Catastrophe 公演情報 Catastrophe」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 満足度★★★★

    重厚な作品
    前に観た前々作より好きな作品でした。戦争と言う重いテーマを観られる作品に昇華するのは大変なことですが、しっかり見ごたえのある作品で、良かったです。最近あまり無い作風の団体さんなので、こういう作品が続けばと思います。
    ただ役者さんがもうちょっとだったかなぁと。役者として遊びが無いと言うか良い子過ぎると言うか。。。あと一歩重みが欲しかったように思います。

  • 満足度★★★★★

    戦争の核心を衝いた骨太な舞台
    「何故戦争は起きるのか?」


    人類が進化・繁栄していく過程で、絶え間なく繰り返されてきた『戦争』。
    その本質に鋭く真っ向から迫った作品で、非常に見応えがありました。


    賛否両論あるとは思うけど、この劇団の代表作となり得る作品だと思う。


    上演時間:110分

    ネタバレBOX

    人類の進化・繁栄と引き換えにもたらされてきた幾多の問題。

    中でも先進諸国が抱える『少子高齢化』『生産年齢人口の減少』問題、世界的には人口増加に伴う食料、資源、エネルギー不足の問題。この作品に描かれているように、このまま人口が増え続ければ、いづれ近い将来、戦争するか、あるいはみんなで仲良く滅亡を選ぶかの選択を迫られる日が来るかもしれない(もちろんみんなが大人しく滅亡の道を選ぶ筈もないので、生き延びる為には必然的に戦争の1択しかない訳だけど…)。

    本来ならこういう現実を”冷静に直視”した作品こそ、出来るだけ多くの人に観てもらいたいのだけど、実際のところ拒否反応を示す人もまだまだ多いと思う。それでも敢えてタブーなテーマに真っ正面から斬り込んだ姿勢は大いに評価したい。
  • 満足度★★★★★

    近未来
     滅亡への序曲或いは招待と名付けたい内容で、自分は好みの作品だ。

    ネタバレBOX

    3.12以降、原発・核関連に絡めて書くことが多いのだが、もう一つの根本的な問題は、無論、人口問題である。この問題について、自分は40年程前から指摘しているが、まあ、食物連鎖の最上位に位置する者が無制限に増えたら、無論、破綻しかないのはマルサスを出す迄もあるまい。必要な食糧の量が、地球の生産性を上回ってしまうからである。実に単純なことだ。単純だから、多くの者が気付かない。そして、結果は、極めて深刻である。
     設定は、今から22年後の2036年。世界は2分され、戦争をしている。日本を除くAA諸国VS欧米+日本である。戦闘員の人数は、AA諸国は欧米日の5倍以上。このままでは、欧米日軍が負けるは必定。戦争の原因は、無論、理論の示す通り。現実の食糧不足とそのの生産地獲得、生産に必要となる様々なエネルギー等の獲得競争である。
     当然のことながら、食糧などは、既にAA諸国のどのエリアでも配給制となっており、多くの者は、従軍しなければ、配給対象から、自分や家族が外されてしまう為、兵士となって従軍していた。西側は、元々の豊かさから、配給制とはなっていても、戦闘員になることとセットになっていなかったり、社会保障制度との兼ね合いで、極端な政策を政治が打ち出しにくかったことから、この点で対応が遅れていたのだが、既に、中国では、特攻攻撃が路線として採択されており、仮に大々的にこの作戦が実行されれば、彼我の戦闘員数の圧倒的差は、西側必敗を意味した。元々、この兵力差は、AA諸国の方が、より早くこの兵士とその家族のみ優遇する非常態勢を法文化したことにあったから、西側諸国もこれに倣ったというわけだ。無論、元々の人口差もあるのだが、それだけでここまで兵力に差が出たのは、以上説明した理由による。
    その為、この兵力差では、圧倒的に不利な、西側も今迄、戦闘に参加していなかったインテリ層に属する人々を兵士にすべく法改正を行いつつあった。
     このような状況下にあって、家族を守る為、配給の食糧を確保する為、出征して行った元ジャーナリスト達の、その後を描いた作品。上演中なのでネタバレはここ迄、中後半も切迫した展開を見せて最後迄緊迫感を保った舞台である。作家は、30代前半の方と伺ったが、可也しっかり時代の本質を見つめ、冷徹と言って良い観察眼を武器に、勇気のある作品発表を行っている。上演に際して、細かい点で、更に工夫が欲しかったり、役者の演技力・間のとり方などに注文をつけることも可能だろうが、この作品を発表した勇気と、作家の自立志向、本質を見る目に期待して★は5つ。

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