満足度★★★★★
人間を描けてこそ
間近で拝見し、素晴らしい演技力に感嘆いたしました。目の前なので、ちょっとした切りかえのアラなども見えてしまう距離でしたが、全く違和感なくとりつかれた役者はとりつかれた者として、死神は死神として見えました。落語のうすら怖さは、化け物怪奇の怖さと言うより、人間の心の奥底の醜さの怖さを描くところにポイントがあると思います。そのためには、人間と言う曖昧な存在を余すところなく演じ切る役者の技量が必要なのです(若手の落語家さんでも、人間が演じられてない方は、やはり噺が浅いのです。)
林さんのコーディネーターぶりも素晴らしかったです。相変わらず良い声の役者さんです。演者として更に円熟味を増され、この独特の催しに相応しい存在感を放っておられたと思います。
満足度★★★★
構成・演出に、あの二人
古典落語を下敷きにトンデモナイ夫婦の顛末を見せる、イエドロの落語第二弾。
コーディネーター林勇輔さんの構成と、映像を上手く使った演出が秀逸。
あの殺風景な空間が江戸の貧乏長屋になり、寂しい峠の道になり、
あの世との境になるために、
番傘に映写される映像や巧みな照明の効果が重要な役割を果たしている。
怠け者でろくに仕事もしない亭主(さひがしジュンペイ)と
女房(わかばやしめぐみ)のやり取りがテンポよくて勢いがあって可笑しい。
9月の「黄金のコメディフェスティバル」で最優秀俳優賞を受賞したわかばやしめぐみさんの
素晴らしいコメディエンヌぶりが印象的。
さひがしさんがここでは主軸となって、その周りをわかばやしさんが自在に回る感じ。
わかばやしさん、特に死神が女房に憑依した場面での切り替えと演じ分けが見事だった。
どこか厳かな死神と下世話な女房の対比が素晴らしく鮮やか。
さひがしさん、ラスト「あ~…」という残念な理由で死んでしまうところが情けなくて可笑しい。
江戸弁の威勢の良さが物語をけん引するあたり、シリーズが板についてきた証拠だと思う。
おぼんろとは全く違ったテイストが共存する両氏のセンスは貴重だ。
それにしてもなんと息の合ったコンビだろう。
台詞といい歌といい、次はどんなことをしてくれるだろうと楽しみになる。
満足度★★★★
愉しかったぁ♪
単独で上演したこともある「死神」を中心に複数の怪談噺をミックスする得意技に、落語ゆえの時代考証など半ば無視したくすぐり(アレやソレも出しますか!)加え、会場の雰囲気を借りるだけでなく、その構造を活かして出ハケ口を3つ設けるなどの演出もなかなか。
いやぁ、愉しかったぁ♪
満足度★★★★★
怖いけど、面白い
古民家《ゆうど》、初めて行ったが、作品にすっごくあっていた。小さなお庭に草花と、風情のある空間でした。夜行ったので、『いかにも出そう?』と、脅え過ぎた?せいか?怖いより、二人の魅力満載で、面白かったです。
満足度★★★★
意外に怖かった!!
なかなかに蒸し暑い日で暗くなってから雨。会場である古民家『ゆうど』の雰囲気と相まって、怪談やるにはぴったんこのシチュエーション!
そこで語られる落語芝居。
これが意外に怖かったのですよ!
ホラーやオカルト的な怖さではなく、やはり一番怖いのは人間の心!
お二人の表情がまた、いいんだよなぁ!
10月は場所をかえ、ガラリと趣の異なる場所で。
こちらもますます楽しみになりました!