんなに甘いものでもありません。

    1F部分とB1部分を設定し、B1から1Fに上がるのに苦労させたりするなど王子小劇場の構造を上手く利用していました。ただ、ケンタウロスは分かりますが、フツーならテーブルに椅子を乗せますけどね。

    自分探しの旅のような感じの人を雇えるほどの余裕があるはずもなく、そもそもそんなに簡単に所属事務所から独立できるのかも良く分からず、全体として想定が少し甘いかなと思いました。
  • 満足度★★★★★

    福岡公演の写真を見て・・
    セット凄いなぁ・・と思ってて、でも王子にこれは持ってこれないだろう、どうするんだ?と思ってたら・・

    ネタバレBOX

    そのままもってきていたんで割と衝撃を受けた。

    なるほど、セットの仕組みを考えても、これはアゴラより王子の方が組みやすいように見える。アゴラでもできなくはないが王子の方が観客の動線含め考えてもよさそうだ、と。

    セットの使い方を考えるだけだけでも完成度が高い。

    福岡公演のセットの組み方をアフタートークで聞いても、
    壱劇屋が大阪公演でやってたみたいな使い方で、
    これは東京の劇団ではとてもまねできない、
    逆に地方で大物の箱があるところでしかできないんだなとちょっと納得もしてみたり。

    ・・いや、本当はいつもはセットなんかどうでも、役者さえいればくらいのスタンスなんだけど、今回はセットを見るだけで力のある劇団というのがよくわかった。

    役者も脚本にうまくはまった、役ばかりで、でもそれが安定しているという落ち着きというよりか、爆発するところでは突発的に爆発できる感じというか。

    小劇場というか、ほとんど大御所みたいな感じで。

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